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「免許は不要、ナンバーは必要」電動キックボード規制はなぜ緩和されるのか
利用者増加に伴い、電動キックボード事故も増加傾向
都市部などを中心に、電動キックボードの普及は交通利便性を大きく向上させてくれると期待できます。一方で、自動車やバイク、自転車や歩行者と、さまざまな交通主体が移動する公道において、新しい形態が加わることについては懸念の声も聞かれます。
今回の道交法の改正案が閣議決定された2022年3月4日の記者会見において、国家公安委員会委員長は懸念事項として「自転車でも現状でルールを守らない人が見受けられる」点や、「道路事情の違いによる衝突事故の増加」といった点を挙げ、自治体やメーカー、教育機関を通じた安全教育の徹底を課題として提示しました。
実際に、電動キックボードの利用者増加にともない、事故や違反の事例も大きく取り沙汰されるようになりました。なかには電動キックボードの法的な区分を守らず、無免許やヘルメット未着用の状態で事故を起こしてしまったり、飲酒運転が事故の原因となったケースも見られます。
こうした事故や違反への対策として、警察庁は2021年9月に警視庁および各道府県警察に対し、電動キックボードの違反に対する取り締まりの強化を図るよう通達しています。
「どの商品なら公道を走れるか」が把握されていないことも
電動キックボードの車両区分に関する認知が進んでいない現状から、公道走行の可否などをめぐる消費者トラブルもあるようです。
国民生活センターによる発表資料には「業者から公道走行可能と聞いて購入したのに、警察に聞くと走行できないと指摘され、返品を希望したが受け付けてもらえなかった」といった事例が掲載されており、同センターは保安基準の確認など注意を呼びかけています。
渋滞対策やCO2削減といった面でも効果が期待される電動キックボード。今後、時速20km以下の電動キックボードを「特定小型原動機付自転車」と定め、普及を促進するにあたっては、走行時の安全確保に向けた利用者への啓発が求められるでしょう。
同時に、消費者トラブルや免許区分に関する違反を防ぐうえでは、「どの製品がどの車両区分に該当するのか」「公道を走行するには何の基準を満たす必要があるのか」といった点についての周知を徹底していくことも重要になりそうです。
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- 執筆者プロフィール
- 鹿間羊市
- 1986年生まれ。「車好き以外にもわかりやすい記事」をモットーにするWebライター。90年代国産スポーツをこよなく愛し、R33型スカイラインやAE111型レビンを乗り継ぐが、結婚と子どもの誕生を機にCX-8に乗り換える...