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箱根駅伝で監督が乗る車の運転手はプロドライバー!応援や車の並走にもルールあり

お正月の風物詩である箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)は、東京・読売新聞社前〜箱根・芦ノ湖間の217.1kmを10人がタスキで繋ぐ長距離リレーマラソン。箱根山を舞台に選手たちが、2日間にかけて熱いレースを繰り広げます。

箱根駅伝といえば、名物監督による声掛けも見どころのひとつ。選手の直後を走る拡声器付きの車が、監督の乗り込む運営管理車です。あの声掛けにはルールがあり、車の運用についても厳格な決まりが設けられています。

監督が乗る運営管理車はいつからはじまった?

©sportpoint/stock.adobe.com

監督は「運営管理車」と呼ばれる拡声器付きの車に乗り込み、選手を見守りつつ、助手席からマイク片手に叱咤激励やねぎらいの言葉を掛けます。

運営管理車(当時は伴走車)が登場したのは1973年のこと。当時用いられたのは陸上自衛隊の73式小型トラックでした。

それ以前は、大学所有の車両に監督が乗り込み、 身を乗り出して肉声や拡声器で終始激しく叫び続けるシーンも見られました。幌を外した三菱 ジープなどが多かったようです。

2003年の第79回以降は、車は大学所有のものではなく、協賛自動車メーカーから各大学に1台ずつ運転手付きで提供されるようになりました。伴走車から運営管理車と名前が変わり、その運用には厳格なルールが設けられるようになりました。

協賛の自動車メーカーは2003年第79回大会までは三菱が務め、その翌年からはホンダに変わり、2011年の第87回以降はトヨタが駅伝運営に関わるすべての車を提供しています。

ここ数年はトヨタ ノア/ヴォクシー/エスクァイアが運営管理車として使用されており、車には各大学のタスキの色と同じリボンのラッピングが施されています。

運営管理車の伴走と監督の声掛けにはルールがある!

©yumeyume/stock.adobe.com

運営管理車に乗っているのはドライバーと監督だけではありません。大学からは主務と呼ばれるアシスタント1名と、大会運営側から競技運営委員と走路管理員1名づつの、合計5名が乗車しています。

車両の運用には「運営管理車であることが分かるように標識を付けなければならない」「競技者および競技運営関係車両同士が並走してはならない」などの細かなルールが大会規定で定められているうえ、声掛けできるタイミングや長さにもルールが設けられています。

監督が選手に声掛けできるのは、区間内の1km、3km、5km、15km、20km地点に加え、特定区間の残り3kmもしくは1km地点のみです。それそれの場所で1分間だけ声掛けが許可されています。

ただし、復路スタート直後下りカーブが続くの6区のほか、交通事情によっては声掛けが見送られる場合があります。 また、作戦伝達など具体的な指示は出せない決まりです。

選手の順位が入れ替われば、運営管理車の順番も入れ替わります。競技者が集団で走っている場合は、1分間の声掛けが終わりしだい車の順番を入れ替えて他の大学の監督に出番が回されます。

一時は監督による選手への直接給水も行われていましたが、安全性の観点から2014年の第90回以降は禁止になりました。

運営管理車の運転手や乗員は意外と大変

運営管理車の運転手として自動車メーカーから派遣されるのはプロのドライバーです。トヨタでは直営教習所トヨタドライビングスクールの教官が運営管理車の運転手を務めます。

運営管理車は、選手との距離を測りながら平均速度20km/h程度を保ったまま、5〜6時間をほぼ休憩なしで走行し続けなくてはなりません。

また選手の走行を妨げないように注意するのはもちろん、沿道に並ぶ観客にも注意を払って走行しなくてはならず、監督の声掛け時には他の運営管理車との円滑な順番交代も求められるため、低速走行とはいえ運営管理車の運転は大変です。

そして運営管理車に乗る人全員にとって、もっとも大変なのがトイレ。

もちろん、トイレ休憩をしてはならないというルールはありませんが、トイレ休憩で車列を外れてしまえば、選手や他大学の運営管理車を避けて元の位置に戻るのはプロドライバーとはいえ容易ではありません。

また、声掛けのタイミングを逃してしまえば、チームの不利になりかねません。運営管理車の乗員はトイレを控えるために、大会中の2日間に渡って水分摂取を極力控えるそうです。

運営管理車の排ガスや安全性に問題は?監督の伴走は必要?

©Stefan Redel / stock.adobe.com

選手の近くを走行せざるをえない運営管理車には、ドライバーの苦労以外にも、運営上の懸念点がいくつかあります。ひとつは排気ガスの選手の健康やパフォーマンスへの影響です。

これに関してはハイブリッドカーの提供や、選手と適切な距離をとることで対処されています。今後は電気自動車(EV)の導入により、排気ガスの問題は完全解決できるでしょう。現に2021年の先導の白バイには、電動バイクのBMW C evolution(シー・エヴォリューション)が配備されていました。

もうひとつは、交通事故や交通トラブルのリスクが伴うことです。事実、箱根駅伝の大会運営は渋滞発生や安全性に配慮し、1991年第67回から車での伴走を禁止した経緯があります。

しかし伴走の廃止以降、疲労骨折や肉離れ、脱水症状などで棄権する選手が出るようになったため、2003年の第79回から運営管理車として現在のようにルールを設けた形での伴走が復活しました。

監督が車で伴走するのは、その存在や声掛けによって選手を鼓舞するだけでなく、選手の状態を確認し、いざというときには棄権の判断を下すためでもあります。選手の安全を見守るためにも運営管理車は、やはり必要なものといえるでしょう。

TV中継放送のなかで、選手の後に映り込む運営管理車は、選手と監督のつながり強さを感じさせられる画です。運営管理車のルールや存在意義を知って観戦すると、いつもの箱根駅伝とは違った側面が見えてきます。

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執筆者プロフィール
伊藤友春
伊藤友春
1981年生まれ。自動車専門Webライターとして執筆活動中。自動車の構造に明るく、ほとんどの整備や修理をDIYでこなす。輸入車・コンパクトカー・変わったデザインやコンセプトの車が好きで、現在の愛車はその最た...
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