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スポーツカーを殺す規制?新しい騒音規制「R51-03」とは
年々厳しくなる騒音規制
お買い物や旅行など普段の生活にあるととても役立つ自動車ですが、騒音の原因にもなっているという一面もあります。
昔に比べると今の自動車は静かになったと言われていて、実際に昔のファミリーカーよりも今のスポーツカーのほうが静かに感じることもあるのではないでしょうか。
これは、車から発する騒音を少しでも減らすためにかけられている「騒音規制」に対応した車作りをメーカーがおこなっているからです。1975年に「自動車騒音の大きさの許容限度」が制定されてから、自動車の進化(出力性能の向上)にあわせて騒音規制の見直しが続けられています。
国際基準「R51-03」にあわせた騒音規制
現在、2016年10月から発売される車から適用されるようになったのが、国際基準である「UN Regulation No.51 03 Series」に沿った「R51-03」と呼ばれている規制です。
「フェーズ1」から始まり現在は「フェーズ2」を適用しているR51-03規制ですが、2022年から適用される「フェーズ3」は非常に厳しい規制となっています。
2022年から始まる「フェーズ3」はエンジン車ではクリアできない?
2020年秋から発売されている新型車に対して適用されるR51-03の「フェーズ2」で規制される騒音レベルは、一般的な乗用車の場合で最大70~74dBとなっています。音が大きい掃除機と同じくらいなので、人によってはうるさいと感じるでしょう。
そして2022年から適用されるR51-03の「フェーズ3」は68~72dBとなります。たったの2dBだけ?と思うかもしれませんが、dBの計算は複雑になっており、2dB違うと大きく変わります。家電で例えると洗濯機が同じくらいとなります。
洗濯機と掃除機で音の種類は違いますが、洗濯機のほうがあきらかに音は小さいですよね。
この2dBの差はとても厳しく、R51-03のフェーズ2にはなんとか対応できたという車種も、R51-03のフェーズ3には対応できない可能性があります。
スポーツカーを買うなら今しかない?
R51-03のフェーズ3に対応するにはEV化が不可欠とも言われていて、実際に多くのメーカーで主力車種のEV化やハイブリッド化がおこなわれています。モーターで走行すれば、エンジン音や排気音を抑えられるからです。
しかし、車から出る音はエンジン音や排気音だけでなく、タイヤからも発生しています。
幅が広く溝が少ないスポーツカー向けのタイヤは、音が大きくなってしまいがちです。ただでさえエンジン音や排気音が大きめなので、R51-03のフェーズ3に対応できる車種は限られてしまうと予想されています。
規制で消えていくスポーツカーたち…
実際に、ホンダが発売するミッドシップレイアウトの軽スポーツカー「S660」は様々な規制に対応することが難しいため生産が終了となることも発表されました。生産開始から10年以上経過した日産 GT-Rも危ういと言われています。
過去には「排ガス規制」という規制も存在しており、この排ガス規制でも多くのスポーツカーが生産を終了しています。2022年から適用開始となるR51-03のフェーズ3も、多くのスポーツカーを「絶滅」させる規制となるのでしょうか。
- 最新「S660」中古車情報
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本日の在庫数 589台 平均価格 232万円 支払総額 109~440万円
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部 高山 志郎
- 平成元年生まれ、東京都出身。学生時代にモータースポーツ活動を開始し、大小さまざまな耐久レースへ参戦。優勝の経験も持つ。エンジニアとして複数の業界を渡りながら趣味で車やバイクに触れ続け、縁あって自動...