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プレリュード

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発売時は「雰囲気は初代、コンセプトは3代目の再来」と話題になるも不発だったラグジュアリークーペ、5代目ホンダ プレリュード【推し車】

RVブームで不人気とはいえ、発売時の話題性は高かった

スポーティに黒でキメるより、妖しい雰囲気のワインレッド系内装でデートカー的なラグジュアリーさを強調

現時点で「最後のプレリュード」である5代目が発売された1996年11月が、日本自動車史においてどんな時期だったかというと…「RVブーム」の真っ只中で、1980年まであれほど人気だったセダンクーペが保守的で無駄なクルマと全否定されていた時期です。

スバル レガシィツーリングワゴンでステーションワゴン、三菱 パジェロ(2代目)でクロカンSUV、ホンダ CR-VでクロスオーバーSUV、同 オデッセイや同 ステップワゴンでFF低床ミニバン、スズキ ワゴンRでトールワゴンと、続々と「RV(※)」が大ブレイク。

(※RV=レクリエーショナル・ビークルの略。SUVに限らない新世代乗用車の総称だった)

3代目プレリュードの王座を日産のシルビア(5代目S13)が蹴落とした、デートカー市場で人気のクーペも、S14シルビアが3ナンバー化で肥大化するのを待つまでもなくRVに取って変わられており、日本にプレリュードの居場所などありません。

それを察したホンダも4代目プレリュード(1991年)からスポーツ路線に転向しますが、たとえスポーツクーペであろうと、インテグラタイプR(1995年)のような「本気の本物」以外は受け入れられなくなっていました。

そこで心機一転、5代目プレリュードはデートカー的なラグジュアリークーペ路線へ回帰して登場しますが、リトラクタブルヘッドライトではなく固定式ヘッドライトで、FF車でありながらロングノーズ・ショートデッキのFR車的なスタイルは初代に似ていると話題に。

それでいてコンセプトは2~3代目のラグジュアリークーペ路線ですから、これが成功すれば「クーペの復権もあるかも?」と、RVブームに馴染めないユーザーは一筋の望みを託したものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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