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査定金額は上がる?サンルーフ・ガラスルーフ・キャンバストップが不人気の理由とは?
日本が好景気に沸いたバブル期には、高級セダンや2ドアクーペをはじめ多くの車種にサンルーフやガラスルーフ、キャンバストップを標準装備・オプション設定をしていました。しかし、近年では不人気な装備となりつつあるのが実情です。
何故、サンルーフ、ガラスルーフ、キャンバストップは不人気となったのでしょうか。
かつてはサンルーフ装着がステータスだったが…
屋根の一部をくり抜きガラスを取り付けたサンルーフやガラスルーフ、レザー素材を用いた布地を取り付けたキャンバストップ。日光や外の空気を屋根から取り入れて、車内を心地よくし、ドライバーや乗る人を快適にできるのが魅力です。
1980年代後半から1990年代前半のバブル景気、同じく1990年代のRV・ミニバンブームでサンルーフを標準装備・オプション設定している車種が増えていきました。また、キャンバストップを屋根に備えたコンパクトカーが市販され、独特の雰囲気をもつ車種が売られていたのも忘れてはなりません。
これらは当時、ステータスとして評価されていたことに加え、手放すときのリセールバリューにも好影響があったことも、装着するメリットとなっていました。ディーラーの下取りや中古車買取店での買い取り額でプラスポイントとなり、非装着車よりも高額で売却できたケースは珍しくなかったのです。
サンルーフをつけない人が増えたのはなぜ?
しかし近年は、サンルーフやガラスルーフ、キャンバストップの人気は以前より下がってしまい、装着する人が少なくなっています。
その理由には、ユーザーの価値観が変わりサンルーフをステータスであると感じにくくなっていることや、価格や実用性を考えるとサンルーフに魅力を感じにくくなっていることなどが挙げられるでしょう。
サンルーフ装着車や標準装備グレードは車両価格が高額になります。サンルーフをオプション装着する場合も、10万円以上かかってしまうケースがほとんどのため、装着にためらいを感じている人が多いようです。
例えば、ランドクルーザーに用意されているオプション「チルト&スライド電動ムーンルーフ」は、標準装備されていないグレードで選ぶ場合、11万円(税込)となります。
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車内でも開放感を得るためのサンルーフは、どちらかと言えば嗜好性の強い装備です。”ないと困る”装備ではないため、オプション選択時の優先度を下げているユーザーが以前よりも多くなっているということでしょう。
加えて、サンルーフ、ガラスルーフ、キャンバストップは外の気温による影響を受けやすく、装着車の車内は夏は暑く冬は寒くなりやすいという弱点があります。さらに、非装着車と比較してボディの重量が10kgから30kg程度重くなり、少なからず燃費にも影響します。
このように、コストパフォーマンスを気にするユーザーにとっては、サンルーフを装着することにメリットを感じず、注目が集まらなくなっていると考えられます。
今後サンルーフ、ガラスルーフ、キャンバストップの復権はあり得る?
今後、サンルーフ、ガラスルーフ、キャンバストップの人気復活はあり得るのでしょうか。自動車販売の最前線を担う某自動車メーカーのディーラーにて営業担当者に尋ねたところ、以下のような回答が得られました。
「SUVをはじめ、サンルーフやガラスルーフを採用している現行車種は存在するので、一定の需要は見込めると思います。
予算に余裕があり、ディーラーでの下取り・中古車買取店で引き取ってもらう際のアピールポイントをにらんで装着するお客様はいます。
しかし、標準装備となっている車種以外では、あえてサンルーフやガラスルーフをオプション選択するほどのメリットがないかもしれません。そのモデル自体の人気によって査定額が左右されるので、実際はサンルーフをつけているから物理的に査定額が上がるというわけではないことを理解しておいたほうがよいかもしれません。
キャンバストップは、日本国内のメーカーさんでは今後再びモデルが登場するかといわれると難しいですね。
過去に、日本国内のメーカーでもキャンバストップを採用した車はありましたが、今は海外メーカーのモデルで採用されている以外で見かけないのを考えると、メーカー側はキャンバストップの需要がないと判断しているのではないでしょうか。」
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驚いたことに、現在サンルーフやガラスルーフが完全にオプションとなっている新車は、装着すれば確実に査定額が上がるというわけではないとのこと。売却時の旨味はさほどないため、「本当に欲しい!」という人でなければ無理にオプション選択する必要はないでしょう。
標準装備となっているモデルは引き続き査定時に有利になるようですので、下取りを前提に購入するのであれば、サンルーフ標準装備車は魅力的と言えます。
現在の市場では、サンルーフやキャンバストップの復権は難しそうですが、ダイハツ タフトのように全車ガラスルーフを採用した車も登場しています。ユーザーに魅力を伝えることができる新型車が今後登場すれば、サンルーフに対する価値観も再び変わるかもしれませんね。
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- 執筆者プロフィール
- 長谷川 優人
- 1990年生まれ。30代突入と同時期にライター業を開始。日常系アニメと車好き。現在所有はワゴンR(MH95S)。アニメ作品の聖地巡礼などで、各地へドライブに出かける。