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実はアウディやスバルより早かった!フルタイム4WDの先駆車たち【推し車】
スバルは乗用車の4WD、アウディはフルタイム4WDの先駆者と言われていますが、実際には世に広めて一般化する役割を果たしたに過ぎず、実際には有名なスバルff-1 1300Gバン 4WDよりも前に、センターデフを用いたフルタイム4WDの乗用車が市販されていました。
今回は後のフルタイム4WD車にも広く使われたファーガソン式4WDシステムをいち早く搭載し、さまざまなジャンルで先駆者となった車を紹介します。
ジェンセン FF(1966年・英)
革命の第一歩を知ろう、これが世界初のフルタイム4WD乗用車だ!
小回り時のタイトコーナーブレーキング現象という4WDの弱点を、ファーガソン・リサーチ社が開発した前後輪の回転差をセンターデフで吸収して解決する、ファーガソン式フルタイム4WDを搭載した、世界初の市販フルタイム4WD車。
ノンタイトル戦ながら優勝実績すらある初の4WD F1マシン、ファーガソンP99のシステムを市販車へフィードバックしたもので、ジェンセン インターセプターの全長とホイールベースを延長、トランスミッションの後ろにセンターデフを配置しています。
他にも航空機用として登場したばかりのABS「マクサレット」を組み込むなど、先進的な安全性の高い車でしたが、高価すぎて販売は振るいませんでした。
※筆者注:車名の「FF」は前輪駆動ではなく、ファーガソン式フルタイム4WDシステム「ファーガソン・フォーミュラ(Ferguson Formula)」の略。
ランドローバー・レンジローバー(初代・1970年・英)
センターデフロック式フルタイム4WDは高級オフローダーに必須となった
現在はメルセデス・ベンツ Gクラスや、トヨタ ランドクルーザーも使う「ハイ/ロー切替可能な副変速機とセンターデフロック機構による悪路走破性と、ファーガソン式フルタイム4WDによってオンロードでの快適な走行性能の両立」を初採用したSUV。
広い領地を持つ貴族が狩猟を楽しむなどの目的で作られた、オフロード界のロールスロイスと言われ、従来のランドローバー車に比肩するオフロード性能と、ラグジュアリーカーとして十分に通用する豪華内装は、後の高級SUVがベンチマークとしました。
後にGクラスやランドクルーザーが高級SUV路線になるとライバルは増えましたが、依然としてレンジローバーは定評あるブランドのひとつです。
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本日の在庫数 27台 平均価格 370万円 支払総額 180~986万円
AMC・イーグル(1979年・米)
アウディがクワトロを発表する前年に発売したフルタイム4WD乗用車
かつて「ジープ」ブランドを持っていた米AMCは、ファーガソン式フルタイム4WDの変種「クアドラトラック」を開発してジープ・ワゴニアで初採用、AMCブランドの販売不振を打開すべく乗用車のモノコックボディにも組み込んだ、イーグルを発売します。
ジェンセンFFと異なり、最低地上高が高いオフローダー色の強いモデルでしたが、2ドア/4ドアセダン、ワゴン、リフトバック、カムテール(ハッチバック)と多彩なラインナップによって好評となりました。
後にスバルがアメリカ市場からの要望でレガシィベースのアウトバックを作った当初、セダンもラインナップしたのは、イーグルの再来を望むユーザー層がいたからかもしれません。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
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- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...