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フランス車メーカー一覧&おすすめ人気ランキング2022|おしゃれでかわいい魅力を紹介
目次
フランス車の特徴は?故障しやすいってホント?
フランス車の持つ独自のデザイン性とポップな色遣いは、見る人を惹きつける魅力にあふれています。最近では街で見かけることも多くなり、人気が高くなっているフランス車の特徴はどこにあるのかご紹介していきましょう。
実用性を重視した車造り
フランスで車は「物資を輸送する便利な道具」という発想が定着していったのは、1700年代に軍事仕様として開発された蒸気自動車に端を発します。カール・ベンツがガソリンエンジン車を開発する以前のことでした。
アメリカで、ヘンリー・フォードが「フォードT型」の大量生産方式を成功させたすぐ後に、フランスではシトロエンが同様の方式を取り入れ、小型車の「Type C」を発売。その後シトロエンは荒れた農道でも使用できる耐久性、走破性、そして低価格にこだわった「シトロエン2CV」の開発に成功しました。
シトロエン2CVの有名な開発コンセプトがあります。
- 50㎏の荷物を積んでも時速50㎞で走行できること
- 悪路走破性を重視し、生卵の運搬でも割れることがない
- 大きな帽子をかぶったまま乗車できる
- 5Lで100㎞の距離を走行できる
- 見た目は重視しない
徹底的に実用性を重視したシトロエン2CVは、世界中で支持を受け40年間に渡り製造を続けてきた名車となっていきます。この車造りの姿勢が現在のフランス車にも受け継がれており、ドイツ車の質実剛健とはまた異なる魅力を引き出しているといえるでしょう。
フランス車ならではのデザイン性
フランスといえば芸術と歴史の街で知られているほか、一流ファッションブランドの街としても有名です。そんなお国柄を反映してか、フランスらしいハイセンスで、ポップなカラーを採用した車であふれています。
インテリアのインパネには想像を超えるポップなツートンを採用。またボディカラーにはペールトーンのグリーンやスカイブルーなどパステルカラーは、国産車にはない発色の美しさが光ります。
猫足
足回りが柔らかいフランス車のことを猫足と呼んでいます。これは日本のモータージャーナリストが試乗した際の言葉で、猫が高所から飛び降りてもひらりと着地をし、脚で衝撃を吸収する様を表現したようです。
ご存じの通り、フランスは中世からの石畳がパリ市内に多く残っており、また農道などは未だに未舗装の悪路もあります。シトロエン2CVでもこだわっていた車の乗り心地は、フランスでは長い間メーカーがこだわり続けてきた部分といえるでしょう。
例えばプジョーは自社生産のサスペンションに力を入れ、シトロエンは1954年に世界で初めて実用化した「ハイドロニューマチック・サスペンション」を採用し続けてきました。サスペンションのスプリングとショックアブソーバーを単体で採用したサスペンションです。
フランス車各メーカーのこだわりによって、サスペンションのロールを深くしてコーナリングをおこなうため、地面を掴んで離さない走行性能を実現。極上の乗り心地が再現されているといえるでしょう。
エンジン性能
フランスの歴史から、各メーカーは高出力を発揮する性能はあまり必要ではないという考え方を持っています。そのため、ハイパワーにこだわらず日常使用での使用に対応するエンジン性能です。
現行のフランス車でも数少なくなってきたマニュアル車ですが、以前は多くの車種に設定されていました。出力に頼るというよりは、エンジンを最大限まで回して性能を発揮させることがフランス車を走らせる楽しみでした。キビキビとよく回るエンジン性能は、他国にはない大きな特徴の一つとなっています。
フランス車は故障しやすいってホント?
