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シトロエン C4スペースツアラー試乗レポ&大解剖|国産ミニバンにはない個性

今回のロングドライブ試乗は、シトロエンのミニバン、C4スペースツアラー。

「スペースツアラー」の名に恥じない。

シトロエン グランドC4スペースツアラーを試乗した感想は、

  • よく走る
  • 乗り心地が良い
  • 開放的で明るいな室内空間
  • 個性的なデザインと使い勝手

となりました。文字通り“スペース”に優れたパッケージ、“ツアラー”の名にふさわしいロングドライブに適した動力性能を持ち、車名に恥じることのないクルマでした。“スペース”は宇宙の意味もあることば。宇宙船のようでもあります。

インプレッションの詳細をお伝えする前に、シトロエン グランドC4スペースツアラーの基礎知識を。ご存知の方はお読み飛ばしください。

シトロエン グランドC4 スペースツアラーとは?

シトロエンはフランスの自動車メーカー。総じてコンフォート=快適さを追求するブランドです。C4スペースツアラーは2019年4月に「グランドC4ピカソ」から名称変更と商品改良を加えられたミニバン。グランドC4ピカソの国内発表は2013年。現行の C4スペースツアラーは2014年10月から発売された2代目となります。グランドC4ピカソの国内導入モデルは、2.0Lディーゼルターボエンジン、8速AT、7人乗りの仕様のみ。それまでのモデルと欧州仕様では、ガソリンエンジンモデルがラインナップされています。

個性的なデザイン

誰が見てもシトロエンの車は個性的なデザイン。共通して「どこがヘッドライトなの?」という2段がまえのフロントフェイスに始まり、随所に個性的なデザインが光ります。百聞は一見にしかず。外装、内装の際立ったデザインや機能、使い勝手を画像を主体にしてお届けします。

車高は低めの1,670mm。きちんとボンネットがあるミニバン。フロントガラスの面積が大きい。フロントの2本の水平のライン、センターの2つ“へ”の字はシトロエンのロゴ。ダブル・シェブロンと呼ばれるシトロエンの起源となるヘリカルギアをデザインしたもの。
後席はヒンジドア。全長は4,605mm。ノア、セレナなどのクラスの国産ミニバンの全長より気持ち短い。
後ろ姿は背の高いステーションワゴンのようでもある。全幅は1,825mm。日本の道路事情ではぎりぎり収まるサイズ。
17インチタイヤ。国産ミニバンでは15、16インチが多いなか比較的大きめ。
下段がヘッドライト。上段はLEDのデイタイムランプ、ポジションランプ。ヘッドライトはステアリングの切れ角に応じて照射先を左右に振る機能を備える。これは後述する1960〜70年の名車、シトロエン DSにも備わっていた機能。
フロントガラスの面積が大きい。ワイパーはバスにあるような左右に開くように動く方式。

開放感あるインテリア

ほぼ頭上までフロントガラスが位置する。
眩しいときはバイザーを下ろしてウィンドウの面積を狭めることができる。
全開状態
上の小さなミラーは後席確認用
後部座席も開口部の大きいサンルーフ(オプション。パノラミックルーフガラスルーフ:120,000円)
メーターパネルはセンターに位置。
シフトレバーはハンドルコラム右側上部。ハンドルから指を伸ばして操作できる。慣れると使いやすい。
1960~70年代の大ヒットした名車、シトロエン DS。
そのDSのシフトレバーもステアリングコラムから上方向にニョキっと生えている。グランドC4スペースツアラーのシフトレバーとの共通点。名車DSへのオマージュでしょうか。
左側がクルーズコントロール、右側がオーディオの操作スイッチ。パドルシフトも備えるので、スポーティーな走りもできちゃいます。
プジョー、シトロエンはディスプレイで空調を操作する方式が主流。リモコンキーを刺せる場所が用意されている。
深さのあるセンターコンソールのボックス。ペットボトル2本、メガネケース、スマホなどを入れても蓋が閉まる。
USB電源、シガーソケットなどのコンセント類と収納ボックス。蓋を開けっ放しにすればスマホ置き場に。
シトロエンはソフトで座り心地の良いシート。左右非対称デザイン。折れ下がるデザインはボディサイドのデザインと共通化させているのだろうか。
フロントシートの背面。2列目シートはテーブル付き。
ピラーにエアコンの吹出口と風量調整ダイヤルを備える。
2列目シートは独立3人がけ。前後スライド量も1席ずつ独立。3人座っても真ん中に座る人が窮屈しない。これは、SUVのC5エアクロスも同様。
逆サイドから撮影。
3列目シート2人がけ。応急用と考えたい。片側を畳んだ状態。
足元は広くない。
2列目シートもすべて畳んでフルフラットなスペースができる。
3列目シートは床下収納。折りたたみ式パネルでラゲッジスペースはフラットになる。
3列目シートをすべて畳んだ状態。トノカバーを装備。
電動リアゲートのスイッチ。

