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ハイドロプレーニング現象発生ケースと防止策、発生した場合の対処策まとめ

ハイドロプレーニング現象とは?

雨の中を走る車
©milkovasa/stock.adobe.com

ハイドロプレーニング現象とは、路面とタイヤの間に水の膜ができ、タイヤと路面の摩擦が無くなることにより、コントロール不能に陥る危険な状態です。

ハイドロプレーニング現象は、水の量とタイヤが許容する排水量の関係で発生します。

タイヤが許容する排水量とは、タイヤ接地面にどれだけ隙間が空いていて、その隙間からどれだけ水の逃げ道があるかによって決まります。

したがって溝の高さが低くなれば隙間は小さくなり、ハイドロプレーニング現象が発生しやすくなります。

ハイドロプレーニング現象が起こりやすいケース

・溝が減っているタイヤではタイヤが許容する排水量が少なくなり、結果としてハイドロプレーニングが発生しやすくなります。

・タイヤの回転方向が逆になっていたり、非対称パターン(回転方向の指定がないタイヤ)の「INSIDE」「OUTSIDE」が逆に組まれていたり、空気圧が低かったりしても、本来の排水性能が確保されずハイドロプレーニングが発生する原因にもなります。

・スタッドレスタイヤは細かい溝がたくさんありそこに水がたまりやすくなっています。氷の路面や雪では役に立ちますが、液体の水状態では話が異なります。その隙間に水がたまっていることによって、かえって水の膜がタイヤにできやすくなってしまい、ハイドロプレーニングが発生するケースがあります。

ハイドロプレーニング現象が発生したら制御できる?

ハイドロプレーニング中は、どんな操作をしても車は反応しません。
ブレーキを踏んでもタイヤの回転が止まるだけで、車はそりのように進んでいきます。ハンドルを回しても、前輪の方向が変わるだけで、そのまま真っすぐ進みます。

ちょっと道路が斜めになっていたり車に慣性が残っていたりすれば、その影響を受け車はスピンを始めます。

車を支えているタイヤが、経年劣化による硬化、使用による摩耗、メンテナンス不足の空気圧不足、タイヤの適正が間違っている場合、非常に危険な状態に陥る可能性があります。
しっかりと自分のお財布と相談して、できることから十分なリスク管理を行う必要があるといえるでしょう。

ハイドロプレーニング発生時にやってはいけないこと

激しい雨の中を走る車
©Tomasz Zajda/stock.adobe.com

ハイドロプレーニングが発生した時に、まず自分の車がハイドロプレーニング状態になっているという認識をする必要があります。
ハイドロプレーニング中にパニックになり操作をすると、ハイドロプレーニングから回復しタイヤがグリップを始めた時に、突然加速したり、スピンしてしまったりする原因になります。

つまり、意図せず滑りやすい路面で急ハンドル、急アクセル、急ブレーキをしていることになってしまっているのです。

したがって、ハイドロプレーニングが起こっているときは冷静でいなければ対応はできません。
パニックになって余計な操作をするぐらいなら、ハンドルを真っすぐにしてアクセルとブレーキから足を離すくらいでないといけません。水の抵抗は思いのほか大きいので、勝手に車は減速していきます。

しっかりと車の動きを感じ取り、車が知っている挙動を示したタイミングで、操作を再開するのが、ドライバーとして最低限必要な対応です。パニックになった直後の運転で日常の正常な判断すらできない場合も多いので、とにかく安全な方法へと判断を傾けて行動しましょう。

また、ハイドロプレーニング時は、何もしない、してはいけない、というとおり、アクセルオフによるエンジンブレーキと水の抵抗で減速することになります。その時に駆動輪で減速することになるので、4WDなのか、前輪駆動なのか、後輪駆動なのかは知っておいたほうがいいでしょう。

ハイドロプレーニングを起こさないためにしたいこと

濡れた車のタイヤ
©Tomasz Zajda/stock.adobe.com

1.シーズンにあったタイヤを使う

基本中の基本ですが、真夏でもスタッドレスタイヤがとりあえず使えるからというレベルで部品を取り扱っていても、最善の結果を得ることはないでしょう。
それは車が細かい部品の集合体で、それぞれが満点をとることで、満点の車が出来上がるからです。例えば、他の部品が満点でも、タイヤが0点なら、全体の評価として満点になることはないのと同じです。

2.エアチェック

日常点検のひとつでもあるエアチェックです。タイヤの性能はタイヤだけで達成できるものではありません。なぜなら、車に対して適正な空気圧を保つことで、タイヤの性能を確保しているからです。

空気圧不足では、ハイドロプレーニングだけでなく、タイヤが変形を繰り返すことでバーストしてしまうスタンディングウェーブという現象の危険もあり、その威力は、ボディーの変形や、バンパーの破損まで考えられます。

エアチェックは予防の意味で大切なので、手洗いうがいと同じように、重病の予防として、同等の考え方をもつことが肝心といえるでしょう。

3.排水能力を考える

溝が少なければ、そこから逃げることができる水の量は限定的なものとなってしまいます。
エアチェックまでできているのであれば、その時に溝の深さをチェックするというのも大切になります。
タイヤの溝の深さは、夏タイヤでは8~10mm前後です。3割くらいになったらもうそろそろ交換かな?と次のタイヤの検討を始めたり、交換したりしても良いタイミングといえるでしょう。

