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「名車の限界」ワイド&ローでカッコよくてサファリラリーでも大活躍!しかしコンセプト転換が誤算にもなった…3代目ダイハツ シャレード【推し車】
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「シャレードってこういうクルマで良かったのか?」
ただ、シャレード1300EFIやその4WDモデル、4ドアのシャレードソシアルが出たあたりから、ユーザーの方は「ハテ、シャレードってこういうクルマでいいんだっけ?」という雰囲気が出たように思います。
1リッターDOHCターボ(GT-ti/GT-XX)は特別として、1300EFIはもはやリッターカーではないし、4ドアのシャレードソシアルも、「リッターカー初の4ドアセダン」というものの、積んでいるエンジンは1.3リッターです。
シャレードが本来あるべき姿であり、コンセプト変更でやや置いてけぼりになった感のある1リッター直列3気筒エンジン搭載車は、ガソリンエンジンにせよディーゼルエンジンにせよ、大きく重くなったボディは少々持て余し気味です。
ホンダの2代目シティ(GA1/2型)もそうでしたが、ユーザーが1~1.3リッタークラスに求めるのは結局、「安くて広くて荷物もよく積めて実用性が高く、経済的」、つまり2代目シャレードのようなトールボーイスタイルが正解と言えます。
GT-Ti(GT-XX)もサファリラリーで大活躍したところで、そのために実用性や経済性を置いていってしまっては「過剰品質」であり、シャレードGT系をモチーフにして登場させたラリー漫画「ガッデム!」(新谷かおる)でも、そのあたりをズバリ突いていました。
ラリーで速すぎるクルマより、経済的な働き者であるべきシャレードでしたが、1.3リッター車を追加したあたりから迷走が深まり、シャレードソシアルに1リッター車を設定しなかったことで、決定的になったと言えます。
もし、シャレードソシアルに1リッター車や1リッターディーゼルターボを追加していれば、新たな評価を得られたかもしれませんが、増加した車重に不十分と考えたのか、それは実現しませんでした。
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- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...