JC08モード燃費、なんでまだ表示あるの？WLTCモードと併用される理由とは

車を選ぶポイントの1つとして定着しつつある燃費性能。車の情報をチェックしていると「WLTCモード」や「JC08モード」など細かく表記されているのが気になっている人も多いでしょう。

ディーラーでは車の燃費性能について、どのように説明しているのでしょうか。

説明しているのは”WLTCモードの市街地”と”実燃費”

結論から言うと、WLTCモードやJC08モードと表示されている燃費性能の数値は、特定の条件下で実験した一例でしかありません。

国土交通省が設けた燃費測定方法は、1990年代の「10・15モード」に始まり、2011年には「JC08モード」、2017年からは「WLTCモード」と変化を遂げています。測定器具・システムの進化に伴って、実際に車が使われる環境に合わせたデータを取得できるようになった結果が、WLTCモードまでの変化につながっているのです。

これらの車の燃費は道路環境など使用条件によって異なるほか、ドライバーの運転技術によっても差が出るのが特徴です。実燃費（実際の燃費）は車種ごとに用意されているカタログデータよりも数値が低くなるケースが多いとされています。

カタログに表記されているWLTCモードやJC08モードは、車の燃費性能を表す一例であると考えるとよいでしょう。

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それを踏まえて、販売店では燃費性能をどう説明しているのでしょうか。ある自動車ディーラーで長年販売を担当している営業スタッフは次のように語ります。

「お客様から燃費性能について質問、お問い合わせがあったら、”WLTCモードの市街地モード”もしくは”実燃費”でお答えしています。

お客様が車をお求めになる際、気にされているポイントは市街地での燃費性能です。会社への通勤やお買い物で使うケースが多く、ちょっとした用事で往復でも10kmから20km程度走らせたときの性能を気にされているようです。

現状、車種ごとのカタログやメーカーホームページの車種紹介で掲載されている燃費数値は、WLTCモードで走行モードごとに測定された数値と、JC08モードの測定値です。WLTCモードの燃費数値は、市街地のみや高速道路のみなど、走行条件に応じて細かいデータが表示されています。

一昔前まで存在した10・15モード値やJC08モード値では、大まかな数値しか示すことができませんでしたが、WLTCモード値が作られたことで、シチュエーションごとの例を説明しやすくなり、お客様に伝えやすくなりました。

しかし、WLTCモードは、特定の条件下で測定されている例にしか過ぎません。

発売から間もない車種についてはカタログなどのデータを交えてお話をしますが、ある程度時間が経っている車種に関しては、お客様から伺った情報をもとに実際の燃費数値をお話しするケースが多いです。

お客様も「実際に使っていてどうなのか？」という点を気にされているので、検討されている車種を先に購入されていたお客様から伺ったお話を元にお答えしたほうが、安心して購入していただけるかと考え、対応していますね。」

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WLTCモードの登場によりお客様に説明しやすくなったと語る反面、他のユーザーが実際に使ったときの燃費数値を伝えるなど工夫をしているそうです。

車種のカタログやメーカーの車種紹介ページではWLTCモードを中心に、発売から年数が経つ車ではJC08モードも交えて数値を表示しています。

しかし、販売の現場では、WLTCモードでも市街地の数値のみ、もしくはユーザーから得た情報を頼りに実燃費を伝えているのが現状です。国土交通省が提示しているWLTCモードの燃費数値は、あくまで参考程度と考えたほうがよさそうですね。

近年では、車種ごとの実燃費をデータ集計しているインターネットサイトもあり、手軽に情報が入手しやすくなっています。WLTCモードの数値と合わせてチェックすると、条件にあった燃費性能をもつ1台を見つけやすくなるでしょう。

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