また、製造から5年以上たっていると、タイヤメーカーもゴム自体の劣化を懸念して交換をすすめる時期に入ります。溝でなく、製造年にも気を使ってあげるとなお良いでしょう。

4.道路状況をよく観察する

刻一刻と変わる道路状況の変化を素早く感じ取る観察力は、上手なドライバーになるために必要な能力です。

いわば、この観察が不十分な状態で運転することは、風邪の菌のなかにノーガードで入るようなものなので、風邪をその後に引かなかったのが偶然以外のなにものでもないといっても過言ではありません。

前方の車が雨の日に進路を突然変えた時、パンクの原因になりそうなゴミが落ちている、深い水たまりがある、なんらか避ける必要があることを考えるべきでしょう。

少ない水に見えても、他の車が排いた水で水の多いところに自分が浸入すれば、そこは深い水たまりと同じ状況になりますし、トラックの横にいればトラックのまき上げた水しぶきで前が見えません。

さまざまな最悪のケースを想定して運転することが重要です。

MT車特有のハイドロプレーニングは要注意

車のシフトレバー
©chihana/stock.adobe.com

駆動方式に限らず、MT車で減速をする時は停止寸前にクラッチを切る必要があります。
ハイドロプレーニング中は、タイヤがグリップして回転しないのでブレーキを踏むとタイヤロックしてしまいます。

タイヤロックをしたあと、回転は下がりますが、そのままブレーキを踏んだままだとエンストしてしまいます。

車が惰性で進んでいるのであれば、エンジンの押し掛けと一緒で、1速や2速、3速と惰性で走っている速度に合わせたギアに入れ、クラッチをつなぐ瞬間にアクセルをちょっと踏むことでエンジンをかけることができます。

一般的に、乗用車は前輪ブレーキが強く利くようになっていますので、FF車で起こりやすい現象といえますが、4WDやFRでも全く起きない現象というわけではありません。特段グリップが失われるハイドロプレーニング中は、大きな差はありません。

ハイドロプレーニング現象を防ぐ運転とは?

警告表示に従って走る車
©chokchaipoo/stock.adobe.com

サーキット走行では、晴れの日でなく雨の日でもレースが行われます。結局、レースなので速く走ることを意識した走行をすることになります。
ですが、クラッシュというリスクを負ってまで速く走ることはないので、水たまりを避ける走行ラインになったり、ハンドルを極力使わなくて済む走行ラインになったりするわけです。

リスクを負って速く走るだけがレースではなく、クレーバーにリスクマネジメントをし、駆け引きをするのもレースなのです。

同様に、一般道路においても走行ラインを意識することも変わりませんし、もっと安全を求めた走行ラインにすることもできるわけです。

例えば、道路左わきの水たまりには、道路上のゴミが流れつき、パンクの原因になるものがたまっているかもというリスクや、そもそも水たまりは車の挙動を乱したり、燃費を悪くしたりするだけの抵抗なのでタイヤの跡にできる轍を避け、かまぼこ状になった道路の頭の上を走るといった工夫も雨天走行時の工夫のひとつです。

万が一、ハイドロプレーニング現象になってしまったら

水しぶきを飛ばして走る車
©Ron-Heidelberg/stock.adobe.com

それでもなお、スピンする状態に陥ってしまった時はどうすればいいのでしょうか。

まず、パニックにならず冷静に車体をコントロールすることです。すなわち、フロントタイヤが進みたい方向に向いているのか?ということになります。

軽くハンドルは回せるし、抵抗もないのでタイヤがどこを向いているか分からなくなってしまうと、ハイドロプレーニングからグリップが回復した時に、車の進行方向に対してハンドルが異なる方向を向いていると、急ハンドルをしたことと結果的に同じ条件が整ってしまうからです。

通常のスピンでは、タイヤと地面の間に若干でも抵抗があるため、セルフカウンターステアが働きます。
これは、キャンバー角、トー角、キャスター角によって反応が変わりますが、車の中心軸が巻き込むように内側を向く時に、慣性で進む車の方向をフロントタイヤが向く動きで、フロントタイヤの向きが分からなくなるということは簡単に発生するものではありません。

すなわち、フロントタイヤの向きが分からなくなりやすいハイドロプレーニング現象では、なおさら進みたい方向に目線を置き、ハンドルを操作し、フロントタイヤの向きをコントロールすることで、より姿勢を乱さない安全な回避が行えるということになります。

このように万が一、ハイドロプレーニング現象となってしまった場合にはまず冷静にハンドルを進むべき方向に操作することが重要です。

あとはハイドロプレーニング現象が発生した場合はタイヤと路面の摩擦が失われているという事実を踏まえてブレーキやアクセルを急には操作せず、タイヤと路面の摩擦が回復してから行うといった知識をあらかじめ理解する必要があります。

さらには、車の制御ができなくなるハイドロプレーニング現象を発生させないためにも、日頃からのメンテナンスや点検、さらに雨天時はスピードを普段以上に控えるといった行動が重要です。

執筆者プロフィール
MOBY編集部
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新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...
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