更新
ネガキャン(ネガティブキャンバー)とは?車にはどんなメリット・デメリットがある?
目次
ネガキャンのデメリットは?
「ネガキャン」メリットは、ドリフト走行には多少あるかもしれませんが、一般のドライバーがしてもデメリットの方が圧倒的に多いです。
直進安定性が悪化
「ネガキャン」は車体がロールしているときはタイヤのグリップ力が向上しますが、反対に車が直進している時にはタイヤの設置面積は減ることになってしまいます。
つまり、タイヤが路面に効率的に動力を伝えられなくなり直進安定性が悪化します。
タイヤの偏摩耗
通常、車を運転しているときにタイヤの接地面積が少なくなるので、タイヤの偏摩耗が起きてしまいます。
いわゆる、「片減り」が生じてタイヤの寿命が短くなります。
走行安定性の悪化
ホイールアライメントを狂わせて「ネガキャン」にするため、走行性能、特に直進性能が大きく悪化してハンドルが取られやすくなります。特に路面に轍(わだち)があると最悪です。
違法改造
タイヤが車体から大きくはみ出すことになり、車両の幅が大きくなります。正式な車体の改造申請無しでこれをすると違法改造になってしまいます。
つまり、違法改造車に乗っていると警察に検挙される可能性があります。
車両故障と破損
ほかにも、サスペンションやショックアブソーバーが正常に働かず乗り心地が大きく悪化したり、走行抵抗が増加することによる燃費の悪化や、車体に過剰負担をかけることによるハブベアリングやナックル部品の故障、また、極端に最低地上高が低くなるためマフラーやバンパーを破損しやすくなります。
ネガキャンの角度調整と設定方法のやり方は?
これだけデメリットの方が多いのにどうしてもネガキャンまたは鬼キャンにしたい方は、専門の自動車改造ショップに相談することをおすすめします。
やはり「人と違うルックスの車に乗りたい」とか「人よりカッコいい車に乗りたい」と考えてしまう気持ちは、車好きであれば当然かもしれません。街を見まわすとネガキャンの車は結構走っていますからね。
ネガキャンにする方法ですが、自分の乗っている車両がどんなタイプのサスペンション形状なのかを詳しく知る必要があります。ネガキャンにする設定方法やキャンバー角の調整方法も改造の手法により異なってきます。
フロントサスペンションをネガキャンにする設定方法
1.ピロボールアッパーマウントを使うことでキャンバー角を付けることが可能となり、車高を下げたときに製品にもよりますが角度を任意に調整してネガキャンにすることができます。
2.ストラット下部のハブキャリアとの締結ボルトを、ナックルのブラケット部分に偏心したキャンバーボルトに変更する方法でも、ストラット式サスペンションであればネガキャンにすることも可能です。
3.キャンバーアダプターをという部品を取り付けると、比較的簡単にキャンバー角を変更することが可能です。また、このアダプターのサイズを変更することでキャンバー角度を選択することも可能です。
4.アッパーアームを社外品に交換することでも、キャンバー角を変更することが可能です。純正アッパーアームよりアーム長を短くすることでキャンバー角をネガティブ方向に大きくします。
5.フロントロアアームアジャスターを車高が下がった車両に取り付けることでネガキャンにできるモデルもあります。
6.ロアアームを延長する方法もありますが、これは純正のロアアームを途中で切断してから鉄板を継ぎ足して長さを長くすることが多いため、素人が行うことは難しいです。
リアサスペンションをネガキャンにする設定方法
1.アッパーアームを社外品に交換することでも、キャンバー角を変更することが可能です。製品によっては、アームの長さを調整することも可能で、アーム長を任意に調整することで、キャンバー角の調整を行うことができます。
2.キャンバーアダプターを使い、フロントサスペンションと同じ手法で比較的簡単にキャスター角の調整をすることも可能です。
3.リアキャンバープレートを専用品に交換することでネガキャンにできる場合もあります。トーションビーム式リアサスペンションを採用するミニバンやコンパクトワゴンは、お好みのキャンバー角用の専用品を使用することで比較的簡単にネガキャンに変更できます。
4.調整式ピロアッパーマウントへの交換が一番のおすすめかもしれません。純正部品との交換なので、車検時には元に戻せます。また、調整式ピロアッパーマウントすることにより、お好みのキャンバー角にすることができます。
5.最後に、キャンバー可変式アクスルという部品の装着という方法もあります。アナタの車が軽自動車であれば、もしかするとこの方法が一番手軽な改造方法かもしれません。キャンバー角も任意に調整することが可能です。メーカーは異なりますがフロントサスペンション用として、同様に便利なCamBraという製品もあります。
それでもネガキャンにしたい人へ
ネガキャンについての記事はいかがでしたでしょうか?やはり車好きの人が、目立つネガキャン仕様のカスタマイズに憧れるのも当然のことかもしれませんね。
1980年代後半から1990年代の高級セダンに多く採用された「セミトレーリングアーム」式のリアサスペンションを採用した車(初代 日産・シーマなど)は単に車高を下げるだけでリヤタイヤが「鬼キャン」になる特徴があり、簡単にネガキャンにできる車もありましたが、溶接加工を伴う大幅な改造が必要な車も多くありました。ちなみに、セミトレーリングアーム式のリアサスペンションは加速時にリアが沈み込む特徴もあります。
しかし、最近は比較的お手軽に「ネガキャン」を楽しめる便利な専用のサスペンションパーツがあります。
いずれにしても、自分で「ネガキャン」にすることは非常に難しいので、多くのデメリットを承知の上でどうしても自分の車をカッコよく見せたい場合は、専門のノウハウを持った自動車ショップに相談して「ネガキャン」デビューしてみるのもアリかもしれませんね。
車の足回りの改造やカスタムに関連するおすすめの記事
ドリフトに関連するまとめ記事
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...
- 監修者プロフィール
- 鈴木 ケンイチ
- 1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレー...