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【デフロックとは】構造とやり方&軽トラやジムニーのデフロック最新情報

軽トラやオフロードカーに搭載されるデフロック。デフをロックしたからどうなるの?そんな疑問にお答します。デフロックの構造の解説をするとともにデフロックを搭載する最新の軽トラをラインナップしました。ジムニー乗りに人気の後付けデフロックもご紹介します。

デフロックとは?

クロスカントリー競技に挑むジムニー

デフロックとは、デファレンシャルロックの略で、左右のタイヤの回転差を固定する機構をいいます。

普通の車には、デフにロック機構を持たないオープンデフが搭載されます。
しかしオープンデフは、雪上や沼地などで駆動輪の一本のタイヤが空転してしまうと、他のタイヤには駆動力が伝わらなくなり、動けなくなってしまうのです。
そんな状況でも、タイヤの空転を防ぎ、悪路脱出の可能性を上げてくれる優れた機構がデフロックです。

デフロックは、柔らかい土の上を走る軽トラックや、悪路の走破性が求められるオフロードカーになくてはならない機構です。

デファレンシャルギアの構造

オープンデファレンシャルギアの動作の説明動画

デフロックを理解するためには、デファレンシャルギアの特性を理解しなければいけません。

車が半径30m円を描いて走るとき、左右のタイヤは違う軌道を通ります。
内側のタイヤは外側のタイヤよりも小さな円を描くことになり、これを”内輪差”といいます。
左右のタイヤで違う走行距離を動くということは、左右のタイヤでは回転数に差があるということを示します。
この回転差を内部のギアによって吸収するのがデフの役割になります。

もしデフがなければ、生じた回転差は内側のタイヤを滑らせることで逃がさなければならないため、タイヤはどんどんすり減ってしまいます。

雪道や悪路で効果を発揮するデフロック

スムーズにカーブを曲がるために必要なデフですが、悪路などで方輪が浮いてしまう状況になると、問題が発生します。
デフはその構造上、方輪が空転してしまうと反対側のタイヤには駆動力が伝わらず、動かなくなってしまうのです。

雪道でスタックしている車をよく見ると、片側のタイヤは盛大に空回りしているのに、反対側のタイヤはほとんど動いていないことが多いです。この現象はデフの構造のせいなのです。
もしデフロック機構が着いている車ならば、デフを動作させずに左右のタイヤを直結させることで、滑っていない方のグリップを使って脱出することが可能になるのです。
しかしデフロックが着いていたとしても、左右のタイヤがどちらも空転する状況では、さすがのデフロックでも歯が立たないということをご理解ください。

デフロックのやり方

デフロックの効果が非常に分かりやすい動画です。

優れた悪路走破性を発揮するデフロックですが、常に動作させることはできません。
デフロックの状態で走行を続けると、内輪差を吸収できずに、カーブを曲がるたびにタイヤはスリップし、どんどんすり減っていきます。
ドライブシャフトにも負担がかかるため、デフロック中はステアリングを切らないようにと注意書きされている車種もあります。
そのため、スイッチを設けて必要な時だけ動作させる仕組みになっているのが一般的です。

スイッチをオンにすると、電磁クラッチやロック機構が動作し、デフロック状態になります。動作させる際には、車を停止状態させた状態で操作を行ってください。
ロック式のデフロックの場合、切り替わりづらい場合には前後に徐行し、再度スイッチをオンにしてみてください。

最新軽トラのデフロック搭載グレード

かつては各メーカーがこぞって自社の軽トラを開発していたのですが、現在ではほとんどがメーカーが自社生産を取り止め、同車種の別ブランドとしてOEM供給される形となります。

その理由は、軽トラはOEMでも売上が安定しているためです。
そのほかには開発・生産コストの削減を抑えるため、などの理由があります。

供給元であるスズキ、ダイハツ、そしてホンダの軽トラ3車種のデフロックを搭載するグレードをご紹介します。

スズキ キャリィ “KC農繁仕様/KC 4WD 5MT”

