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ツインスクロールターボとは?構造や仕組みと搭載車種をご紹介!

身近になったターボチャージャー

「ターボ」とは「ターボチャージャー」の略語

ターボ」とは「ターボチャージャー」の略で「過給機」とも呼びます。ターボはスポーツカーに搭載される仕組みという認識が一般的でしたが、それを乗用車に搭載を始めたのがドイツのフォルクスワーゲンです。

もちろん日常の運転が目的ですから、高回転でパワーを絞り出すような非実用的なエンジンではありません。排気量はできるだけ小さくし、でもパワーは従来以上という一見矛盾しているような技術を可能にしたのが「ダウンサイジングターボ」です。

そもそもターボチャージャー(過給器)とは?

©evannovostro/stock.adobe.com

ターボチャージャーはエンジンから出された排出ガスのエネルギーを利用して、羽根(タービン)を回して同軸上の羽根(コンプレッサー)を回し、空気を圧縮してエンジンへ空気を送り込む装置のこと。

この空気を送る時の空気量(圧力)を過給圧(ブースト圧)といい、排気ガスがタービンに当たる空気量を調節します。エンジンからタのービンの間には、排気ガスを逃がすためのバイパスバルブがあり、空気量を調節します。

理論上はブースト圧を上げることで、多くの空気をエンジンに送り込めば出力を上げることができますが、エンジンの強度や異常燃焼(ノッキング)などの問題があるので、ブースト圧は制限されるのです。ノーマル車のブースト圧は、使用状況や用途を考慮して、余裕を持って設定されています。

ターボを採用したエンジンのパワーアップは目安として排気量×1.5と言われています。例えば、排気量1.5リッターのエンジンであれば2,300ccほどのパワーを出すことが可能ということです。

もちろん、セッティングにより燃費重視型や加速重視型とありますから、そこまで簡単な話ではありませんが、自然吸気エンジン以上のパワーを発揮できるという点はどのターボエンジンにも共通して言えます。

ターボの問題である「ターボラグ」とは?

「ターボラグ」とは、アクセルを踏み込んでから、ターボの効き目が遅れてくることを言います。自然吸気エンジンのナチュラルな加速フィーリングと比較すると、ターボエンジンではここが問題点とされてきました。

ターボチャージャーは排気ガスを利用してタービンを回す力が弱い低回転域ではどうしても過給によるパワーを得るのに時間がかかってしまうのです。それを改善したのが「ツインスクロールターボ」という技術です。

ツインスクロールターボとは?

「ツインスクロールターボ」はよく「ツインターボ」と誤解されますが、「ツインターボ」がターボチャージャーを2つ搭載しているのに対して「ツインスクロールターボ」はあくまでひとつです。

一般的なターボは排気をタービンに流す経路は1つで、ツインスクロールターボはエキゾーストマニホールドからタービンハウジングへの流路が2つに分けられたものです。

太い管に勢いよく排気を送るにはよりたくさんの風量が必要ですが、細い管なら少ない風量でも風圧が圧縮され、効率よく排気を送れます。ツインスクロールターボは低回転域ではこの原理を利用。低回転域では1つの経路、高回転域では2つの経路を使ってより多くの排気を送ります。

また一般的なターボでは高回転で排気量が多くなると通路が狭くなる傾向にあるため、高回転域で排気ガスが流れにくくなってしまいます。これが、タービンへの流通経路を2つになると、排気干渉を低減することができるのです。

よって低回転域でもターボの効果が得られ、自然な加速フィーリングとなります。

2つのターボを搭載したシーケンシャルツインターボとは?

シーケンシャルツインターボというのは、低回転用のターボと高回転用ターボの2つのターボを搭載しているシステムのこと。低回転ではあまり過給圧が発生しないというターボのデメリットを改善する装置として登場しました。

しかし2つのターボを搭載しているので、重量も増加すること、またコストも高くなってしまうというデメリットがあります。その点ツインスクロールターボの場合には、1つのターボで構成され、低コストという特徴があります。

ただし、「シーケンシャルツインターボ」が劣っているというわけではなく、どんなエンジンに搭載するかでメリットは変わってくるのです。「シーケンシャルツインターボ」は高回転域の過給を重視しているのでスポーツカーなどには現在も採用される例があります。

ツインスクロールターボはどんな車に搭載される?

ツインスクロールターボは中排気量の1,500ccから2,500ccのエンジンに多く採用されます。この項目ではツインスクロールターボを搭載している車の一例をご紹介します。

BMW1シリーズ120i

BMW 1シリーズ 120i 2016年型

BMWは1シリーズのみならず、多くの車で効率の良いツインクロールターボを採用しています。

車両価格:299万円~

ミニ クーパーS

ミニ クーパー S 2014年型

第3世代のMINIは全ガソリンエンジンがターボとなり中でもスポーツグレードのクーパーSとJCWはツインスクロールターボが採用されています。

車両価格:326万円~

クラウンアスリートS-T

トヨタ クラウンアスリート

ハイブリッドに特化していたトヨタですが、クラウンアスリートでは新開発の2リッターのダウンサイジーグターボを搭載しています。

車両価格:450万円

WRX STI

スバル・WRX STI 新型2017年モデル

世界に誇るスバルのスポーツカーは効率良くハイパワーを出せるツインスクロールターボが採用されています。

環境性能と動力性能を両立したツインスクロールターボ

ツインスクロールターボはどちらかというとスポーツモデルに採用される傾向があります。ダウンサイジングターボであってもコンフォートよりのゴルフ1.2TSIやオーリス120T、ステップワゴンなどはシングルターボが採用されています。

排気量が小さくなることによって税金も安くなりますから、メリットは多いです。今まで大排気量にしか乗っていなかった方でもツインスクロールターボを搭載したスポーツカーならきっと満足できるでしょう。

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執筆者プロフィール
MOBY編集部
MOBY編集部
新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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