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ショーファードリブンカーとは?「大型の高級セダン」以外も増えるその理由
目次
一度は憧れる!ショーファードリブンカーの世界
アーティストや芸能人、会社経営者、政府の要人…など、VIPの移動にクルマは欠かせない存在。そんなVIPな方は主役として後席に乗り込みますので、自分のクルマでありながらも、自分で運転するわけではありません。
こういったクルマは「ショーファードリブンカー」と呼ばれます。
ショーファードリブンカーとは、VIPや要人を後席に乗せ、専属運転手が運転するクルマのことです。「ショーファードリブン専用モデル」を製造・販売しているメーカーは、世界でもそう多くはありません。
これに対し、普段私たちが自らハンドルを握るクルマは「ドライバーズカー」と呼ばれます。
今回はショーファードリブンカーとドライバーズカーの違いに触れつつ、市販されているショーファードリブンカーをいくつかご紹介します。
ショーファードリブンカーとドライバーズカーの違いとは?
「ショーファー(Chauffeur)」とは、”お抱え運転手”を意味する言葉。つまり、オーナーは後席でゆったりとくつろぎ、運転は専属運転手が行います。
ショーファードリブンカーには、堂々たるエクステリアデザインはもちろんのこと、豪華で広々とした「快適な車内空間」が求められます。
車内装備は、当然”後席重視”。テレビ操作やリクライニング機能、マッサージ機能まで付いているケースも珍しくありません。
一方でドライバーズカーは、その名のとおり”運転手のためのクルマ”。スポーティなステアリングフィールや高い運動性能を持ちながら、車内の快適性もある程度確保しているのが特徴です。
こちらはドライバーを中心に考えて開発されているため、「走る楽しさ」が追求されています。
つまり、「ショーファードリブンカー」「ドライバーズカー」という名前は、”誰のためのクルマなのか”を表しているのです。
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ショーファードリブンカーの代表車種は?
トヨタ センチュリー
まずは、日本で唯一のショーファードリブンカーと言われ、”黒塗りの高級車”としてお馴染みの「トヨタ センチュリー」。皇族の方々が乗るクルマとしても有名ですね。
3代目センチュリーの価格は2,008万円。2018年に行われたフルモデルチェンジによって、後席の室内空間、乗り心地、静粛性がさらに向上しています。
エクステリアをみても、センチュリーの象徴である「鳳凰エンブレム」、フロントグリル奥に配置された「七宝文様」など、日本ならではの品格が漂っています。
ロールス・ロイス ファントム
ショーファードリブンカーの代名詞ともいえる、「ロールス・ロイス ファントム」。おそらく世界で最も有名なショーファードリブンカーでしょう。
ファントムは、性能や装備、乗り心地、静粛性、価格など、全てにおいて最高峰。ショーファードリブンカーのなかでも別格であり、もはや『動くスイートルーム』といえるレベルです。
ファントムは2022年にマイナーチェンジが行われましたが、その価格は、なんとベースグレードで6,050万円。一般人が買える金額ではなく、選ばれし者のみが手に入れられる”富の象徴”です。
メルセデス マイバッハSクラス
高級車の代名詞として挙げられることも多い「メルセデス・ベンツ Sクラス」ですが、メルセデスにはショーファードリブン専用モデルともいえる「メルセデス マイバッハSクラス」が存在します。
マイバッハは2012年に一度生産が終了しましたが、2015年にメルセデスのサブブランドとして復活を果たし、現在の価格は2,960万円〜となっています。
「メルセデス Sクラス」をベースに作られているため、高級感は抜群。後席にはリクライニング機能やマッサージ機能、冷蔵庫なども装備されており、居住性・快適性も最高級です。まさに、VIPの送迎にはピッタリの1台といえます。
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昨今は「ショーファードリブン=大型の高級セダン」ではなくなっている
上述の3車種が代表的なショーファードリブンカーですが、ほかにも「ベントレー フライングスパー」「メルセデス Sクラス」「BMW 7シリーズ」「アウディ A8」「レクサス LS」なども、ショーファードリブンカーとして使われることがあります。
これらの車種からも分かるように、「ショーファードリブン=大型の高級セダン」というイメージがありますが、最近ではその感覚が変わりつつあるようです。
筆者知り合いのトヨタ系ディーラースタッフによれば、「一般的に、ショーファードリブンと言われて思い浮かべるのは高級セダンですが、最近では『アルファード』や『ヴェルファイア』をショーファードリブンカーのように使うケースも増えています。
これらのミニバンは後席の居住性に優れ、内外装の質感も高いため、上級グレードを選択し、運転手付きで乗るお客様もいらっしゃいます。」とのこと。
たしかに、アルファードには「Executive Lounge」という、後席をより重視したグレードが存在します。また、輸入車に目を向けると「ボルボ CX90 Excellence(現在は生産終了)」といった、SUVでありながら運転手付き・後席利用を想定したパッケージングがあったりもするのです。
「ショーファードリブンカー」という言葉から連想される車種以外でも、同様の使われ方をするクルマは増えています。今後は、さらにSUVやミニバンから、ショーファードリブンカーとして使用されるクルマが登場するかもしれませんね。
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- 執筆者プロフィール
- 成田 佑真
- 1993年生まれ。普段は医療機器販売を行っているが、暇があれば自動車関連記事を読み漁る。現在の愛車はA4。子どもの頃からマークⅡに憧れ、社会人になりマークXを購入。週末は必ず手洗い洗車を行い、ドライブに出...