スズキ キヤリィ 2013年型

マツダ スクラム トラック
三菱 ミニキャブ トラック
日産 クリッパー
以上の3車種がスズキ キャリィのOEM供給として販売されます。

現在販売される軽トラの中で、最も高出力エンジンを搭載するスズキ キャリィ。
そのパワーをパートタイム4WDとデフロックで余すことなく路面に伝えます。
合計4メーカーで販売されるので、町中で一番見かける軽トラです。

ダイハツ ハイゼット “農用スペシャル”

10代目 ハイゼット トラック

トヨタ ピクシス トラック
スバル サンバー トラック
以上2車種がダイハツ ハイゼットのOEM供給として販売されます。

パートタイム4WD、MTの“農用スペシャル”グレードだけに与えられるスーパーデフロックのおかげで、悪路を容易に脱出するポテンシャルを秘めています。
豊富なカラーバリエーションで農業女子にも人気のダイハツ ハイゼットです。

ホンダ アクティ “アタック”

ホンダ アクティトラック

OEM供給をせず、受けずの一貫した姿勢を崩さないホンダ。
軽トラの中で、アクティは唯一フルタイム4WDとミドシップエンジンレイアウトを採用します。
独自のコンポーネントを採用するホンダ アクティは、畑のタイプRといえるでしょう。

スズキ ジムニーにおすすめのデフロック

スズキ ジムニー XC 2007年型

軽自動車ながら、高い悪路走破性を誇るスズキ ジムニー。
伝統のラダーフレームとリジットアクスルサスペンションを武器に、クロスカントリー競技のベース車として人気のジムニーですが、意外なことにデフロックは搭載されていません。

その理由は車体価格を抑えるためともいわれますが、デフロックがなくても十分すぎるほどのトラクション性能を備えているからだともいわれます。
しかし、本格的なクロスカントリー愛好家には、それでは物足りない様子。

そんな不満を解消するためにジムニーにはアフターパーツでデフロックを搭載させることもできるのです。

ジムニー乗りに人気のエアロッカーはミリタリースペック

ジムニー乗りに、人気の後付けデフロックがあります。それが、豪ARB社製の“エアロッカー”というデフです。
その名の通り小型のコンプレッサーを搭載し、圧縮空気によってデフロックを遠隔操作するシステムです。

ARBは、国土のほとんどがオフロードといえるオーストラリアに本拠を置き、世界中のオフロードカー用のパーツを販売している会社です。
そのパーツクオリティは世界各国の軍用車にも純正採用されるほどの実績を持ちます。
日本ではオフロードカー用パーツの老舗メーカーである、株式会社アウトバックが正規代理店として販売しています。

ジムニー専用のエアロッカーの価格は13万8千円。
別売りのエアコンプレッサーは小型タイプが3万5千円。
大型の大容量タイプが4万6千円。
デフ交換工賃は約5万円ほどですが、ジムニー乗りのみなさんは、自分で交換してしまう方が多いようです。

デフロックは必要ない?

軽トラ

デフロックは、一秒でも早く悪路を抜け出すオフロード競技や、出荷の遅延が許されない農家の方々には必要不可欠な機構ですが、普段のカーライフには馴染みの薄い存在です。

しかし、馴染みが薄くてもまったく関係がないわけではありません。
デファレンシャルギアの特性を知れば、スタックした際には空転しているタイヤにブレーキをかけることで、疑似的なデフロック状態を作り出せることが分かると思います。
これはブレーキデフロックといい、ラリーやオフロード競技で昔から使われているテクニックです。
電子制御技術が向上した現代では、4輪独立ブレーキによってデフをコントロールし、特別な操作をせずとも、自動でトラクション確保や姿勢制御をおこなっている車もあります。

私たちが気づかないところで、ブレーキとデフが連携して安全運転の手助けをしてくれているのです。

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