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米国のトヨタシエナとは?新車・日本で発売されていたの?

アルヴェルのロールーフ版と思えばアリ?

2022年5月に発売された、初代シエナ発売から25周年を記念する4代目シエナの特別仕様車

2023年は新型アルファード/ヴェルファイアに加え、レクサス版のLMも発売が予想されており、トヨタ大型ミニバンの世代交代が進みそうですが、海外専売の「シエナ」も気になる、という人がいるかもしれません。

現実にはアルファードより一回り大きい全長5mオーバー、全幅ほぼ2m、それでいて今の日本ではすっかり廃れたロールーフのミニバンを、まあグランエースよりは短いし…と求める人は多くなさそうですが、アメリカでなら大人気。

今回は、正規輸入こそ現在は行われておらず、今後も考えにくいものの、並行輸入なら買える「アメリカンサイズならこれでもミニバン」な、トヨタ シエナの歴代モデルをサラっとご紹介します。

狭いエスティマにゃ乗り飽きた?初代XL10系(1997年)

フロント回りが初代イプサムっぽい、初代シエナ

シエナの前身はプレビア、日本名「エスティマ」の初代モデル(1990年発売)で、当時の日本では大きすぎたボディサイズも北米では普通だったものの、ミッドシップエンジンが大問題でした。

床下でうなるエンジンは快適性に難がありますし、限られたエンジンスペースに積める程度の排気量ではパワー不足、それを補うべき新型2ストロークエンジンS2の開発は頓挫し、代わりにスーパーチャージャーをつければ燃費悪化と泣きっ面に蜂。

そんな初代プレビアの反省から、トヨタはオーソドックスなフロントエンジンの2代目プレビアを作って日本(エスティマ)やヨーロッパへ供給しますが、北米では北米ビッグ3やホンダ車へ対抗可能なアメリカンサイズのミニバンを開発したのが、シエナでした。

見た目こそ「大味デザインのでっかいイプサム」でしたが、アメリカではまさにイプサム級のお手軽安価な小型バンですからそれが正解で、後席スライドドア、2列目シートはキャプテンシート(7人乗り)とベンチーシート(8人乗り)を選択可能。

何よりXV20系カムリ(日本では当初「カムリグラシア」として販売)と同じFF車用プラットフォームに3リッターV6エンジンを搭載して、快適性も動力性能も燃費もバッチリ、「北米におけるトヨタ製ミニバンの定番車種」として、順調な再スタートを切ったのです。

なお、初代シエナは全長4,840~4,930mm、全幅1,860mmですから3代目アルファードと同程度の寸法ですから、現在の日本なら大柄ではあるものの、まだ「大きすぎる」というほどのサイズではありません。

サイズアップで安全性も充実、2代目XL20系(2003年)

一回り大きくなった2代目シエナ

FF化で近代的ミニバンとして一皮むけたシエナですが、1990年代に日本のRVブームでも苦戦したトヨタらしくデザインやパッケージ面ではまだ物足りないところもあり、2003年に2004年モデルとして登場した2代目シエナでは、初代の欠点潰しが入念に行われました。

日本での販売を考慮しないため、寸法は一回り大きく全長は5m超(5,080〜5,105mm)、全幅1,970mmへ拡大し、重量増加に対応しV6エンジンも3.3〜3.5リッター化。

これは単純なキャビンやラゲッジスペース増加にとどまらず、4WDでも3列目シートの分割可倒を可能にしたり、アメリカで標準的な建材サイズである4×8フィート板を積めたり、サイズの余裕を活かしてエアバッグなども充実して衝突安全でも有終な性能を発揮しました。

また、大型に伴う車格アップで内装や装備品の高級化も進み、JBLの10スピーカーオーディオシステム、DVDエンターテイメントシステムなど、子供の送迎で長距離を走るユーザーの満足度アップが図られています。

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スポーティなデザインになった3代目XL30系(2010年)

スポーティなルックスが与えられた3代目シエナ

全体的には2代目からの正常進化版へスポーティなフロントマスクが与えられ、ボディ寸法の拡大などは最低限に抑えられた3代目シエナ。

2代目以降の相対的な高価格帯以降から、3代目初期型では実験的に2.7リッター直4エンジンを搭載して燃費性能が優秀な廉価版も設定されましたが、やはりパワー不足で需要がイマイチだったのか、2012年モデルまでの搭載にとどまっています。

スマートフォン連携タイプのナビ/オーディオシステムや、大型スクリーンなど後席エンターテイメントシステムの充実化、足腰に難点があって乗降が容易でないユーザーのための電動昇降リフトアップシートの装備なども、ミニバンとして充実度を高めたポイント。

末期には安全運転支援パッケージ「トヨタ セーフティセンス」の装備や、6速ATも8速AT化されています。

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ハイブリッド化で電動化の領域へ、初代XL40系(2020年)

全車ハイブリッド化された4代目シエナ

2020年10月に発売した2021年モデルに始まる4代目の現行シエナでは、プラットフォームがTNGAアーキテクチャを使ったTNGA-Kとなり、ついにパワーユニットが2.5リッター直4ハイブリッドのTHS化、4WDも後輪にモーターを追加したi-FOURとなています。

フロントマスクも最新トヨタ車らしいキーンルックが取り入れられましたが、全体的なモチーフは「そうか?」とは思うものの、日本の新幹線をイメージしたそうです。

3列シートがボディサイズを活かしてゆったりしているのはもちろんですが、7人乗り仕様では2列目のキャプテンシートが65cmも超ロングスライド、3列目を畳んでたくさんの荷物を積みつつ、後ろに下げた2列目足元空間は広大。

7人乗り仕様の上級グレードには2列目にオットマンという足置きも装備し、ビジネスシーンでも快適な長距離移動を提供可能な、4人乗り豪華リムジンとしても使用可能です。

燃費も向上したことや、大型・高級化したミニバンやSUVが日本でもコンパクトカーと二極化した好調なセールスを記録しているため、この4代目発表時には「日本でも導入すれば売れるのでは?」と話題になりました。

しかし、基本的にはオデッセイを大きくしたようなロールーフ、あるいはセミハイルーフミニバンというべきクルマですから、アルファード/ヴェルファイアに比べて高さ方向の余裕では劣り、仮に日本へ導入しても快適性の面でかなわない、となりそうです。

特に2023年は新型アル/ヴェル、レクサスLMが登場しそうですし、シエナに日本での正規輸入販売という話が出るとしても、新型アル/ヴェル系が意外な不人気に留まった場合に、まずは実験的な販売、本格的販売は次世代から検討と手順を踏むのかもしれません。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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