フランス車が故障しやすいといわれていた時代は確かにあったようです。それは1997年から2013年に採用されていた4速ATのトランスミッション「AL4」。オートマチックでありながら、シフトアップやダウンがされず、一定のギアから変わらなくなってしまうというものでした。そのためフランス車は壊れやすいというイメージが定着してしまいます。
現在においてヨーロッパで実施されている衝突安全テストを行う消費者団体『ユーロNCAP(エヌキャップ)』の厳しい基準をトップクラスで通過しているのは、フランス車です。安全性の高さで知られるドイツ車とも対等のレベルを維持しています。
毎年、満点となる5つ星を獲得している自動車メーカーにはルノーが挙げられており、比較的小さなボディであるにも関わらず、前面や側面でも衝突に対処する強化ボディが取り入れられました。この背景には日産との共通部品を採用したことによる向上が大きいといわれています。
フランス車メーカー人気ランキング
第5位 | アルピーヌ |
第4位 | DSオートモビルズ |
第3位 | ルノー |
第2位 | プジョー |
第1位 | シトロエン |
プジョー(PEUGEOT)
世界最古の自動車メーカーがプジョー。自動車の量産は1895年に始まります。プジョーは1910年頃にペッパーミル(胡椒挽き)の製造会社として始まっています。自動車の他、自転車のメーカーとしても実績がありで、世界三大スポーツイベントの1つ「ツール・ド・フランス」で度々優勝者のマシンとなっていることでも有名です。
シトロエン(CITROEN)
シトロエンのロゴはヘリカルギアを模したもので、創業者のアンドレ・シトロエンが1900年に2つ重ねた歯車=ヘリカルギアに関する特許の取得に成功、1919年から自動車の製造をはじめました。創業から現在も独創的な機構を持つ自動車を設計、「コンフォート(快適さ)」を追求するブランド。熱心なファンが多く「シトロエニスト」と呼ばれています。
DS(DSオートモビルズ)
2009年に、シトロエンの高級サブブランドとして登場、2014年にシトロエンから独立し単に「DS」となりました。1960~70年代の名車「DS」シリーズがありますが、グループPSAはその関係性について明示していません。
ルノー(RENAULT)
フランスの2大自動車メーカーの一つがルノー。もう一つはプジョー。ルノーVSプジョーの戦いは1970年代から激化。1990年前後のF1での戦いは世界中が目を見張ったものでした。ルノーの誕生は1898年のクリスマスイブ。1945年から1990年までは国営自動車メーカーだったいう稀有な経歴を持ちます。1999年からは日産と提携を結び、その後、三菱が加わり「ルノー日産三菱連合」と呼ばれることが多々あります。
アルピーヌ(ALPINE)
設立は1956年、フランスのレーシングドライバー「ジャン・レデレ」がルノー車をベースにチューンナップしたレースモデルを販売したことに遡ります。現在はルノーの100%子会社。2018年にかつての名車の名を冠した「A110」で市販スポーツカーを復活させています。
ブガッティ(BUGATTI)
選ばれし者しか購入することができない超高級スーパーカーブランド「ブガッティ」。設立は1909年、イタリアの自動車技術者「エットーレ・ブガッティ」が当時のドイツ、アルザスで製造を始めます。現在は、フォルクスワーゲンの傘下となり、本社はフランスに置かれます。この国をまたぐ経緯から、ブガッティはイタリア車なのかフランス車なのか、あるいはドイツ車なのかなどの議論が起こっている節がありますが、本社所在ベースで考えるとブガッティはフランス車になります。
フランス車の日本市場インポーター(直系輸入会社・日本法人)
フランスの自動車メーカー、ブランドを取り扱う「インポーター」と呼ばれる本国直系の日本法人は以下の2つとなります。
会社名 | ブランド |
グループPSAジャパン | プジョー、シトロエン、DS |
ルノー・ジャポン | ルノー、アルピーヌ |
例外なのは「ブガッティ」。ブガッティ・オートモビルは東京にブランチを設置していますが輸入販売は行っておらず、正規代理店契約を締結している会社は「SKY GROUP」で国内唯一、東京都港区南青山に「ブガッティ東京」というショールームを展開しています。
日本導入されていないフランス車メーカー・ブランド
現時点、フランス車で日本未上陸のブランドは、ないといって間違いではないでしょう。ニッチな話になれば、以下のフランス車メーカーが存在します。
- ベンチュリー:2000年に高級クーペ、「アトランティーク/300」が正規輸入されていたが超レア。当時の車両価格は1,000万円から。
- オーバーランド:軍用車メーカー。民生向けも販売。2005年に日本では珍車扱いされがちなクラシックカーを製造していた「パナール」を買収している。
