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NOS(ニトロ)とは?映画ワイルドスピードで出てくるニトロエンジンとは何?
目次
ワイスピでお馴染みのニトロエンジン

世界中の車ファンから大人気の映画「ワイルドスピード・シリーズ」。その人気は留まるところを知らず、これまでに公開された7作に加えて10作まで制作することを決定しています。
そんな車ファン必見の「ワイルドスピード」といえば、ゼロヨンと呼ばれるドラッグレースでお馴染みですね。
ヴィン・ディーゼルが演じるドミニクと今は亡きポール・ウォーカーが演じるブライアンの出会いもこのドラッグレースがきっかけでした。
その短時間のレースの中で例のごとく登場するのが、ニトロタンクを積んだレースカー。バルブのレバーをひとひねりするだけで、俊足のごとく、車体が爆速します。
このニトロとは一体何なのでしょうか?また、通常の車にも搭載できるシステムなのでしょうか?
ニトロ(NOS)って何?

ニトロとは「ナイトラス・オキサイド・システム」の俗称で一般的には「NOS」と略されます。化学式では「N2O(亜酸化窒素)」となり、麻酔成分のガスと同じです。このガスを使うだけで、映画のような強烈なパワーを得ることができるなんてなんだか不思議ですね。
ニトロと聞くとニトログリセリンやニトロメタンなどの引火するだけで大爆発を起こす物質を想像しがちですが、それはよくある間違いです。エンジンチューンに使われる亜酸化窒素は爆発の危険性はありません。
映画でよく出てくる、ニトロ(NOS)システムを搭載した車がクラッシュし、爆発するというシーンは演出のようです。
ニトロエンジンの仕組みは?
ニトロエンジンはなにもニトロ(N2O)というガスを燃料にしている訳ではありません。燃料は普通の車と何も変わらないガソリンです。このニトロガスをエンジン内部に噴射することであの強烈な加速力が得られます。
ニトロガスの成分の約3割は実は空気中にも存在する酸素です。しかし、空気中の酸素濃度は約2割と少なくニトロガスには1.5倍に相当する酸素が含まれていることになります。
これをエンジン内部に噴射してあげると、エンジンは一種の過給状態になります。
ニトロ(NOS)の原理はターボと同じ?

大量の酸素をシリンダー内に送り込むという意味ではニトロとターボは原理的には同じと言えます。ターボエンジンは圧縮した空気を強制的に取り入れ、より大きな爆発を行うことで、本来の排気量よりも大きなパワーを得ることができます。
しかし、ターボの場合、圧縮した空気を冷却するインタークーラーが装備されていますね。ところが、ニトロにはそのような冷却システムはありません。ニトロはガスそのものが、気化時にマイナス60度となり大量の熱を奪うため、インタークーラーは不要なのです。構造的にも理に適ったシステムと言えますね。
このニトロチューン、日本ではあまり見られませんが、本家のアメリカでは割とメジャーなチューニング方法なのです。
ニトロエンジンのパワーはどれくらい?コストは?

ノーマル比を大幅に上回るパワー
尋常でないパワーが得られることは映画の演出からもなんとなく分かりますが、そのパワーはどれほどのものなのでしょうか?
ニトロを搭載した車はノーマルエンジンの車両と比較して最大で200%のパワーを得ることができます。
カスタム費用は?
ニトロのカスタムキットは5~6万円と割と安価な価格で手に入れることができます。
しかし、日本では施行例が少なく、ショップに依頼する場合は安くて20万円、高く見積もって100万円ほどとなるようです。ニトロチューンによる出力アップは50~80馬力と言われており、安価に施工ができれば、費用対効果はかなり高いカスタムとされています。
しかし、タンクにニトロガスを充填させるには2万円ほどかかり、連続使用していればあっという間に空っぽになってしまいます。そう考えるとあまりランニングコストの良いカスタムとも言えませんね。
ニトロチューンのメリットとデメリット

ニトロチューンのメリットとして挙げられるのが、乗せ換えが容易なことです。他のエンジンチューンとは違い、エンジン周辺パーツには手を加えないので、取り外してしまえば、標準の状態に戻すことができます。
また、ニトロタンクは多くの車に搭載可能ですが、ニトロガスを使用しているときは車体に大きな負荷がかかります。そのため、スポーツ走行に適していない車ではエンジンや足回りにとって大きな負担となります。
よって、車体に大きな負荷をかけるという点がニトロチューンのデメリットと言えます。
ニトロチューンのパーツや、搭載する車種にもよりますが、場合によっては強化パーツの装着も必要ということになります。
憧れのカスタム、ニトロチューン

ニトロエンジンについてご説明してきましたがいかがでしたか?ワイルドスピードのワンシーンのようなに、怒涛の加速力一度は味わってみたいという人も多いのではないでしょうか?
ただし、公道を走るときは交通ルールを順守することも忘れないでくださいね。
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