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1990年代RVブームにコマ不足だった中、「ビーグル」で遅咲きの花を咲かせた~ホンダ シビックシャトル【推し車】

実はホンダにもあった「RV」、シビックシャトル

ホンダ シビックシャトル ビーグル(1994年)

名車というほどではないけれども、そのメーカーや時代、文化にとっては何らかの役割を果たした…そんな「忘れがちな銘車」をいくつか紹介していますが、今回はホンダの「シビックシャトル」です。
オデッセイやCR-Vなどの「クリエイティブムーバー」までRV的なクルマを持たないイメージが強く、ステーションワゴンも1991年にアメリカから輸入を始めたアコードワゴンくらいで、ブームに乗り遅れていた感のあった1990年代初めまでのホンダ。

しかし「ホンダのRV」が皆無だったわけではなく、軽1BOXのストリートと並ぶ数少ない例外が、シビックシャトルでした。

「FFニューコンセプトセダン」を名乗った初代(1983年)

ファミリーカーとしてのシビックはどの形が正解か?

3代目「ワンダーシビック」の5ドア版としてデビューした、初代シビックシャトル

初代シビックシャトルがデビューした1983年10月当時のプレスリリースを見ると、シビックが3代目「ワンダーシビック」へとモデルチェンジする際、ホンダ社内でも「次のシビックはどうあるべきか」と激しい議論があった、とされています。

初代のリファイン的なデザインで大きな進歩が見られず、1980年代にはもう古臭くなっていた2代目「スーパーシビック」から、フラッシュサーフェス化で滑らかなデザインへ一新、「残すのは名前だけ」というくらい新しくなる、シビックの正しい姿とは?

若者向けのスポーティな3ドアハッチバックはともかく、若い世代のファミリーカー需要を満たすセダンがどうあるべきかが最大のポイントだったと思われますが、結果的には「じゃあどれも作ってみろ」という結論になったようです。

それで3ドアハッチバックや4ドアセダンと同時にデビューしたのが5ドアのシビックですが、輸出される北米では「シビックワゴン」を名乗り、またシビックPROという商用登録バン仕様もありましたから、実質的にはシビックカントリー後継のワゴンではありました。

新感覚セダンとしての寿命は短く、実質ショートワゴンだった

Cピラー以降をブラックアウトしたあたりが、「スペースを最大限広く取ったセダンですよ」という主張だったのかもしれない

ただ、上級グレードでは左右独立リクライニングや、前に倒してフラットな広い荷室を断念する代わり、座り心地のいい上質なものとしたリヤシートなど、日本ではワゴンという言葉を使わず、「FFニューコンセプトセダン」を名乗っています。

当時はステーションワゴンが「貧相なライトバンの乗用登録版」と見られており、ミニバンという言葉も一般的ではなかったので、ショートワゴン的なクルマや1BOXミニバンが「新しいセダンの提案」と宣伝していたのに、ホンダも乗った形です。

実際、ホンダの”マン-マキシマム・メカ-ミニマム”という「MM思想」からすると、セダンもキャビンを最大限に取った2BOXスタイルであるべき…という考え方には一理あったように思えます。

ただ、まだ保守的な独立トランクつき3BOXセダンが主流だった時代ですから、その考え方はまだちょっと早すぎたかもしれません。

実際、リヤシートが豪華なグレードは途中で廃止されてしまい、1990年代でいう「ショートワゴン」的なクルマへと変わっていきました。

末期に「ビーグル」を追加した遅咲きの2代目(1987年)

なんとなく覇気に欠けた、シビックプロの乗用ワゴン版的なポジション

4代目「グランドシビック」と同時にモデルチェンジした2代目シビックシャトルは、よりステーションワゴン的になった

1987年には4代目シビック、「グランドシビック」へのモデルチェンジで、シビックシャトルも2代目となり、「ユーティリティにあふれたリッチなセダン感覚」と宣伝ではセダンという言葉は使ったものの、広いスペースを提供するクルマという位置付けでした。

「いわば、フリースタイル・ステーション」としていましたが、こういうユーザーに丸投げして使い方はご自由に、というクルマは案外ウケないもので、何かメーカーから「このクルマをこう使うとカーライフが豊かになりますよ!」という提案が欲しいところです。

そうした姿勢の変化から、ホンダも商用バンのシビックプロ(こちらもモデルチェンジしていた)がメインで、シビックシャトルはその乗用ワゴン仕様という、当時としては当たり前の割り切りをしていたのかもしれません。

実際、シビック同様のモデルチェンジをしていたのはこの代まで、次の5代目「スポーツシビック」でも、6代目「ミラクルシビック」でも、シビックシャトルだけはモデルチェンジせずに継続販売されていました…つまり「そうするほど売れなかった」わけです。

RVブームに乗れないホンダ、シビックシャトルの出番はまだか?!

カッコよくはなったし前後ダブルウィッシュボーンサスだし、B16Aを積んで「スポーツワゴン」で売ったら面白そうだったが

しかし1990年代に入る頃には、クロカン4WDやステーションワゴン、ミニバンといった「RVブーム」が本格化しますが、ホンダにその種のクルマはあまりありません。

アメリカからアコードワゴンの輸入を開始(1991年)、アメリカからジープ・チェロキーの輸入販売や、ローバー、スバルからクロカンのOEM供給を受けてしのごうとしますが、元からあるシビックシャトルはなぜかそのまま。

初代オデッセイ(1994年)ですら、「ホンダがそんなカッコ悪いクルマを作れるか!」と反対があったくらいですから、シビックシャトルをRV化したり、モデルチェンジしたいと言っても、社内事情がそれを許さなかったのでしょうか?

しかし、10月にオデッセイのデビューを控えた1994年7月、ついにシビックシャトルのRV仕様「ビーグル」が発売されたのです。

ついに現れた「ビーグル」、ホンダ製クロスオーバーSUVの元祖!

1987年デビューから7年目の1994年、「RV風のお買い得車」として追加されたビーグルだが、ユーザーが待っていたのはまさにこういうクルマ…もっとクロカン風のデザインに大径タイヤを履かせてリフトアップすれば、まんま初代CR-Vだ!

フルタイム4WD車をベースに、アルミ製のバンパーガード(大型フォグライト付き)やアンダーガード、前後マッドガード、現在で言えば「クロスオーバー風」のツートンカラーで着飾った「ビーグル」は、「ようやくホンダからRVが!」とばかりにスマッシュヒット!

そんなに売れるなら、早くこうしておけば…というのは後知恵ですが、ともあれホンダもシビックシャトル ビークルの人気でだいぶ考えを改めたようで、その後はシビックをベースにRVの新型車を開発するようになりました。

一応、シビックシャトルの後継はステーションワゴンのオルティア(1996年)と、シビックプロ後継のライトバン仕様パートナー(同)ということになりますが、RVとしての本命である「ビーグル」の後継は、初代CR-V(1995年)だったかもしれません。

オルティア/パートナーが発売される1996年まで9年も作られた2代目シビックシャトルですが、「ビーグル」が発売されてからの2年がもっとも輝いていた時期という、かなり遅咲きのクルマでした。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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