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障害者マーク・身障者マークとは?四つ葉マーク・身体障害者標識を見かけたらどうすべき?

障害者マークとは?

©四郎丸/stock.adobe.com

障害者マークは、自動車の運転手あるいは同乗者が特定の障害を持っている場合に自動車に付けられるものです。この記事は自動車の運転に関連する障害者マークを取り上げていますが、自動車に貼られるもの以外にもさまざまな障害者マークが存在します。

身体障害者の定義

身体障害者福祉法第4条によると、身体障害者とは「別表に掲げる身体上の障害がある十八歳以上の者であつて、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けたもの」とされています。

別表の中でも特に障害者マークに関係するのが、別表4にある「肢体不自由」です。この内容をまとめると、永続的な身体の体幹機能の著しい障害、両下肢の全ての指の欠損など、6つの項目です。

自動車の運転における障害者マークを考える場合、この肢体不自由の要素が大きくなります。

車に貼られる障害者マークの種類

国際シンボルマーク

国際シンボルマークは世界で共通して使用されている障害者マークです。

このシンボルマークは身体障害者の方が安心して利用できることを示しており、トイレやバスの乗車席、各種施設や駐車場などで見かけることが多々あります。

自動車に国際シンボルマークが貼られている場合、自動車の同乗者に身体障害者等がいるケースが多いです。

車椅子に乗っている人のデザインのため「車椅子マーク」と呼ばれることもありますが、必ずしも車椅子を利用する方が乗っているというわけではありません。

身体障害者標識

身体障害者標識は、肢体不自由の方で条件付き普通自動車免許を取得した方が運転する自動車に付けられる障害者マークです。白色の四葉マークが青色背景に描かれています。

身体障害者標識は道路交通法第71条の6第3項に記述されており、条件付き普通自動車免許を取得した肢体不自由の方はこの標識を自動車の前後に付けて運転するように努めなければならないとされています。

聴覚障害者標識

聴覚障害者標識は、条件付きで普通自動車免許を取得した聴覚に障害のある方が運転時に車両へ貼り付ける標識です。このマークは円の形状で縁が白色、薄緑の背景、そして黄色い蝶のようなイメージが描かれています。

聴覚障害者標識は道路交通法第71条の6第1項及び第2項において言及されています。第1項は準中型自動車、第2項は普通自動車についてですが、上記の条件付き自動車免許を取得した者は自動車運転時に前面と後面の両方に聴覚障害者標識を付けなければないと言及している点はどちらも同じです。

また、聴覚障害者が運転する際には特定後写鏡(ワイドミラーや補助ミラーのこと)を装着することも義務付けられています。

障がいのある人が運転免許を取得するには?

周知の通り、運転免許を取得するには技能試験だけでなく適性試験にも合格しなければなりません。

試験項目は取得しようとする運転免許ごとに若干異なりますが、視力、深視力、色彩識別能力、そして聴力が挙げられます。具体的な内容は次のとおりです。

例えば、多くの方が取得しているであろう普通自動車免許(第一種)は視力、色彩識別能力、聴力の3つの試験を合格しなければなりません。

  • 視力:両眼で0.7以上、一眼で0.3以上。片方の目が0.3未満の場合はもう片方の目が0.7以上で視野150度以上であること。
  • 聴力:距離10メートルの90dBの警告音を聞き取れること(補聴器の使用可能)。
  • 色彩識別能力:赤色・青色・黄色の識別ができること。

中型免許や大型免許などになると、これらに加えて深視力検査も必要になります。

自動車学校に通い教習を受けて技能試験や学科試験に合格し、免許センターで学科の最終試験を受けて免許を取得するというのが大道ですが、これらは全て上記の適性試験に合格することが前提となります。

障がいのある人が車を運転する際、障害者マークは必須?

