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チタンマフラーはなぜ人気?メリット・デメリットや磨きのお手入れ方法を解説

チタンマフラーを装着するメリット

腐食に強くて錆びにくい

チタンマフラーのメリットの1つは腐食に強く、よほどのことがない限り錆びないことです。マフラーが錆びにくいことのメリットとして次の3つが期待されます。

その1:綺麗な見た目を維持できる

まず1つは見た目が綺麗だということです。車種によりけりですが、価格帯の安い車種のマフラーはスチールのものが多く、よく見てみると結構錆びていることがあります。これはサイレンサー部だけでなく、センターパイプも然りです。

チタンマフラーは優れた耐食性を備えているのでスチールマフラーのように錆びることはまず考えられませんし、錆びないことで綺麗な見栄えを保つことができます。

その2:錆による排気漏れトラブルに遭いにくい

次に、マフラーの排気漏れトラブルに遭いにくいことです。

錆びた部分からマフラーに穴が空くと、そこから排気ガスが漏れてしまいます。排気漏れの状態の車両を車検に通すことはできないのでその際には修理あるいは交換が必須となるわけですが、チタンマフラーはよほどのことがなければ錆びないので、その心配はなくなるわけです。

何かしらの外的要因によってマフラーそのものに穴が開く可能性はあるので絶対に穴が開かないとは言い切れませんが、車検のたびに腐食被害に頭を悩ませる心配がなくなるのはオーナーにとって良いことではないでしょうか。

その3:キレイに保てて満足度が高い

車いじりが好きな人や、自分でいじることはないけれど下から車を眺めるのが好きな人にとって、下回りを綺麗に保つことは満足度を得るための重要ファクターの1つです。

マフラーに錆がなければ気分は良いですし、自分で整備している人であればやる気も出てきます。

軽量性に優れる

チタンマフラーの2つ目のメリットは軽量性に優れることです。チタンの比重は先にも紹介したとおり約4.5となっていて、これは鉄の約7.8よりも軽いことがわかります(実に約57%)

理論上、この軽くなったぶんだけパワーウェイトレシオに反映されますので、より良い加速につながるほか、燃費の向上も期待されます。

ちなみに、ステンレス製マフラーに採用されている定番素材はSUS304というものですが、これの比重は約7.9で実は鉄より重たいです。

チタン独特の焼き色の濃淡を堪能できる

3つ目のメリットはチタン独自のグラデーション(焼き色)がある点です。この発生要因は酸化皮膜にあります。

酸化皮膜とはチタンが酸素と結合することで生じる皮膜です。酸化皮膜が発生した状態は不動態とも呼ばれています。チタンが錆びにくい理由も、酸化皮膜が形成されることにあります。

チタンマフラーは熱が入るとまるで虹色のようなグラデーションが生じます。これがチタンマフラーの代名詞のようなもので、これを生み出しているのが酸化皮膜というわけです。

このグラデーションはスチールマフラーやステンレスマフラーでは決してみることのできないものとなっています。つまりチタンマフラーは観賞用にも打って付けというわけです。

ちなみに、ステンレスマフラーのテール部をチタンの焼き色グラデーションのように見える特殊コーティングがされているものもあります。

排気音が変化する

4つ目のメリットは排気音が変化することです。装着されるマフラーはそれぞれ独自の排気音(エキゾーストサウンド)を生み出します。これは各マフラーの構造によるものが大きいです。

チタンマフラーそのものがスポーツ要素を強く兼ね備えたものということもあり、排気音はスポーツ性やかっこよさ(=満足感)を感じさせるものが多いのも事実です。

チタンマフラーの排気音をグラデーションと合わせることでより一層、チタンマフラーの「良さ」を感じることができるでしょう。

チタンマフラーのデメリット

上記のようにチタンマフラーにはメリットや魅力が多数ありますが、デメリットとも解釈できる要素があります。

ほとんど社外品で価格は純正マフラーより高い

1つ目は、チタンマフラーのほとんどは社外品で、なおかつ純正マフラーよりも価格が高いことです。これは排気系パーツの社外メーカーのラインナップを見れば明らかです。チタンを加工作業が難しく手間のかかるものであること、そしてチタンそのものが高価な素材であることなどが理由に挙げられます。

