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なぜこの車は神聖視されるのか?トヨタが誇る「日本初のスーパーカー」に日本国民が“モーレツ”に憧れたその理由|トヨタ 2000GT【推し車】
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「いつかは欲しいクルマ」と憧れさせた、トヨタ2000GT
そんな日本に現れた2000GTは、専用Xボーンフレームにリトラクタブルライトつきの流麗なボディを載せ、ベースはクラウン用M型ながらも、2輪では定評あるヤマハチューンの3M型DOHC2リッター直6エンジンを搭載し、内装も豪華な「日本初の本格的なGT」でした。
第3回日本グランプリで優勝できなかったと言っても、同レースで1-2フィニッシュを飾ったプリンス R380と違って市販車ですから購入可能、鈴鹿1000kmなど耐久レースでは優勝し、長時間のスピード・トライアルで世界記録を出すなど、高速巡航は立証済み。
1967年発売当時の価格は238万円と、2024年7月現在なら2,000万円オーバー…感覚としては日産 GT-R NISMO(約3,000〜3,060万円)に相当するでしょうか。
それでもレーシングカーとは異なり、お金を出せばいつかは買えるかも…と思えましたし、夢憧れるに値する内容でもありました。
現実にはそう誰もが買えるわけではなかったものの、いすゞ 117クーペ(1968年)が172万円と2000GTよりはお手頃価格で発売されましたし、そのうち日産 フェアレディZ(1969年)やトヨタ セリカ(1970年)の初代モデルが登場します。
多くの人は2000GTのようなクルマに憧れつつ、現実には2000GTの弟分的な1600GT(1967年)、より安価なZやセリカ、あるいは実用性重視でスカイラインGT-RやコロナマークII GSS(いずれも1969年)を買ったかもしれません。
しかし「いつかは欲しい」とまず憧れ、目を向けさせる役割を果たしたのはトヨタの2000GTであり、人々が「現実」に収まった後も、「伝説的な憧れの王様」として人々の心に残った、ということなのでしょう。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
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- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...