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Aピラー、Bピラー、Cピラー、ピラーレスとは?【自動車用語】
目次
特徴的なAピラー 採用例
ホンダ N-BOXなど|Aピラーを2本にしてボディ剛性&視界を両立
高いボディ剛性と良好視界を確保するために、ホンダ N-BOXやスズキ スペーシア、ダイハツ タントなどを中心に、Aピラーが片側2本づつ存在する車が増えています。これは視界を確保するため1本あたりの太さを抑えているから。Aピラーを2本配置することで必要な強度を確保。、本のAピラー間にはガラスをはめ込んで死角を低減しています。
日産 セレナ|二股Aピラーで三角窓を
日産 セレナは、Aピラーを途中から細く2本に分けることで三角窓を形成し、視界と強度を確保しています。あらかじめ2本のAピラーを備えるよりも、視界を圧迫せずに車両前方側面下が確認できます。
スズキ ハスラーなど|Aピラーをブラックアウトさせたフローティングルーフ
エクステリアデザインとしてAピラーをブラックアウトする車も増えています。Aピラーを目立たなくして屋根が浮いたように見える「フローティングルーフ」というデザイン手法です。スズキ ハスラーやホンダ N-BOXなどのカラードルーフがオプション設定された車は、ルーフ色がより映えるようにフローティングルーフを採用しています。
透視できて死角がなくなるAピラーを開発中
安全強度と視界確保を両立する画期的なAピラーとして、コンチネンタルやトヨタは透視できるAピラーを開発しています。
ドイツの部品メーカー「コンチネンタル」が開発したのは、車内Aピラーに液晶ディスプレイを設置し、カメラで写したAピラー陰の様子をモニターする装置。運転席に設けられたセンサーカメラがドライバーの頭の動きを検知し、ガラスを透過して見た景色と、Aピラーのディスプレイに映る景色に違和感がないように調整してくれます。
また、トヨタが開発したのは、Aピラー周りに鏡を配置することで、Aピラーを視覚的に透明化する技術です。ディスプレイも電気も使わない、シンプルな方法の透視Aピラーの特許を取得しています。これら最新のAピラーにより、近いうちにAピラー陰の死角がなくなってしまうでしょう。
特徴的なBピラー 採用例
日産 クルー|タクシー向きの変則Bピラー
タクシーによく用いられる日産 クルーは、後席の乗降性を優先するために、助手席側のBピラーの位置を約50mm前方に配置にしています。こういったレイアウトを「変則Bピラー」といいます。
また、プジョー 1007やトヨタ ポルテのような一枚のスライドドアで前後席の乗り降りを可能にするタイプや、マツダ RX-8のように観音開きドアも通常の車に比べ広い開口面積を持つ変則Bピラーといえるでしょう。いずれの車もドア内部に補強を追加し、十分な側方からの衝突安全性を確保しています。
特徴的なCピラー 採用例
フォルクスワーゲン|太めのくの字形
フォルクスワーゲン歴代ゴルフは、Cピラーからリアフェンダーにかけて「くの字」を描く太いCピラーが特徴です。
BMW|独特のホフマイスター・キンク
BMWのセダンとワゴンに共通するリアウィンドウ後端が急角度に切れ上がる形状は、「ホフマイスター・キンク」と呼ばれるデザイン手法であり、BMWが意匠登録をしています。
アウディ|正統派 シックスライト・デザイン
アウディ A6は伝統的に6枚のウィンドウガラスで構成された「シックスライト・デザイン」を採用しています。レクサスやトヨタのセダンも「シックスライト・キャビン」として採用するデザインです。
ボルボ|メーカーを象徴する伝統デザイン
キャビン部のCピラーだけを絞り込んで、直角に近い角度でリアフェンダーにつながるCピラーがボルボの特徴。テールランプもCピラー形状を強調するようにまとめられています。
フェラーリ 599GTBフィオラノ|空力効果を狙った特殊形状
2006年に登場したフェラーリ 599GTBフィオラノのCピラーは、ウィンドウガラス面とCピラーの間に隙間を設けた特殊形状。空力性能の向上に一役かいます。
2代目 ホンダ NSX|ミッドシップの弱点を補う機能的Cピラー
2016年に2代目となったホンダ NSXのCピラーもフェラーリ 599GTBフィオラノとよく似た構造。NSXの場合は走行風がCピラーとウィンドウの隙間を通る際に発生する負圧によって、エンジンルームの熱気を排出するように設計されています。
スズキ イグニス|名車のオマージュデザインを採用
2016年に登場したスズキ イグニスのCピラーには、1971年に発売したフロンテクーペの三連スリットを模した意匠が追加され、スズキの歴史を物語るオマージュとして採用されました。
マツダ 3|古いようで新しい個性的なデザイン
2019年に登場したマツダ3(ハッチバック)は、70年台のクーペボディのように広いCピラー面積を与えられて登場。リア周りに力強さを持たせ、相対的にフロント周りを鋭く見せることで個性を強めています。
ピラーレス構造 初採用例
ダイハツ タント|軽自動車初の助手席側ピラーレス車
2代目ダイハツ タントは軽自動車初の助手席側ピラーレス車。「ミラクルオープンドア」の名称で3代目ダイハツ タントにも継続採用され、ダイハツ タントの特徴のひとつになっています。Bピラーがなくなるため、助手席のシートベルトはシートに固定。現行モデルにも、ミラクルオープンドアが引き続き採用されています。
ホンダ N-VAN|商用車として初めて助手席ピラーレスドアを採用
ホンダ N−VANは商用軽自動車初の助手席側ピラーレス車。ドア構造はダイハツ タントと同じように、ドアロックの追加と補強を加えてピラーレス化することで、商用車として快適な荷物の積み下ろしを実現しました。助手席シートベルトの固定はシートではなくドア固定とし、コストダウンも図られています。
トヨタ アイシス|ミニバン初の助手席ピラーレス構造
2004年から2017年まで販売された初代トヨタ アイシスが、助手席側ピラーレス第一号車です。センターピラーをドアに内蔵した「パノラマオープンドア」がもたらす広い開口部は開放的で画期的。福祉車両や子育て世代に人気のミニバンとして活躍しました。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...