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教習所「かかとを浮かせ」先輩「かかとをつけろ」ブレーキの踏み方どっちが正しい?

教習所は「基本的な、万が一に備えた安全な運転」を教える

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かかとを浮かさずにクラッチペダルを踏んでも力が足りずに踏み込めず、かかとを浮かしてアクセルペダルを踏めばおおざっぱな力加減でギクシャクするうえ、足も疲れます。かかとを浮かせるか浮かせないかは、各ペダルの操作にあわせて使い分けることが重要です。

そのうえで、ブレーキペダルの踏み方を考えてみましょう。教習所から教わる「かかとを浮かせる踏み方」と先輩ドライバーから教わる「かかとを浮かせない踏み方」では、同じ「ブレーキを踏む」でもその想定が異なっています。

教習所が教える「かかとを浮かせる踏み方」は、クラッチペダルなどと同じく、足全体の力を伝えやすい踏み方です。つまり、ブレーキペダルを奥まで目一杯踏み込みやすい踏み方と言えます。これは、教習所で教わるブレーキの踏み方が「万が一の場面でも最大限車を止める努力をできるよう、確実に踏力を確保できる方法」だからです。

また、理由の説明は省きますが、古い車ではブレーキペダルが重い場合があります。教習生が教習所を卒業後に乗る車まで教習所は把握できませんが、ドライバーはどんな車であれ進み出す前に止める手段を確実に実行できなければなりません。いずれにしても、「万が一の場面でも最大限車を止める努力をできるよう、確実に踏力を確保できる方法」を教えているということになります。

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先輩ドライバーは「応用的な、こなれた快適な運転」を教える

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いっぽう、先輩ドライバーが教える「かかとを浮かせない踏み方」は、アクセルペダルと同じく、踏み込む力をコントロールしやすい踏み方で、ブレーキのかかり具合をコントロールしやすい踏み方となります。日常的かつ安全な走行範囲で使える「スムーズな減速で快適に過ごせるよう、力加減を調整しやすい方法」がこれだと言えます。

「万が一の場面でも最大限車を止める努力」はしなければなりませんが、減速のたびにカックンと急に速度が落ちれば同乗者にとっては酔いや疲労の原因になりますし、ドライバー自身も足に疲労がたまりやすいです。

もしうっかり踏み込みすぎれば急ブレーキになり、不要な急ブレーキは危険を招くほか、交通違反になるおそれもありますので、安全に止まることができるのであれば、スムーズかつ疲労が少ない減速操作をこころがけ、同乗者やドライバー自身の負担を軽くしたほうが良いでしょう。

教習所でもこうした「スムーズな運転」を教えてほしいところですが、「万が一に備える運転」は最優先で守らなければならない、すべてのドライバーの基本。先輩ドライバーの教えはあくまでも「応用」であることを意識し、いざというときでも着実にブレーキペダルを踏めるように備えることも忘れないようにしましょう。

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執筆者プロフィール
MOBY編集部 高山 志郎
MOBY編集部 高山 志郎
平成元年生まれ、東京都出身。学生時代にモータースポーツ活動を開始し、大小さまざまな耐久レースへ参戦。優勝の経験も持つ。エンジニアとして複数の業界を渡りながら趣味で車やバイクに触れ続け、縁あって自動...

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