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電力逼迫・災害多い日本でEVに乗るなら「V2L」機能アリのモデルが安心?

EVやPHEVを大容量バッテリーとして使う「V2L」や、家屋に給電できる「V2H」などの機能を使えば節電要請時や災害時でも電力が確保できます。これらはまとめてV2Xと呼ばれている機能です。

ただし、V2LやV2Hを行える車種は限られるうえ、接続する外部給電器によっても使える電力には差があります。EVを購入するなら、これらの機能を使う際の注意点も知っておきましょう。

V2X(Vehicle to X)とは?

トヨタ プリウスPHVによるV2H

V2Xとは「Vehicle to X(ビークル・トゥ・エックス)」の略称であり、車(ビークル)から情報もしくは電力などを外部に取り出して活用する方法をいいます。

具体的には車両センサーが取得した情報を吸い上げ、自動運転や渋滞予測へ活用する取り組みや、EVに搭載されたバッテリーから電力を取り出す取り組みがV2Xに該当します。

もっとも身近なV2Xの使用例は、車に設けられたシガーソケットやUSB電源からスマートフォンなどを充電する行為です。

とくに大容量バッテリーを搭載するEVは、電力逼迫時の予備電源や、災害時の非常電源として活躍します。さらには、個々のEVをひとつの大きなバッテリーとして活用し、電力使用の平滑化によって地域の電力需給を安定化する取り組みもV2Xを通して検討されています。

©pomphotothailand/stock.adobe.com

しかし同時に、EVの普及がさらに進んだ際に陥る電力不足も問題であり、今後は安定したエネルギー確保に加え、そのエネルギーをどう使うかが問われることになります。

V2Xとは、いわばEVを活用してエネルギーをムダなく使うための取り組みの総称といえるでしょう。とくに電力に関するV2Xは、その規模に応じてV2L、V2H、V2Gの3つに細かく分けられています。

EVの電力で家電を使うV2L(Vehicle to Load)

V2Lは「Vehicle to Load(ビークル・トゥ・ロード)」の略称です。「ロード」とは電力負荷を意味し、V2Lは車に蓄積された電力で電子機器を使う行為をいいます。

内燃機関車でもエンジンを発電機として使えば電力をつくりだすことができるものの、搭載されるバッテリーの性能限界から瞬間的に使用できる電力には限りがあります。

それに対し、走行用に大電力を蓄電し、大電流を放電できる大容量リチウムイオンバッテリーを搭載するEVやPHEVは、大型家電でも長時間使える特徴があるため、電力供給が途絶えた災害時や、節電要請時の非常電源として注目されています。

©︎New Africa/stock.adobe.com

ただし、EVが駆動用に溜め込んでいる高電圧直流電源のままでは家電は動かせないため、インバーター装置を介して家庭用交流100Vへの調整が必要です。

EVやPHEVのなかには標準で簡易的なインバーターを備え、車内で交流100Vコンセントを備える車があるものの、より大型の電化製品を作動させるには、充電口に接続して使用する外部給電用の大型インバーターが必要になります。

また、すべてのEVやPHEVが外部給電に対応してるわけではありません。ある程度は規格化されているものの、国やメーカー、車によって駆動電圧や充給電端子の規格が異なるため、使える外部給電器も限定されます。

輸入メーカーのEVのほとんどの車種は、車内コンセントはおろかV2Lにも非対応であるため、V2Lを利用を前提としてEVを購入する場合は、選べる車が限定されてしまいます。

家庭の消費電力を賄うV2H(Vehicle to Home)

「ビークル・トゥ・ホーム」は、車と家屋をつなぎ、EV・PHEVの膨大な蓄電量で家庭の消費電力をまかなう仕組みです。

ただし、供給先となる家屋には専用の充放電設備が必要であり、電気工事が必須となります。利用には多額の初期投資が必要ではあるものの、家庭用蓄電池と同様に使えるため、車さえあれば日中の電力をより安価な深夜電力でまかなうこともできます。

日産の電気自動車であるリーフe+を例にすると、62kWhのバッテリーを搭載するリーフでは、1日あたり12kWh程度の平均的な一般家庭の使い方で、約4日間の電力をまかなうことが可能となるため、大規模停電でもに強い味方となってくれるでしょう。

©viaduct_k/stock.adobe.com

また、V2Hの設備は充電設備としても使えるため、太陽光パネルを備えた家屋なら、太陽光発電でEVの充電をすることも可能です。

車と家屋で電力を相互利用できるのがV2Hの最大の利点であるものの、現状ではV2L以上に利用できる対象車両が少ない欠点があります。

地域の電力需給を平滑化するV2G(Vehicle to Grid)

V2Gは「Vehicle to Grid(ビークル・トゥ・グリッド)」の略称で、EVの電力利用範囲を地域単位にまで広げた活用方法です。

前述したように、EV1台には一般家庭の数日分の生活をまかなえるだけの電力が蓄えられており、当然そのなかには十分な電力を蓄えたまま待機しているEVもあります。

それらのEVを、高度な電力需給制御が可能な次世代送電網「スマートグリッド」に接続することで、余裕がある場所から切迫している場所に電気を移し、地域規模で消費電力を平滑化する試みがV2Gです。

ただし、スマートグリッドを実現するには、高度な電力網インフラの大規模整備が不可欠であり、現状ではまだ実験段階です。

日本の今の状況に備えるならV2L付きの国産EVが安心か

簡単に例えるなら、V2Lは大型家電も使える超大容量モバイルバッテリーであり、V2Hは移動可能な蓄電設備です。V2Gは、お金の代わりに各々で電力を持ち寄って必要箇所の電力を補完する、いわば電力の共済組合といえるでしょう。これらの総称がV2Xであり、なかでももっとも身近なのはV2Lでしょう。

©dreamnikon/stock.adobe.com

電気がなければ使えないEVならではの使い勝手の悪さは拭いきれないものの、V2Lによって災害時や停電時などに取れる行動が増やせるのはEVを選ぶ大きなメリットといえます。また、V2L用外部給電器の購入やV2H工事にも、EV購入時と同じように補助金が適用される点も覚えておきたい事柄です。

しかし、現状ではV2LやV2Hへの対応・非対応は車によって異なるため、どのEVでも非常時の備えとして機能するわけではありません。

海外メーカーのEVは日本の設備を使用できないケースがほとんどであるため、電力逼迫や災害に備えて購入するEVを選ぶなら、日本独自の充電規格である「CHAdeMO(チャデモ)」を採用した国産EVが安心です。

用途に応じた外部給電器選びも大切

車選びに加えて、外部給電器を選ぶ際は補助金対象であることの確認に加え、機器の大きさや同時に使用できるW数(定格容量)、コンセント数も確認しておきましょう。

定格容量が大きく、コンセント数が多い外部給電器ほど本体も大きくなるため、非常時だけでなくアウトドアレジャーなどの平時でも外部給電器を使うのなら、車載や取り回しを考えてなるべくコンパクトな給電器を選びたいところです。

また非常時に備えておきたい家電の選定や、どのような製品がどれくらいの時間使えるかも確認しておくとよいでしょう。外部給電を使う前提でのEV選びは、V2Lのおもな使用目的も明確にした上で選ぶことが肝心です。

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執筆者プロフィール
伊藤友春
伊藤友春
1981年生まれ。自動車専門Webライターとして執筆活動中。自動車の構造に明るく、ほとんどの整備や修理をDIYでこなす。輸入車・コンパクトカー・変わったデザインやコンセプトの車が好きで、現在の愛車はその最た...
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