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お盆休みにトラブル多発?夏場にカーバッテリーは上がりやすいってホント?
2021年度にJAFに寄せられた出動要請は215万8586件にも及びます。出動理由のトップ3は「バッテリー上がり」「タイヤのパンク」「落輪・落込」となっており、トップのバッテリー上がりは、出動要請全体の40.74%を占めるトラブルです。
特に夏は、バッテリーに厳しい時期と言われます。なぜ夏場にカーバッテリーは上がりやすいのか、その理由を解き明かしていきましょう。
夏は車も電力がひっ迫しやすい…なぜ?
ライト類やオーディオなど、車の中には電気を使用して動くものが数多くあります。中でも電力消費が大きいのはカーエアコンです。
電装品は、車に搭載されたバッテリーの中の電気を使用して動いています。車の動力となるのはエンジンですが、電気もエンジンの動力を使って作られています。
車には、エンジンの動力を電気に変える発電機(オルタネーター)が搭載され、エンジンが動いている状況で、常に発電を行い、バッテリーへ充電を続けているのです。
バッテリー上がりは、エアコンなどによって使用される電力が、オルタネーターの発電量を越えて長い時間使用され、バッテリー内の電気が無くなることで発生します。
特に夏場は車内温度が高くなりやすく、大きな電力を使用するエアコンの作動時間が長くなります。車にとっても、夏は電力需給がひっ迫しやすく、バッテリー上がりを起こしやすい季節なのです。
高温下にあることもバッテリー上がりを助長する
電気の使用量が増え、充電量が減ることの他にも、夏場の高い気温や強い日光なども、バッテリー上がりの一因と言えます。
バッテリー(電池)は温度によって動き方が大きく変わります。夏でも冬でもバッテリー上がりは起きやすいのですが、その原因は全く違うということです。
気温が下がり、低温の状態になると、バッテリーのパワーが下がり寿命が短くなります。冬の朝に突然、前日まで動いていた車のエンジンがかからなくなるというのは、バッテリーのパワーが下がり、エンジンをかけられるだけの電気を送れなくなることが原因です。
反対に、夏のような高温下に置かれると、電気は化学反応によって発生し、その反応は温度が高くなればなるほど活発になります。これだけだといいことが多いように思えますが、化学反応が活発に起こると、バッテリーの自己放電を進めてしまうのです。
つまり、寒い環境では力が無くなるバッテリーですが、夏の暑い状況では自己放電により電気の容量が減っていくことになります。
エアコンなどで酷使され、電気の容量が減っている夏場のバッテリーは、高温下に置かれることによって、自らの化学反応を進め、蓄えた電気を発散してしまいます。
夏は、こうした状況が重なりバッテリー上がりが起きやすくなるというわけです。
- 執筆者プロフィール
- Red29
- 1980年代生まれ。国産ディーラーでの営業職として働き、自動車関連の執筆者として独立。ユーザー目線に立った執筆を心掛けています。愛車はトヨタプリウス。ホットハッチに代表される、小規模小パワーのクルマが...