よく走るエンジン

シトロエン グランドC4スペースツアラーは、直列4気筒2.0Lディーゼル・ターボエンジン「BlueHDi」を搭載。もちろんクリーンディーゼル最高出力は130PS、最大トルク400N・m。このエンジンは、プジョー、シトロエン、DSの各ブランドの主力となっています。以前に、プジョー 508 のBlueHDi搭載車に試乗していますが、相当によかったエンジン。低速域ではディーゼルエンジンらしい音が出ますが、不快ではなく中高速域の巡航では至って静か。低回転からもりもりと出るパワーと加速感は必要十二分。燃費も良くグローバルで高い評価を得ています。

試乗時の実燃費は、信号が多い都心部で10km/Lを少し切るか切らないか、一般市街地では10~12km/L、高速道路で18km/L。90〜100km/hで巡航できる高速道路では、WLTC高速道路モード燃費の18.5km/Lを超える20km/L超えも記録。市街地、郊外路ではそれぞれのWLTCモード燃費の10〜20%落ちの結果になりましたが、燃料費の安い軽油であることを加味すると経済性はとても良いミニバンになります。

先進技術・予防安全装備もきちんと。

自動ブレーキ、全車速対応のアクティブ・クルーズ・コントロール、レーンキープアシスト、ドライバーの疲労検知アラートなどの先進技術はほぼすべて装備。車体の大きいミニバンには嬉しい、360度周囲を映すカメラ、駐車も自動できる支援システムなどなど。ないのはハンドル操作支援ぐらいで、主な先進技術、予防安全装備が揃っています。

国産ミニバンにはない快適な乗り心地と開放感

シトロエン C4スペースツアラーの最大の魅力は、国産ミニバンにはない個性。そして快適な乗り心地。おおらかでゆったりとしたサスペンションストロークがたっぷりとした乗り心地は、まさにシトロエンが追求するコンフォート=快適さを体現した設計と感じることができました。パワーのあるエンジンで走りの良さもしっかり。

国産ミニバンが続々とオラオラ系化していく中、真逆の方向性を示すシトロエンのミニバン、個人的にはアリですね。

試乗車のスペック・価格

全長4,605mm
全幅1,825mm
全高1,670mm
ホイールベース2,840mm
車両重量1,660kg
乗車定員7名
エンジン直列4気筒ディーゼル・ターボ
排気量1,997cc
最高出力120kW[165ps]/3750rpm
最大トルク400N・m/1750rpm
駆動方式前輪駆動(FF)
トランスミッション8速AT
使用燃料軽油
燃費WLTCモード燃費:16.3km/L
∟市街地モード:12.8km/L
∟郊外モード:16.2km/L
∟高速道路モード:18.5km/
新車車両価格税込3,900,000円

試乗車の主要オプション:パノラミックガラスルーフ・ハンズフリー電動テールゲート(セットで120,000円)、メタリックペイント(59,400円)、カーナビ(234,000円)

執筆者プロフィール
宇野智
宇野 智
モーター・エヴァンジェリスト/ライター/フォトグラファー/ビデオグラファー/エディター エヴァンジェリストとは「伝道者」のこと。クルマ好きでない人にもクルマ楽しさを伝えたい、がコンセプト。元MOBY編...

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