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長納期化の弊害?「とりあえず注文&都合が悪くなったらキャンセル」が増加
今や人気車種の長納期化は当たり前
もはや恒常化している部品不足による新型車の長納期化。人気車種では量産車であっても発売からまもなくして受注停止ということも少なくありません。
こうなると、早く納車するためには目的の新型車が発表されるよりも前、見積もり解禁(商談開始)されてから数日以内に販売店に足を運び、注文するしかなくなってしまいます。
注文が1日遅れるだけで納期が数ヶ月先送りにされることはもはや当たり前。2022年9月に発表予定のハリアーのプラグインハイブリッド車は、まだ発表前ですがほぼ受注停止状態となっているといいます。
「とりあえず予約注文」が増加?
あるメーカーの営業担当に話を聞くと、車の購入を決断をする時間が非常に短くなっているせいで、家族との検討が不十分だったり、購入資金が準備できていなかったりするケースが増えているといいます。
そのため、「買えるか分からないけど、とりあえず注文して、ダメだったらキャンセルすればいいや」と、キャンセルを前提に注文をする方もちらほら見られるそうです。
実際にあった事例として、顧客から「明日に受注停止するかもしれないと言われても、家族の許可が出ていないからこの場で決められない。とりあえず注文だけ入れて、反対されたらキャンセルしたい」と伝えられたことがあるとのこと。
注文後のキャンセルについては特に法的に違反している部分はなく、話を聞いた販売店のシステム的にも不可能ではないようですが、納期が長期化している今でもキャンセルは基本的にNG。
取材に応じてくださった営業担当の方も、キャンセルするつもりのない方に優先して購入していただきたいという理由で前述のような方に対しては契約書の発行を断っているといいます。
「とりあえず」という気持ちは分かるものの…
たしかに近年は、商談開始の段階ではデザインが分からないといったこともあります。だからといってデザインが判明してからではすでに注文が多数入っていて、納期が1年超え…といった状況になってしまいます。
そもそもが発表の時点ですでに納期が1年という時点で異常事態であることは間違いなく、自動車メーカーもこうした状態から脱却するための取り組みを進めています。
こうした背景をみると、「とりあえず注文」をしたくなる気持ちも分からないこともないのですが、販売店側からしたら一方的に契約を破棄されることになるので、違法ではないものの決して良いことではありません。
バックオーダーの解消も課題に
今でも各メーカーから続々と新型車が投入されていますが、これまで注文を受けた車両(=バックオーダー)の消化も課題の一つ。
かねてより納車を待ち続けているユーザーからは、「新型車を発表する前に今抱えているバックオーダー解消に向き合って欲しい」という声も挙がっています。
ホンダは2022年9月2日、新型SUV「ZR-V」の発売延期をアナウンスしたのですが、その理由として「他のモデルですでに納車をお待ちいただいているお客様を優先するため」と伝えています。これに対してユーザーからは「誠意を感じる」「妥当な判断」といった好意的な意見が多く見られました。
もしかしたら今後、他のメーカーにおいてもこういった対応が見られるかもしれません。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...