©︎oka/stock.adobe.com

聴覚障害者標識を貼っていないと道路交通法違反になる

条件付きで普通自動車免許を取得した聴覚に障害のある方は、運転時には自動車(普通自動車及び準中型自動車)に聴覚障害者標識を必ず付けなければならず、これを怠ると取り締まり対象となります(道路交通法第71条の6第1項及び第2項)。

この違反は2万円以下の罰金または科料が科されます。点数制度では違反点数1点及び反則金4,000円(普通車)、6,000円(準中型車)です(聴覚障害者標識表示義務違反)。

身体障害者標識は付けなくても違反にならない

身体障害者標識は実は付けていなくても道路交通法違反となりません。道路交通法第71条の6第3項には「努めなければならない」と書かれているだけ、つまり道路交通法において罰則が定められていないのがその理由となります。

聴覚障害者標識が必須であるのに対して身体障害者標識が努力義務である(付けていなくても違反にならない)ことを踏まえると、運転における音を聞き取る能力により重きが置かれていることが推測されます。

国際シンボルマークの自動車への貼り付けに関する道路交通法の取り決めは無い

冒頭で紹介した国際シンボルマークの自動車への貼り付けに関する道路交通法の取り決めはありません。

このマークは当該車両に身体障害のある方が乗車していることを周知することが目的ですが、あくまでも個々の取り組みで行われるものとなっています。

しかし、このシンボルマークを装着していれば、例えば万が一交通事故に遭った時や車両トラブル時に、救助・救援を行う人々の状況理解にも影響するでしょう。

障害者マークはどこに貼り付けるべき?

規定値内で見やすい位置へ貼ろう

身体障害者標識や聴覚障害者標識のような障害者マークの貼り付け位置は厳密に定められています(道路交通法施行規則第9条の6)。

  • 地上0.4メートル以上1.2メートル以下
  • 前方または後方から見やすいところ

貼り付け時にはその位置に注意して、確実に認識できて風で飛んでいかないように付けましょう。

身体障害者と聴覚障害者が運転できる車種

身体障害者と聴覚障害者では、運転できる車種(取得できる免許)が異なります。身体障害者は普通自動車のみですが、聴覚障害者の場合はそれ以外に運転できる車種もあります。

聴覚障害者が取得できる免許

聴覚障害者(10メートル先の90dBの警告音を聞き取れない人)が取得できる運転免許は次のものに限定されています。

  • 原動機付自転車
  • 小型特殊自動車
  • 普通自動二輪車
  • 大型自動二輪車
  • 普通自動車(乗用車及び貨物車を含む)※平成24年時点のもの
  • 準中型自動車

このように自動車は限定的ですが、二輪車であれば大型自動二輪車の免許の取得が可能です。

普通自動車を運転できるようになったのは意外と最近

しかし歴史を辿ると、聴覚障害の方が普通自動車免許(普通乗用車に限る)を取得できるようになったのは2008年(平成20年)6月1日の道路交通法改正後です。

これだけでも大きな変化と言えるのですが、その4年後の道路交通法改正によって普通貨物自動車、原動機付自転車、小型特殊自動車、普通自動二輪車、大型自動二輪車の免許を取得できるようになりました。

この制度を正しく理解するには平成29年3月12日から新たに設けられた準中型免許区分の理解が必須です。平成24年の改正時の免許制度は普通免許・中型免許・大型免許の3区分でしたが、これにより準中型免許が新たに設けられました。

そのため聴覚障害者の方がこれから普通免許を取得した場合、改正以前に取得した方とは運転可能な車両が異なるので注意が必要です。

障害者マークを付けた車両への幅寄せや割り込み行為は違反

©miya227/stock.adobe.com

障害者マークを付けた自動車への幅寄せや割り込み行為などは、道路交通法71条(運転者の遵守事項)5の4に記されているように禁止されており、違反した場合は5万円以下の罰金に処されます(道路交通法第120条1項の9)。

点数制度の場合、違反点数1点および反則金6,000円(普通車)です(初心運転者等保護義務違反)。

障害者マークと言っても、それぞれの法律的根拠やその状態は大きく異なります。いろいろな背景を持つ人々が共生できる自動車社会を法律遵守と思いやりで実現しましょう。

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執筆者プロフィール
中華鍋振る人
中華鍋振る人
自動車とバイクに関連する記事を書いています。モータースポーツは観戦よりも参戦派。道交法や違反に関する情報を、法律に詳しくない人にもわかりやすく解説しています。
監修者プロフィール
鈴木 ケンイチ
鈴木 ケンイチ
1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレー...

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