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「使いこなしてる?」パートタイム4WDの正しい使い方、知ってる人は少ない?
目次
4WDの使いどきは雪道走行!路面が濡れてきたら切り替えを
では、「いつ」「どんな状況」で4WDに入れればいいのでしょうか。
まず、日本で最も4WDを使うのは積雪路。つまり雪道です。雪道ではもちろん冬用タイヤの装着はマストですが、4WDになるだけで大幅に走破力が向上し、操縦安定性が向上します。
よく“雪道ではいつ4WDにシフトすればいいいのか?”という疑問をいただきますが、筆者は「降雪地帯では雪がなくても路面が濡れてきたら」と答えます。
路面が濡れているということは、その先で凍結の恐れがありますし、標高や気温の変化で積雪がある可能性が高いからです。
4WDにシフトする場合、慣れていない頃は安全のため、一度停車をして行うといいでしょう。走りながらトランスファーレバーを操作するのは、注意力を削ぐ場合があるためです。
慣れてきたら、100km/h以下で直進状態であれば、走行したまま4WDにシフトすることができます。ただし、後述しますが、4WD-Lに入れる場合は停車してのシフトがマストになります。
豪雨や河原、砂浜などでも4WDが活躍
雪以外でも、4WDはいろいろな使い途があります。
昨今でよくあるシチュエーションが、ゲリラ豪雨や台風。特に高速道路を走っている時にこうした状況に遭遇するとフラフラするわ、ハイドロプレーニング現象になるわで、非常に危険です。
こういった場合は迷わず、走行速度を100km/h以下に保ちながら、直進状態で4WDにシフトしましょう。すぐに車両の状態が安定するはずです。
一般路で大量の降水があった場合には冠水することがありますが、こうした状況でも4WDは有効です。前輪に駆動力が伝わるため、冠水した路面でも舵取りがしやすくなります。
キャンプやBBQで遊びに行くと、砂利や泥の河原を通ることがありますが、ここでも4WDに入れてみましょう。悪路走破性が上がり、大きな石の転がる場所でもグイグイ進むことができます。河原以外にも、海水浴場の砂浜、未舗装の林道では4WDが効力を発揮してくれます。
4WD-L(Low)モードの使いどきは?
では、4WD-L(Low)モードにはいつ入れればいいのでしょうか。
例えば、雪が多く積もった深雪状態や砂が柔らかい場所、大きな岩がゴロゴロしている河原、凍結した急坂や未舗装の急坂などで使うと、安定した走りになります。自然災害で路面が荒れた未舗装路も、4WD-Lに入れたいシチュエーションです。
この他、雪道など滑りやすい路面で、スタックしたクルマを牽引する時にも4WD-Lを使います。
4WD-Lにシフトしてローギアードにすることで、より大きな牽引力を得ることができます。数年前に中部地方を大雪が襲った時、小さなジムニーが10トントラックを牽引している様子がネットで流されて話題になりましたが、これこそ4WD-Lの威力といえます。
4WDだからといって無理は禁物!
このように、様々なシーンで優れた走破力を発揮してくれる4WDですが、気をつけたいのは4WDがゆえに無理が祟りやすいということ。
例えば、深雪や砂地など、スタック(タイヤが空転して前後に進めなくなる状態)しやすい場所で4WDにした場合、もうこれ以上は進めないという状態まで行き着いてしまうことが多々あるからです。
その状態でスタックしてしまうと、オフロードドライビングの知識やレスキュー用品がないと、容易には脱出できません。とくに4WD-Lに入れるような状況下では、経験上の判断が必要になることが多々あります。
せっかくパートタイム4WD車を所有しているのであれば、4WDを頻繁に使ってもらいたいと思いますが、無理は禁物。雪や砂、オフロードを走る場合は、必ず事前に知識やテクニックを学んでから走りましょう。
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- 執筆者プロフィール
- 山崎 友貴
- 1966年生まれ。四輪駆動車専門誌やRV雑誌編集部を経て、編集ブロダクションを設立。現在はSUV生活研究家として、SUVやキャンピングカーを使った新たなアウトドアライフや車中泊ライフなどを探求中。現在の愛車は...