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「なぜだ!?」日本で不人気、ヨーロッパで大人気!アコードエアロデッキとは【推し車】
日本で不人気、ヨーロッパで大人気の「なぜ?」
ホンダが1985年にモデルチェンジした3代目アコードへ、2代目までの3ドアハッチバック車の後継として設定した「アコードエアロデッキ」は、これからのカーデザインを示唆する、大きなスタイリング・トレンドを目指す力作でしたが、日本で期待とは裏腹に不人気。
逆にヨーロッパではむしろ大人気となり、後のシビックやアコードのワゴンへ「エアロデッキ」と名付けられるほどだったのとは対照的です。
4ドアセダンよりリトラクタブルヘッドライトが似合う、「売れなかったけどカッコいいクルマの筆頭」として根強い人気があり、後の視点ではむしろなぜ売れなかったのかと不思議になるアコードエアロデッキは、なぜ期待を裏切る不人気で終わったのでしょうか?
発売時にホンダがアピールした内容から、当時の日本国内ユーザーが必要としたクルマとのズレを考えてみます。
快適性と美しいフォルムを両立、実用性も高いはずだった
最上級グレード2.0Siには、当時トップクラスの出力重量比を誇った160馬力のDOHC4バルブエンジンB20Aを搭載、FF市販車初の4輪ダブルウィッシュボーン、4輪電子制御ABSといったメカニズムは4ドアのアコードセダンと共通。
注目すべき3ドアハッチバックのフォルムはセダンより20mm低いワイド&ロー、空力性能に優れるロングルーフはリアに向かって緩やかに下り、テールゲートも2代目までのハッチバックのように寝かせず、ルーフ後端ごと開き開口部の大きいガルウイング型です。
これによって、後席周囲に広いガラスエリアによる高い採光度と、ゆとりある頭上スペースを与え、美しいフォルムと広い室内を同時に実現したと、ホンダが広く一般に公開している「FACTBOOK」へ、誇らしげに書かれています。
実際、開口部の大きいテールゲートのおかげで荷物は積みやすく、乗ってしまえば後席の乗り心地も良かったのでしょう。
結局は帯に短し、たすきに長し…
1980年代半ばのホンダが好んだ、前後スペースでゆとりを演出する低重心の3ドアハッチバック車としては大きすぎて冗長、スタイリッシュというには何かが足りないこのクルマの本質は、ステーションワゴンだったように思えます。
そうなると欠けているのは後席ドアですが、仮に5ドアワゴンとしてもリアオーバーハングが短く容量不足、1990年代RVブームなら5ドア化でショートワゴンと言い張り一部成功した例もありまししたが、1980年代に通用する技ではありません。
結果的に当時の日本では「違和感のあるフォルムと実用性の低さが同居」した事になり、北米やオーストラリア向けファストバック型3ドアの方が、日本向きだったように思えます。
どのみち3代目でアコード3ドアは廃止、4代目で登場したアメリカ製のアコードワゴンが日本にも輸入され、これからの自動車デザインを示唆するはずだったエアロデッキは一代限りで終わってしまいました。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
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- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...