- リジェ:現在はイタリアのピアッジオの傘下で、軽自動車より小さい超小型車を製造を行う。1976年から1996年はF1にも参戦したコンストラクター。
おしゃれでかわいい!人気フランス車ランキング
フランス車に多いコンパクトサイズのボディは、おしゃれでかわいいモデルが各メーカーからラインナップされています。エクステリアを眺めると周囲の目を惹くおしゃれなデザイン、インテリアはかわいいだけじゃないセンスの良さに、釘付けになるかもしれません。
第5位 アルピーヌ A110
1963年から1977年までアルピーヌから発売されたA110ベルリネット。当時のフランスでは唯一だったスポーツカーの最高傑作といわれています。ルノーのコンポーネンツを流用したスタイルは、復活を果たした現在も同様です。世界ラリーの頂点を極めた優秀な一台でした。
そんなベルリネットにインスパイアされて2017年にルノーのアルピーヌブランドから誕生したのがアルピーヌA110。初代を彷彿とさせるアイコニックなフロントフェイスは健在です。またオーバーフェンダーで優雅な曲線美がフレンチエレガンスを具現化したモダンなスタイルを完成させています。
レース仕様の最新テクノロジーを惜しみなく使用し、徹底した軽量化も行いました。アルミ素材で作られたサスペンションを採用している点からもルノーの本気度が伺えるようです。スポーティなインテリアカラーは、ボディとの一体感を感じることができるといえるでしょう。
- 最新「A110」中古車情報
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本日の在庫数 30台 平均価格 889万円 支払総額 650~1,234万円
第4位 ルノー トゥインゴ
歴史的建造物が多く残るパリは、石畳だけでなく急な坂道や細い路地が至る所にあります。そんな都市部とは対照的に一歩外に出ると、高速道路が整備された郊外でヴァカンスを過ごすパリジャンやパリジェンヌたち。フランスの人々は常に車が移動手段です。取り回しが良く、ワインディングも乗りこなす高い性能を求めているといえるでしょう。
トゥインゴはそんなフランスのライフスタイルや交通事情に適応したスタイルと走行をカタチにした車です。初代が誕生したのは1992年のこと。現行車で3代目を迎えており、人気の高さもうかがえそうです。
コンパクトボディで一見2ドアと見間違いそうになりますが、実は5ドア。後部席への乗り込みも楽に行うことができます。多彩なシートアレンジで自分のライフスタイルに合わせた使い方の幅が広がりそうです。
軽自動車並みの最小コンパクトな小回り性能を発揮できるのは、エンジンをリアに積んだRRレイアウトのなせる業。フロントタイヤの切れ角が大きいため、狭い場所でもノンストレスなのは日本の道路事情にピッタリといえるでしょう。フランスの伝統とトレンドを融合したおしゃれな一台といえるでしょう。
- 最新「トゥインゴ」中古車情報
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本日の在庫数 172台 平均価格 162万円 支払総額 35~337万円
第3位 DSオートモビルズ DS3 クロスバック
DSオートモビルズは、ステランティスN.Vの高級車ブランドです。元々は1955年に誕生した「シトロエン DS」を由来として、2009年に「シトロエン DS3」として復活を遂げました。その後2014年にシトロエンから独立していますが、現在はステランティスN.Vとなっています。
DS3 クロスバックは2018年に誕生したコンパクトクロスオーバーSUVです。DS3当時は3ドアだったエクステリアデザインを5ドアに変更。ピラーなどをブラックで統一することで、ルーフが宙に浮かんでいるように見える「フローティングルーフ」や、「DSウィング」と呼ばれるメッキの美しいフロントマスクが特徴となっています。
インテリアを見ると、スイッチ類やエアコンの吹き出し口は、斬新なダイアモンド型の内部に収められており、『ルーブル美術館』のガラスのピラミッドをモチーフにしました。インテリアにも高いデザイン性と品の良さが感じられ、女性に人気の高い一台といえるでしょう。
- 最新「DS3クロスバック」中古車情報
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本日の在庫数 40台 平均価格 291万円 支払総額 173~413万円
第2位 プジョー 308
307の後継車として2007年に誕生した308は、2021年に9年ぶりとなるフルモデルチェンジを行い、3代目を迎えています。先代から大きく変貌を遂げ、ダイナミックなエクステリアと、先進的なインテリアが特徴的です。
