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カプチーノ

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「こっこれが軽自動車なのか?」全てを速さと楽しさに寄せたスズキカプチーノとは

クルマ好きを満たす仕様

©applezoomzoom/stock.adobe.com

スポーツカーに求められる象徴として筆頭に挙げられるのは動力性能とハンドリング性能です。前述したようにカプチーノはそれらの特徴をすべて備えたといっても過言ではない軽自動車でした。

アルトワークスと同じ高出力ターボエンジン

カプチーノには、軽自動車とは思えない加速力を備えたアルトワークスと同じターボエンジンが搭載されます。1991年に発売された前期EA11R型には、鋳鉄ブロックを採用するF6A型660cc直列3気筒DOHCターボエンジンが搭載され、最高出力64PS(47kW)/6,500rpm、最大トルク8.7kgf・m(85.3N・m)/4,000rpmを発揮。

1995年にマイナーチェンジされた後期型にはオールアルミ化された名機K6A型660cc直列3気筒DOHCターボエンジンが搭載され、最高出力64PS(47kW)/6,500rpm、最大トルク10.5kgf・m(103N・m)/3,500rpmのスペックを備えていました。

ターボFRのカプチーノならパワーアップも容易

ノーマルカプチーノの0-100km/h加速タイムは、遥かに大きな排気量のNA型ユーノス・ロードスターに匹敵するほどです。さらに、ターボエンジンは適切なブーストアップやタービン交換で比較的簡単に出力を上げられる特徴があります。

カプチーノはアルミエンジンの後期型であっても、チューニングメニューによっては100PS超の大出力を発揮させることが可能です。

FRらしいボディ構成とハンドリング

スポーツカーらしいロングノーズ・ショートデッキの外観に加え、フロントフェンダーダクトもカプチーノのFRらしさを演出します。ドライバーはリアタイヤの近くに座るため、軽自動車であってもカプチーノは本格的なスポーツカーの雰囲気が感じられる車です。

さらに、前輪を駆動させるスズキ アルトワークスではなしえないFRならではの自然なステアリングフィールに、ワイヤーもロッドも介さない縦置きトランスミッションならではダイレクトなシフトフィールもFRの醍醐味です。

FRらしさを一般道で楽しめる1台

エンジンはフロントアッパーマウント部より後方に搭載されるとともに、ボンネットをはじめとする各要所を高価なアルミ製とすることで、重量バランスは本格スポーツカー並の前51:後49を実現しています。

2,060mmの短いホイールベースやオープンボディによる剛性不足などにより後輪を滑らせた際のコントロールは難しいものの、カプチーノの走行フィールはFRそのものです。ドリフトをせずとも、パワーがなくとも、FRらしい走りが一般公道で思う存分楽しめる点もカプチーノの魅力です。

自由に選べるオープン仕様

カプチーノは手動脱着ルーフの簡素なオープンカーではあるものの、ルーフには特殊なギミックが設けられていました。

ルーフパネルを3ピース構成とすることで「フルオープン」に加え、リアウィンドウを残した「タルガトップ」、さらにはルーフ中央の梁を残す「Tトップ」の3形態を自在に変えられます。また分割設計とすることで、小さなトランクでも外したルーフを納めることができました。

ただし雨漏りには注意!

ただし現状では高年式車であるうえ、複雑な構造の3ピースルーフを採用するカプチーノは雨漏りがしやすく、ボディやウェザーストリップの劣化を放置すると車内やトランクに水が浸入することも。

とはいえ、洗車や雨天走行の際に注意が必要なのは、古いオープンカーならどの車も同じです。

次期カプチーノのウワサも

出典:www.ied.edu
スズキ ミサノ コンセプト

いつもカプチーノ復活の噂は絶えません。それはカプチーノは魅力的な車であることの証明でもあります。しかし、どれだけ魅力的であったとしても、需要やコストの問題からカプチーノのコンセプトをそのまま引き継ぐ車を販売することは難しいでしょう。

スズキはイタリア・ヨーロッパデザイン学院(IED)と共同開発した前後2シーターのオープンスポーツEV「スズキ ミサノ コンセプト」を2021年4月に発表しましたが、ボディサイズは軽自動車規格ではなくマツダ ロードスターに近いサイズです。

日本国内で軽自動車としての復活は難しいかもしれませんが、普通車や電気自動車として、あるいは海外での復活ならその可能性は高まります。カプチーノはイギリスにも正規輸出されたほか、中古車として海外でも販売されており国内外問わず熱烈なファンが多い車です。

もちろん、海外でもカプチーノ復活を望む声は上がっています。ススキオーストラリアのコメントにも期待がかかる「スズキ ミサノ コンセプト」はカプチーノ復活の兆しかもしれません。

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執筆者プロフィール
伊藤友春
伊藤友春
1981年生まれ。自動車専門Webライターとして執筆活動中。自動車の構造に明るく、ほとんどの整備や修理をDIYでこなす。輸入車・コンパクトカー・変わったデザインやコンセプトの車が好きで、現在の愛車はその最た...

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