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無免許運転で逮捕されるとどうなる?罰則・罰金・点数や捕まる確率は?
無免許運転の定義
無免許運転は、免許を取得していないもしくは期限切れの状態で、車やバイクを運転する行為です。
外国籍の場合は、日本で有効な免許証もしくは、道路交通に関する条約(ジュネーブ条約)に基づく「国際運転免許証」を保有していなければ運転できません。
また、無免許運転は以下4つに分けられています。
- 純無免許運転
- 免許取消中の無免許運転
- 免許停止中の無免許運転
- 免許外運転
それぞれの内容を、具体的に紹介します。
純無免許運転
純無免許運転とは、一度も免許を取得したことがないにもかかわらず、公道で車やバイクを運転することです。
中でも多いのは、免許を取得していない中学生や高校生が車やバイクを運転するケースです。再犯である場合や死亡事故を起こすと、悪質性が高いと判断され、未成年でも逮捕される可能性があります。
免許取消中の無免許運転
免許を取り消されて、再取得の交付を受ける前に運転すると無免許運転に該当します。
速度違反や放置駐車違反、酒気帯び運転を一定期間繰り返すと、免許取消の処分が下ります。また、酒酔いや麻薬を使用しての運転は重度な違反行為であり、1回で免許を取り消されるため、絶対に行わないようにしましょう。
免許停止中の無免許運転
免許停止中に運転した場合も、無免許運転に当てはまります。免許停止期間は、過去3年間の違反点数に応じて決まり、6点を超えると30日間は免許の効力が停止されます。免許停止中に運転してしまうと、1回で免許取消の処分が下るため、絶対に行わないようにしましょう。
また、免許証の有効期限が切れていることに気づかずに運転すると、知らずに無免許運転してしまう可能性もあります。免許証の有効期限を再確認し、違反しないよう注意しましょう。
免許外運転
免許外運転とは、保有している資格では許可されていない車やバイクを運転することです。
例えば、普通免許しか取得していないのに、大型バスを運転すると免許外運転に該当します。原動機付自転車の免許しか取得していないのに、普通自動二輪を運転した際も、もちろん違反の対象です。
知らずに無免許運転しないよう、取得している免許の種類を再度確認してみてください。
無免許運転をしたときの罰則内容
無免許運転をすると罰金や懲役、行政処分が執行されます。同乗者や車両提供者にも罰則があるため、注意しましょう。
- 懲役や罰則
- 行政処分
- 同乗者や車両提供者の罰則
上記の順で、罰則内容を紹介します。
懲役や罰則
無免許運転で捕まると“3年以下の懲役、もしくは50万円以下の罰金”が科せられます。
軽微な交通違反であれば「青切符(交通反則告知書)」が発行され、反則金を期限内に納付すると刑事手続きが免除される「交通反則通告制度」の利用が可能です。
一方、無免許運転は「赤切符(交通切符告知票)」が発行され、交通反則通告制度を利用できないため、刑事事件として扱われます。
また、人身事故もしくは物損事故を同時に起こしていなければ、以下の処分で済む可能性があります。
- 罰金 30万円程度
- 懲役 5ヶ月
- 執行猶予 3年
初犯は、逃亡する可能性が低いと予想されており、逮捕後はすぐに釈放され50万円以下の罰金で済むでしょう。
ただし、無免許運転で捕まった過去がある場合や執行猶予中のときは、勾留された後に正式裁判によって実刑判決が下されます。検問の突破や同時に飲酒運転を行った場合も、逃亡を防ぐために実刑が下されて刑務所に収容されるため、絶対に行わないようにしましょう。
なお、無免許運転を7回繰り返したとして罪に問われた東京都議会議員の女性は、初犯ではあるものの懲役10ヶ月・執行猶予3年の判決が下りました。無免許運転による判決は、初犯でも違反歴や状況が加味されることも把握しておきましょう。
行政処分
無免許運転で捕まると、懲役や罰則のほかに25点の違反点数が付きます。
累積が25点付いた場合、免許取消になるほか2年の欠格期間が科されます。欠格期間とは、免許を再取得できない期間のことです。
また、前歴が2回あると3年、4回の場合は4年と欠格期間が長くなる仕組みです。前歴があるほど欠格期間が長くなるため、無免許運転は絶対にしないようにしましょう。
同乗者や車両提供者の罰則
車両提供者や同乗者にも罰則が科されるケースもあります。知らずに無免許運転に加担してしまうため、運転者の免許証があることをしっかり確認したうえで、提供や同乗しなければなりません。
また“自分は運転をしていないから大丈夫”と考えず、周囲が無免許運転しないよう、注意しましょう。
車両提供者
無免許の方に車両を提供すると「車両提供罪」に問われ、3年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科されます。運転者が無免許であるとを知りながら車両を提供することは、道路交通法第64条において禁止されている行為です。
また、免許取消と2年間の欠格期間が科せられるため、無免許運転者と同様の罰則が科せられます。
同乗者
無免許運転している車に同乗すると「無免許運転同乗罪」に問われ、2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が科されます。運転者が無免許であると知りながら同乗することも、道路交通法第64条において禁止されている行為です。
運転者に同乗を要求された場合も、罪に問われるでしょう。なお、罪に問われた同乗者も、免許取消と2年間の欠格期間が科されます。
無免許運転で捕まる確率は?
基本的に有事でなければ、運転中に免許証の提示を求められるケースが少なく、無免許運転で捕まる確率は低いでしょう。ただし検問や職務質問、交通事故時は免許証の提示を求められるため、その場合は100%の確率で捕まります。
“運転中に免許証の提示を求められないから大丈夫”と安心せずに、無免許の場合は車やバイクを絶対運転しないようにしましょう。
また、無免許運転は“少しだけだから捕まらないだろう”と、繰り返し行われることが多い犯罪です。初犯は罰金だけで済んでも徐々に刑が重くなり、最終的には実刑判決が下されます。
無免許運転者は、発覚を恐れて逃げる傾向があり、事故を起こす可能性もあるでしょう。人身事故を起こした場合は「無免許過失運転致死傷罪」が成立し、10年以下の懲役が科されます。
無免許運転による事故で亡くなった方も多くいるため、社会全体で“絶対しない・させない”環境を作りましょう。
無免許運転と免許不携帯の違いは?
無免許運転と免許不携帯の違いは以下の通りです。
免許不携帯 | 反則金:一律3,000円 |
無免許運転 | 罰金:30万円程度 懲役:3年以下 違反点数:25点 |
無免許運転は「有効な運転免許を取得していない状態」を指します。 免許不携帯は軽微な罰則で済むのに対し、無免許運転は「違反点数25点/3年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科せられ、酒気帯び運転と同様の重い刑罰となります。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...