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「セダン」は時代遅れ?それとも人気復活?業界関係者が語るセダンの未来に納得

かつて、クルマ=セダンというほど、セダンが街にあふれていました。しかし、現在では、SUVミニバン、コンパクトカーなどが台頭し、セダンはむしろ少数派となっています。

例えば、2020年度の新車販売台数ランキングを見ると、ベスト10の中にセダンは1車種しか登場していません。正確に言えば、その1車種であるトヨタ カローラは、セダンモデルのほかハッチバックやワゴンなども含まれるため、実際にはセダン単体での販売台数はもっと下位であると予想できます。

商用車やクロカンのような特殊用途車両をのぞけば、1970年代頃まではほとんどの乗用車がセダンもしくはセダンをベースとしたクーペやワゴンでした。

それがなぜ、少数派となってしまったのでしょうか。そして、今後セダンはどうなっていくのでしょうか。

かつては「クルマと言えばセダン」、しかし今は絶滅寸前

11代目 トヨタ クラウン

1980年代はセダンやクーペの全盛期

そもそも「セダン」とは、一般的に、独立したボンネットとトランクを持つクルマと定義できます。近年ではFF(前輪駆動)のセダンも珍しくなくなりましたが、かつてはほとんどがFR(後輪駆動)でした。

この背景には、クルマが多くの一般市民に普及しはじめた1960年頃、クルマの走行安定性や居住性、耐久性といった様々な条件を考慮した時、当時はFRのセダンが現実的な最適解だったという事情があります。

その後、技術が進歩したことで、よりコンパクトで安価なFFベースのセダンも登場するようになりました。

1980年代にはセダンおよびセダンベースのクーペが全盛期を迎え、各社から様々なモデルが登場しました。しかし、1990年代に入ると、現在でいうミニバン、そしてSUVなどの元祖と言えるようなモデルが徐々に登場しはじめ、多くのユーザーの心をとらえていきます。

それでも、「クルマといえばセダン」と考えるユーザーはまだまだ多く、各社のラインナップにもセダンはまだまだ多く残っていました。

2000年以降、徐々にセダンよりSUVへシフト

しかし2000年代に入り、排ガス規制が厳しくなると、自動車メーカー各社はラインナップの見直しをせざるを得なくなってしまいました。このタイミングで、多くのセダンがラインナップから消え去ることになります。

そして2010年代には、SUV全盛時代を迎えます。SUVの弱点とも言える走行安定性の悪さが、様々な技術によって大幅に改善したことで、居住性やデザイン性の高さも加えた最もとトータルバランスの良いクルマとして躍進することになったのです。

一方、SUVの台頭と反比例するように、セダンは下火になってしまいます。

日本を代表する名車であるトヨタ「クラウン」や日産「スカイライン」さえ、次期型はSUVになるという報道も出るほどであるように、セダンはまさに絶滅の危機にひんしていると言えるのです。

これからのセダンが生きる道は「4ドアスポーツカー」?

現行モデルのクラウン

では、このままセダンは消えてしまうのでしょうか?ある自動車業界関係者は、セダンの今後について次のように分析します。

自動車業界関係者が語るセダンの今後

かつてはクルマの基本形とされていたセダンも、現在ではそのメリットが薄くなりつつあります。多人数乗車や居住性を求めるならミニバンやSUVがありますし、燃費性能やコストパフォーマンスを追求するなら軽自動車やコンパクトカーが適しています。つまり、今後セダンが生き残るためには、セダンを選ぶ積極的な理由がなければなりません。

現時点で最も有力な『セダンを選ぶべき理由』は、セダンが伝統的にフォーマルなクルマとされてきたという歴史です。そのため、役員車などのVIP向け車両では、現在でも比較的セダンが選ばれることが多くあります。

しかし、そうした風潮も将来的には見直されることになると思われます。実際に、タクシーも最近ではミニバンタイプの『JPN TAXI』が主流になりつつありますし、役員車でも『アルファード』のような、居住空間に優れて多人数乗車が可能な高級ミニバンが増えてきています。このように考えると、『伝統』や『歴史』に頼っていてもセダンの復権は難しいでしょう。

ミニバンやSUVと比較した際、セダンが有利になるのは、重心が低いことによる走行性能の高さです。この点に、セダンの生き残る道があると考えます。クルマが移動のための道具でありながらも、日常に彩りを与えてくれる嗜好品でもあります。そのため、クルマに対して運転する楽しさを求める人は今後も少なくないでしょう。

一方、運転する楽しさに特化したスポーツカーでは、実用面で不安があるという現実的な問題も生まれます。しかし、4ドアのセダンならば実用性も高く、なおかつ運転する楽しさも両立できるというわけです。

「スポーティセダン」を名乗るクルマが増殖中!

実際に、現行の「クラウン」は先代に比べて、ドイツのニュルブルクリンクで磨いた走りをアピールするなど、スポーティセダンであることを強く印象付けようとしています。

日産「スカイライン」やレクサス「IS」といった売れ筋セダンも、スポーティさをウリにしています。

いずれにせよ、今後セダンがかつてのようにクルマの主流になることは考えにくいと言えそうです。

しかし、4ドアスポーツカーとしてのポジションを確立すれば、セダンそのものが絶滅するということはないのかもしれません。

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執筆者プロフィール
清水 圭太
清水 圭太
1995年生まれ。自動車やファッション、高級時計などのライターとして執筆活動中。現在の愛車はランドローバー、輸入車が好き。週末はSUVで旅行に行くのが楽しみになっている。

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