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ツインターボとは?シングルターボとの違いと仕組み、メリットを解説!

ターボエンジンとは?

©evannovostro/stock.adobe.com

ターボチャージャーとは

ターボ」とは「ターボチャージャー」の略です。「過給機」とも言います。最近は欧州を発端にダウンサイジングターボが普及していますので、多くの方が聞いたことのあるワードです。

しかし、今回ご紹介するツインターボはコンパクトカーなどにはあまり採用例がありません。シングルターボとどのような使い分けがされているのか、仕組みや構造、メリット、デメリットをご紹介していきます。

ターボエンジンの仕組みを知ろう

ツインターボの説明に入る前に通常のターボチャージャーの仕組みについておさらいしましょう。

ターボチャージャーとは、ガソリンを燃焼させることで排出された排気ガスのエネルギーで、羽根のようなタービンを回し、同軸にあるコンプレッサーを回し、それにより空気を圧縮します。そしてその圧縮された空気をエンジンに送り込むことで高出力が生み出す装置です。

ブースト圧とは?

コンプレッサーにより送る空気量(圧力)を過給圧(ブースト圧)といいます。ブースト圧は、排気ガスがタービンに当たる量により調整可能です。

調整にはバイパスバルブを利用します。バイパスバルブとは、エンジンとタービンの間にあり、コンプレッサー圧力により作動します。つまり、コンプレッサー圧力によって排気ガスをタービンに当てずに逃がす量を調整させている仕組みというわけです。

もちろんブースト圧をあげるほど多くの空気をエンジンへ送れますが、エンジン強度や異常燃焼(ノッキング)を発生させる可能性がありますので、ブースト圧には制限をかけています。

ブースト圧の制限には、エンジントラブル防止のほかにも、ユーザーの使用条件・用途や、排気ガスの規制などを考慮する必要があります。ある程度のバッファを考慮して設定しているのが一般的です。

ツインターボとは?

ツインターボ
Ryan Tir CC 表示 2.0 / CC BY 2.0
出典 : https://www.flickr.com/

「ツインターボ」とは名前のとおり2基のターボチャージャーが搭載されているエンジンを指します。大きなターボが1つ付いているより、小さいターボが2つ付いている方が効率が良いためです。

排気ガスの少ない低回転域ではシングルターボの場合、タービンを回すための十分な排気が得られません。しかし、小さいターボを2つにすることで、少ない排気ガスでもタービンが回り、低回転域でもターボの特性を生かすことが可能です。

風車(かざぐるま)に息を吹きかけるのを想像してみてください。風車を勢いよく回すためには大きい風車よりも小さい風車の方がよく回ります。ツインターボはこの原理を利用しているというわけです。

これによりターボの欠点であるターボラグを改善しています。

ターボラグとは?

ターボチャージャーが加速する際に発生する動作の遅延のことです。 ターボチャージャーとは、「タービン」と「コンプレッサー」の回転によって空気を圧縮してエンジンへ送り込む装置です。その際、エンジンが低回転だと排気ガスの量が少ないため、タービンの回転数も少なくなってしまい、ターボラグという動作遅延が発生します。

大きさの違うターボを2つ搭載している「シーケンシャルツインターボ」

ツインターボには大きさの違う2つのターボを搭載している場合もあります。これを「シーケンシャルツインターボ」といいます。

小さいターボは低回転域用、大きいターボは高回転域用と使い分けが可能です。小さい方のタービンを「プライマリータービン」、大きい方のタービンを「セカンダリータービン」といいます。

この構造の理由はやはりターボラグの改善で、低回転域でもしっかりトルクを得ることを目的としています。

「ツインターボ」は排気量の小さいエンジンには採用されない?

昨今の流行であるダウンサイジングターボはツインターボではなく、シングルターボです。

小排気量でもツインターボにした方が効率が良いと思われるかもしれませんが、ツインターボにもデメリットが存在します。

【デメリット】
・部品点数が多いためコストが高い
・ターボが2つになるので重量も増す

この2点は軽量・コンパクト・低価格を売りとしている車にとっては欠点です。最近は技術の発展に伴い低回転域でもターボの特性を生かせるようになってきているため、小排気量のコンパクトカーにはシングルターボの方が理に適っています。

中排気量の車に多い「ツインスクロールターボ」

Turbocharger
Quentin Schwinn (NASA) パブリック・ドメイン
出典 : https://ja.wikipedia.org/

「ツインターボ」とよく間違えられる仕組みが「ツインスクロールターボ」。ツインターボはターボを2つ搭載しているのに対してツインスクロールターボはシングルターボになります。

ツインスクロールターボは、タービンへ排気ガスを送る流路が2つに分かれている構造です。低回転域では1つの流路を使い、高回転域では2つの流路を使用します。

これにより低回転域でもしっかり排気ガスをタービンへ送ることができ、高回転時でも排気干渉を防ぐことが可能です。

ツインターボとシングルターボどちらが優れてる?

ツインターボエンジンとして有名な日産GT-R

日産 GT-R 14年モデル

1.5L以下の小排気量エンジンであればシングルターボでも充分ですし、1.5Lから2.5Lのある程度のスポーツ性が求められる車ならば、ツインターボよりもツインスクロールターボの方が効率が良いです。

3.0Lを超えるような大きいエンジンの場合、シングルターボは逆に効率が悪くなってしまうのでツインターボの採用例が多くなります。

ツインターボとシングルターボはどちらが優れているということはありません。メリットが多くデメリットの少ない、つまりそれぞれの特性を最大限に発揮できるエンジンと組み合わされるようになっているのです。

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MOBY編集部
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新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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