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“ハイブリッド車はバッテリーが上がらない”はウソ!寿命と交換方法・費用
「ハイブリッド車のバッテリーは大容量だから上がらない」はちょっと間違いです。ハイブリッドのバッテリーの基礎から、寿命、交換方法、費用までをお伝えします。
ハイブリッド車のバッテリーとは
ハイブリッド車には、2つのバッテリーがあります。
1 | 補機用バッテリー | ハイブリッド車が普及する前からある従来型。 主にエンジンを始動させることを目的とするバッテリー。 |
2 | モーター用バッテリー | ハイブリッド車のみに搭載される、 モーターへの電力を供給するバッテリー。非常に大容量。 |
ハイブリッド車には「モーター用バッテリー」しか搭載されていないと勘違いされていることがありますが、そうではありません。

上記の図では、車体後部にあるのがモーター用バッテリーで、前部にあるのが補機用バッテリーです。
モーター用バッテリーの種類
ひとえに「ハイブリッド」といってもそのタイプは大きく以下の3種類に分けられます。
- シリーズ式
- パラレル式
- シリーズ・パラレル式
ただし「ハイブリッド車のバッテリー」という観点では、上記3種類ではなく、次の4種類に分類されます。
種類 | 概要 | モーター用 バッテリーの 容量 | |
---|---|---|---|
1 | マイルド ハイブリッド | 補機用バッテリーの充電用モーターを強化して、 主に発進時の駆動力をアシストするハイブリッド。 | 小さい |
2 | ストロング ハイブリッド | 走行状況に応じて、エンジンとモーターを 切り替えて走行するハイブリッド。 | 大きい |
3 | PHEV | バッテリー容量がある内は100%モーターで走行、 バッテリーがなくなるとストロングハイブリッドで 走行する。 | 最も大きい |
4 | 日産 e-POWER | エンジンは専らモーターの発電に使用され、 100%モーターの駆動力で走行する。 今のところ日産だけ。 | 小さい |
ハイブリッド車にはこの4タイプのモーター用バッテリーのいずれかと、「補機用バッテリー」が必ず搭載されています。
非ハイブリッド車のバッテリー交換方法・寿命に関してはこちらの記事をご覧ください。
自分でできるバッテリーの交換方法と寿命・交換時期の見きわめ方|サイズや規格はどこでわかる?
HV・PHEV・PHV・FCV・EV・BEV・HEVとは?カーライフ別おすすめのエコカー選び
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バッテリーの寿命と交換時期
補機用バッテリー
ハイブリッド車の補機用バッテリーの寿命は、ハイブリッドではないエンジン車のバッテリー寿命と基本的に同じとなり、おおむね3年から5年が寿命、交換時期とされています。
しかし、1回あたりの走行距離が短い「ちょい乗り」が多い場合などは、バッテリーへの負荷が高くなり、寿命が早くなる傾向があります。走行回数、距離が少ない場合もバッテリーの寿命が早くなります。
補機用バッテリーは、単に経過年数や走行距離だけでなく、「バッテリーチェッカー」でも交換時期を確認することができます。
バッテリーチェッカーでは、主にバッテリーの充電容量を計測するものですが、一度きりの計測でバッテリーが寿命かどうかを判断できるとは限らないので、購入時は注意しましょう。
車のバッテリーに詳しくなければ、ディーラーや自動車整備工場に任せた方が安心です。
モーター用バッテリー
ネットでハイブリッドのモーター用バッテリーの寿命を検索すると、概ね8〜10年、10万km程度という情報を見かけますが、注意が必要です。
モーター用バッテリーの寿命、交換時期は、車種、年式の他、走行条件によって大きく変わってきます。
ハイブリッド車の技術の進化は日進月歩。最新型では15万km以上というモデルもあるようです。逆に、同じ車種でも、年式が古いと交換時期の目安、寿命が短く設定されていることもあります。
つまり、モーター用バッテリーの寿命や交換時期はいつ、とは一概に言えません。愛車がハイブリッドであれば、取扱説明書で確認、走行条件などにより判断しにくい場合は、ディーラーないしは自動車整備工場で確認しましょう。
ハイブリッド車向けのおすすめバッテリー情報はこちらの記事で解説・紹介しています。
アイドリングストップ車用バッテリー人気ランキングTOP10|バッテリー規格&選び方と長持ちのコツ
バッテリーの交換方法と費用
補機用バッテリー
交換方法
昔からある補機用バッテリーの交換方法は、ハイブリッドになっても基本的なものは変わりありません。
交換方法は、バッテリーを固定している金具等と接続端子を外し、バッテリー本体を交換し接続端子を接続、固定するといったシンプルなものです。
車種により、バッテリーの固定方法などが複雑になっていたり、設置場所が手の届きにくいところあったりすることはありますが、プロでなくてもやり方さえ正しくわかっていればDIYで交換が可能です。
交換費用
補機用バッテリー本体の相場価格は、ネット通販では20,000円前後から30,000円あたり。カー用品点、量販店では、店頭価格はそれよりやや高め、ガソリンスタンドではさら高め、最も高いのがディーラーとなります。
あくまで相場なので、実勢価格は異なることが多々あります。
交換費用は数千円程度から、1万~2万円といったところが多いようですが、これも車種や店舗によって異なります。
自分でできるバッテリーの交換方法と寿命・交換時期の見きわめ方|サイズや規格はどこでわかる?
モーター用バッテリー
モーター用バッテリーは、ディーラーか自動車整備工場しか交換ができません。費用は車種、年式によって異なりますし、保証サービスで一定期間、一定の走行距離では無料(サービスの範囲内)ということも多々あります。
あくまで参考となりますが、モーター用バッテリーの交換費用は、安い場合で10万円台後半、高い場合で40万円台となっています。

しかし、販売台数は年々少なくなる一方、他のモデルにハイブリッド搭載率が急増。
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バッテリー上がりの心配がない?
ここまで、ハイブリッド車のバッテリーの基礎知識と寿命、交換や費用についてお伝えしました。
車種、年式によってそれぞれ異なるため、取扱説明書で調べた上、ディーラーないしは自動車整備工場で走行条件を伝えてその結果を聞く。のが正解と言えるでしょう。
バッテリーが上がったときの対処法についてはこちらの記事をご覧ください。
ハイブリッド車のバッテリー上がりは心配ないのか?
心配ないことはありません。ハイブリッド車のバッテリー上がりのリスク度合いは、ガソリンエンジン車と大差ありません。
なぜなら、ハイブリッド車もガソリンエンジン車と同じ補機用バッテリーで、エンジンを始動させたり、ヘッドライトやワイパー、オーディオなどのアクセサリー装備品等へ電力を供給しているためです。
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- この記事の執筆者
- MOBY編集部