エクステリアでは、空力特性を考えた前後のフェンダーやルーフラインの見事な造形美に加え、ロー&ワイドなボディは先代よりも一回り大きなボディサイズ。大型化されたフロントグリルには、新しくなったプジョーのエンブレムと、ライオンの牙をモチーフにしたデイタイムランニングライトの「セイバー」によって、上品に仕上げられました。
インテリアにはプジョー独自のコックピットデザインである「i-Cockpit」を進化させ、すっきりとした直線的なデザインです。お洒落な中にも大人の遊び心を満足させてくれるのではないでしょうか。
- 最新「308」中古車情報
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本日の在庫数 303台 平均価格 1,975万円 支払総額 1,800~2,315万円
第1位 シトロエン C3 エアクロス
初代はブラジルとアルゼンチンのみに地域販売を限定していました。2代目を迎えたのは2017年のこと。日本では2019年に販売が開始されたコンパクトSUVです。自分らしさを追求した「人と同じではないクルマ」を求めるユーザーから絶大な人気を集めています。
2代目を迎え、個性的なエクステリアに更なる磨きをかけたのはフロントフェイス。シトロエンに装着された「ダブルシェブロンエンブレム」からつながっているデイタイムライトとヘッドライトの新しいデザインです。またグリルには湾曲した「スキッドプレート」を採用し、力強い押し出し感を与えた唯一無二の存在感といえるでしょう。
シトロエンの車造りのテーマは、「2CV」の頃から一貫した「アドバンスコンフォート」。ストレスのない静寂でしなやかな乗り心地です。シートの厚みを従来の2mmから15mmにアップさせ、より柔らかくホールド感のあるシートを開発しています。運転すること、乗車することが楽しくなることに真摯に向き合うフランス車、それがシトロエンです。
- 最新「C3 エアクロス」中古車情報
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本日の在庫数 69台 平均価格 254万円 支払総額 128~413万円
フランス車が売れないのは過去の話?
フランス車は「売れない」が日本市場の中では定説でした。今はどうなのでしょうか?この点、本記事のまとめの替わりとしてお伝えして締めくくりとします。
フランス車は、ドイツ車に比べると販売台数が振るわず、人気もいまいちです。まずもって、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディといった高級車ブランドに対して、フランス車は高級車メーカーがありません(例外的なブガッティを除く)プジョー、シトロエン、ルノーは大衆車ブランドです。
DSが派生高級ブランドとして独立はしたものの、その個性の強さとブランドの方針から、万人受けは一切狙っていない、独特の世界観をもったモデルばかり。さらに、販売ディーラーの数もフランス車勢はドイツ車勢に劣ります。ヤナセがフランス車を取り扱っていたら、話は変わっていたのかもしれませんが。。
こういった事情は、物理的に販売台数を伸ばすことが難しくなります。兎角、販売台数が多いことがイコールで人気がある、となりがち(間違いではない)ですが、販売台数が少なくても人気の高い輸入車は無数にあります。
あとは、1980年代くらいまでのフランス車は、故障が多かったことも背景にあるようです。特に電気系統の弱さは、日本の夏は高温多湿で冬寒いといった激しい気候変動にフランス車はやられがちでした。しかし、今のフランス車は壊れなくなりました。MOBY編集部でも、シトロエン ベルランゴで3,000kmもの長距離を、全くのノントラブルでドライブしています。その時の様子はこちら。
前項のランキングでも少し触れましたが、グループPSAジャパンは2018年から2019年の国内販売台数は好調とのことでした。2020年は新型コロナの影響で販売台数が落ちてしまっているとのことですが、ここのところ、売れないフランス車から売れるフランス車へ変貌してきているといえるでしょう。
2020年は、プジョーから新型「208」と「SUV 2008」の日本発売開始、ビッグマイナーチェンジした「SUV 3008」と、ハイパフォーマンスPHEVでプジョー初の四輪駆動となる「508 PSE」が欧州デビュー、日本導入は時間の問題、ルノーからは新型ルーテシアのデビューと、新型車が目白押しとなっています。特に、コンパクトの「208」と「ルーテシア」は今後どのような販売台数になっていくのか、「プジョー VS ルノー」の戦いにも注目。
今後のフランス車に期待です。
【日本車が元ネタ⁉】優雅なイメージに似合わない武骨な四角い車たち
車好きなら知っておくべき!難読車名なフランス車
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...