車高の低い車両ではより気を遣う

©fabrus/stock.adobe.com

2つ目のデメリットは車高の低い車両に装着するとより気を遣わざるを得なくなることです。

車高の低い車両は純正車高と比べる路面とのクリアランスが狭くなるため、段差のある道路や傾斜のあるところ(例えばショッピングモールの階層駐車場や車道と歩道の段差)ではバンパーや排気系パーツなどを地面に擦りやすくなります。

人によっては性能変化を感じにくい

3つ目のデメリットは、人によって性能変化を感じにくいことです。排気効率や重量が純正マフラーよりも向上して軽くなるので運動性能に変化が起こるのは確かですが、ハイグリップタイヤや車高調を装着したときのように変化を強く感じることは難しいでしょう。

純正マフラーのときと比べてエンジン回転数の上がりが速くなったり、音がスポーティーになったりなどはよく聞くインプレッションです。コンマ数秒を競うモータースポーツの場面では結果に影響しますが、日本国内の法定速度内で運転している分ではチタンマフラーの恩恵を感じにくいかもしれません。

排気音が大きく(うるさく)なる可能性あり

4つ目のデメリットは排気音が大きくなる可能性があることです。音を楽しむには申し分ありませんが、排気音が車内により聞こえるようになれば車内での会話や安眠の妨げになることは明らかでしょう。

乗員からクレームが出るぶんにはかわいいものですが、排気音が原因となって近隣住民から苦情がくる事例も発生しています。これはチタンマフラーに限った話ではないので、誰しもが注意すべき事案とも言えるでしょう。

チタンマフラーの価格帯

©Yoshiyuki/stock.adobe.com

チタンマフラーの価格帯は、フルチタンマフラーで18万円以上がベース価格になるかと思われます。車種によりけりで、これより安いものも、さらにはこれ以上に高いものもあります。

参考程度にステンレスマフラーの価格帯を調べてみると、コンパクトカークラスで7万円前後であったり、86/BRZ向けの製品で14万円前後だったりと、当然ですが車種によって価格帯が変化します。

いずれにせよ、チタンマフラーの価格帯はステンレスマフラーよりも高価になりやすいので、高級品であることに変わりありません。

チタンマフラーをいつ購入するべき?

すでに紹介したようにチタンは高価な素材の1つです。

さまざまな素材の相場を見ていると、ここ数年で値上がり傾向にあります。狙っていたチタンマフラーを購入しようと思った時には現在価格よりも高くなっていたり、納期が長くなったり未定になるといった事態が絶対に起きないとも言い切れません(在庫を置くモデルと受注生産のモデルがあります)。

将来的にチタンマフラーを装着したいと考えていたり、まさに今購入するかどうか悩んでいて、購入するための予算を確保できているのであれば、購入(発注)しておいて損はないでしょう。

チタンマフラーのお手入れ方法

©New Africa/stock.adobe.com

高いお金を払ってチタンマフラーを購入するわけですから、せっかくならきれいに大事に使いたいところです。チタンマフラーの手入れをする場合、次の要点を押さえておきましょう。

  • 基本は水洗いで十分
  • 油の付着があればパーツクリーナーできれいにする
  • 必要(汚れ具合)に応じて研磨する

吸排気のチューニングは非常に奥が深く、さらには実際にその変化を感じ取れるかどうかはドライバーの感覚・感性が大きく影響します。

性能を追求するのであれば、チタンマフラーだけでなくエキゾーストパイプやセンターパイプ、エアクリーナーなどいろいろとまとめてやってしまうのも良いですし、スポーティーな排気音と高級感のある見た目を堪能するのもアリです。自分に合った吸排気チューニング&カスタムを楽しみましょう。

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執筆者プロフィール
中華鍋振る人
中華鍋振る人
自動車とバイクに関連する記事を書いています。モータースポーツは観戦よりも参戦派。道交法や違反に関する情報を、法律に詳しくない人にもわかりやすく解説しています。
監修者プロフィール
鈴木 ケンイチ
鈴木 ケンイチ
1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレー...

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