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車が脱輪しても大丈夫!プロのやり方を「今読んで」涼しい顔して対応しよう
日本の未舗装の林道は狭く、軽自動車の車幅サイズしか確保されていない場所も多くあります。オフロード4WDであればスズキ「ジムニー」で通るのがやっと。
そんな林道で多いトラブルが「脱輪」です。道路の路肩からタイヤが落ちたり、脇の側溝にタイヤが落ちて走れなくなってしまったら、どうしたらよいのでしょうか?
バディのクルマがいる場合は牽引ロープが使えるが…
雨上がりで赤土の路面、深雪が積もった直後など、脱輪は、状態が悪く滑りやすい路面で起きることが多いです。十分に気を配っているつもりでも、気がついた時はもうタイヤが落ちてしまっていることもあり、僕も何度も脱輪を経験しています。
しかし、バディのクルマがいる場合はまだ安心できます。特に道の谷側に落としてしまった場合は、車体自体も谷に落下する恐れがあるので、牽引ロープを使ってもう1台にアンカーになってもらう必要があります。
ですので、ソロでこの状態になるのが一番最悪ですね。車両にウインチが付いていればセルフレスキューができますが、昨今はウインチを付けるのもレアケースになりつつありますから。
さて、脱輪した時にまず試すべきは、走ってきた走行ラインをそのまま戻る、ということです。道がスロープ状になっていれば、これがもっとも手っ取り早いトラブルバスター。
先に行けば道がスロープになっている、という場合は前進を試してみましょう。大抵はこの方法で脱出できます。
しかし、側溝などに落ちてしまっている場合は少々厄介。片側2輪とも脱輪している時は、ちょっと頭を抱えます。
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小石や土を運ぶときは、フロアマットが使える!
側溝に落ちた場合は、最初にすべきことは冷静な状況判断です。車体の下を覗き込み、サスペンションや車体が路面に接触していないかをチェックします。路面にどこかが接触している場合は、接触が解消されるまで車体を持ち上げなければなりません。
車体を持ち上げると言っても、大抵の場合は対応できるアイテムを携行していません。あるのは、クルマに積んであるパンタグラフ式のジャッキくらいでしょう。
しかし、パンタグラフ式ではじゅうぶんな高さまでジャッキアップできないのがネックです。上がったとしても、せいぜい50cm程度。
しかも、コイルスプリングが伸びるため、タイヤを持ち上げるのは1回のジャッキアップでごくわずか。作業を根気よく続けなければなりません。
もっと上げなければ脱出できない場合は、タイヤの下に何かを詰める方法を試しましょう。
硬いモノの方がタイヤを載せた時に崩れにくく、走行しても変形しないため、まずは石や小岩を探しましょう。土や雪は柔らかく、簡単に変形してしまうため、相当量を詰め込まなければ崩れてしまいます。
ある時は、フロアマットを持って遠くまで歩き、小石や土を何度も現場に運んだ…ということがありました。フロアマットはジャッキの滑り止めやスコップ代わりに使えるので、意外と重宝するアイテムです。
ちなみに、石や土をスロープ状に積んで、前進・後退で脱出することも考慮しましょう。
最悪なケースが、クルマの周りに何もない…という状況。整備が行き届いた林道などでは、時折こうした絶望に見舞われます。こうした場合は無念ですが、自分の服でも何でも使うしかないでしょう。
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イザという時に備えてオフロードに出かけよう!
側溝にいろいろな詰め物をして脱出する場合もあれば、ジャッキで上げた車体を側溝と反対側に押し倒して脱出するという方法もあります。これは比較的、側溝の深さが浅い場合に有効です。
ちなみに、バンパーを金属製のものに替えてあり、その上で「ハイリフトジャッキ」という道具を持っていれば、脱輪からはたやすく脱出することができます。
さらに、トラクションプレートという板や、ハンドジャッキやチルホールといった車体を引き上げる道具があれば、トラブルバスターが簡単です。
80、90年代のオフローダーは、排気ガスを使って車体を上下させる「エアジャッキ」というアイテムを携行していく人が多かったのですが、昨今はそれ自体を見かけなくなってしまいました。
こうしたトラブルバスターにはうってつけのアイテムなので再販を望むところですが、出してもなかなか売れないということがあるのかもしれません。
オフローダーがいろいろな道具を車体に付けているのを見たことがあると思いますが、あれはファッションではなくイザという時の備え。頻繁には行かないというドライバーでも、林道などオフロードに行く時はスコップやシャベルと牽引ロープくらいは持っていきましょう。
ちなみに、厳密に言えば林道はオフロードではなく、未舗装の道。ですが昨今の林道は自然災害の影響で路面が荒れており、修復・整備が追いつかないことから、オフロード同然になっていることが多いのも事実です。
ベストなトラブルへの備えは、オフロードや未舗装の道には1台では行かないということ。仲間と2台以上で行くことで、アクシデント時の安心感が断然違ってきます。
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- 執筆者プロフィール
- 山崎 友貴
- 1966年生まれ。四輪駆動車専門誌やRV雑誌編集部を経て、編集ブロダクションを設立。現在はSUV生活研究家として、SUVやキャンピングカーを使った新たなアウトドアライフや車中泊ライフなどを探求中。現在の愛車は...