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アイドリングストップは節約になる?ならない?メリットやデメリット、キャンセル方法とは

アイドリングストップしないのは故障?

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車が停止したのにアイドリングストップしない、インフォメーションディスプレイに「アイドリングストップできません」と表示されるなど、アイドリングストップ機能が作動しない場合もあります。

結論から言えば、各メーカーが設定しているアイドリングストップ作動条件はかなり細かいため、ほとんどが故障ではないといってよいでしょう。

アイドリングストップが作動しない例

  • ECOモードなどの低燃費走行モードがOFFになっている
  • バッテリーの充電量が少ない
  • バッテリーの内部温度が低すぎる
  • CVTフルードの温度が低すぎる、または高すぎる
  • シフトレバーがDレンジ以外に入っている
  • エンジン始動後、5km/hに達しないまま停車した
  • 急な坂道で停車した
  • 外気温が-20℃以下または40℃以上で、エアコンを使用している
  • エアコンの設定温度がHiまたはLoで、エアコンを使用している

※ホンダ車のアイドリングストップしない条件を参考にしています。メーカーや車によって異なる場合があります。

なかでも「アイドリングストップするとエアコンが止まってしまって暑い/寒い」という欠点を補うために、最近のアイドリングストップ車は条件によってはアイドリングを続行し、エアコンを優先させるように働くことが多いです。

暑さ・寒さに合わせてアイドリングストップよりエアコンが優先される

「外気温が-20℃以下または40℃以上」「エアコンの設定温度がHiまたはLo」といった、暑すぎ・寒すぎるために早く車内を冷やしたい・暖めたいという状況においては、アイドリングストップが機能しないことがあります。

条件はメーカーや車によって異なるため、取扱説明書を確認してみることをおすすめします。

外気温と冷却水の温度が低い=寒い日はアイドリングストップしない

外気温が低い冬はバッテリーやエンジンへの負担が大きくなるため、さらに負担を大きくするアイドリングストップ機能が作動しない場合があります。「あれ?」と思ったら、水温計の表示なども確認してみましょう。

エアコンと同様に、燃費や環境性能よりも乗員の体調や車の基本動作が優先される状況においては、アイドリングストップしないといえます。

アイドリングストップは燃料の節約になる?ならない?

アイドリングストップは、エンジンの停止時間が5秒以下だと、かえって燃料を消費してしまうと言われています。

エンジン始動時にはエンジン点火のために高圧な燃料噴射が行われるため、通常の運転時より多く燃料を消費します。

このことから、5秒以下のアイドリングストップでは節約よりも再始動時の燃料消費量が上回ってしまうおそれがあるのです。

アイドリングストップをキャンセルするには?

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アイドリングストップキャンセルスイッチをONにする

ほとんどの車にはアイドリングストップのキャンセルスイッチが付いており、それをOFFにすればアイドリングストップをキャンセルできます。

ただし、キャンセルスイッチはエンジンを停止するごとにリセットされるので、買い物や用事で車を離れるたびに再度キャンセルスイッチをOFFにし直さなければなりません。

急いでいる時などは忘れてしまうことが多く、信号待ちでアイドリングストップがかかって思い出したという場面もしばしばあります。

アイドリングストップキャンセラーを取付ける

市販のアイドリングストップキャンセラーをつけることにより、アイドリングストップを常時キャンセルすることができます。

アイドリングストップキャンセラーを付けても車検で問題になることはありませんが、取り付けには専門的な知識が必要です。

工賃はかかりますが、カーショップや整備屋さんで付けてもらった方が安全といえるでしょう。

ただし、メーカー純正の仕様でなくなるため、売却時にはマイナス査定の対象になる可能性があることには留意しましょう。

アイドリングストップキャンセラーのおすすめ3選

アイストキャンセラー

汎用型のアイドリングストップキャンセラーで、動作確認車種一覧に載っている多くの車種に取り付けることができます。

制御方法がプラスコントロール、マイナスコントロールで商品が違いますので、事前に車種一覧で確認してから購入しましょう。簡単操作でノーマル状態に戻すことができます。

アイストキャンセラー動作確認車種一覧表

ワントップ アイドリングストップキャンセラー

アイドリングストップのキャンセルスイッチがついている車に取り付けすることができる汎用型のアイドリングストップキャンセラーです。

取り付け方法は、専用のサイトで案内されています。一部の車種については配線が細すぎるため、ハンダ付けや圧着端子の使用が必要なケースもあります。

iストップメモリーユニット

iストップメモリーユニットはアイドリングストップスイッチの状態が記憶されて、次にエンジンをかけた時にも前と同じ状態を復元します。

スイッチで運転中にアイドリングストップをON/OFFしたり、このユニットを動作停止させることもできます。リンクはスバル レヴォーグ用ですが、車種ごとに商品がラインナップされています。

アイドリングストップはいらない?廃止される可能性は?

トヨタ ヤリス

2020年2月に発売されたトヨタ新型ヤリス(旧名ヴィッツ)。アイドリングストップ機能が搭載されていないことでも少々話題になった車です。

もちろんこれは、ヤリスが低燃費路線を外れたというわけではなく、「アイドリングストップなしでもライバル車にじゅうぶん対抗できる環境性能」とトヨタが判断したためといえるでしょう。

アイドリングストップは前述の通りデメリットもあるため、快適性や利便性、コスト面などを総合的に考えると、ユーザーとメーカー、双方にとっても燃費性能のみでは”元が取れている”とは言えないのかもしれません。

トヨタはTNGAプラットフォームの採用で、開発・製造のコストダウンを図っています。TNGAにおいては低燃費性も重視されているため、今後もコスト、環境性能、ユーザビリティのバランスを取った車づくりがなされていくものと思われます。

しかし、これは「トヨタの方針」であって、他メーカーや自動車業界がアイドリングストップ廃止に向かうとは、一概には言えないでしょう。

最新「ヤリス」中古車情報
本日の在庫数 1266台
平均価格 175万円
支払総額 99~298万円

アイドリングストップ機能搭載車が増えた理由は?

アイドリングストップは車の燃費を少しでもよくするための機能です。「エンジンが再始動する際の音や振動が気になる」「エアコンが弱まる」など、使用感でのデメリットがあるにも関わらずアイドリングストップ機能搭載車が増えたのは、現在の市場やユーザーでは環境性能を重要視する車が支持され、売れるからといえます。

アイドリングストップ車が登場し、主流になったきっかけのひとつが、2009年に始まったエコカー減税です。その流れを汲み、燃費のいい車が当たり前になった昨今、メーカーはその数値を少しでもよくするために、やれることは全てやるスタンスを取っているということでしょう。

とはいえ、車の実燃費はアイドリングストップの頻度や長さだけでなく、アクセルの踏みこみや加速頻度など、その他の要因にも影響されるものです。

アイドリングストップを一時的にキャンセルしただけでは、燃費や消費燃料量が劇的に変わるわけではないと考えてよいでしょう。

アイドリングストップ完全廃止はすぐには無さそう

デメリットや盲点があると言っても、カタログ燃費向上やメーカーの環境への配慮といった点においては、アイドリングストップが必要不可欠な自動車メーカーがほとんど、というのが現状でしょう。

トヨタのようにアイドリングストップを廃止しても低燃費性を担保できるメーカーが登場する可能性がありますが、すぐに全てのガソリン車、ハイブリッド車からアイドリングストップ機能が廃止されるということはなさそうです。

EVが主流になれば”アイドリング”自体がなくなる

日産 アリアやホンダ e、マツダ MX-30など、日本車メーカーからも量産型EVが登場し始めました。当然、EVはエンジンを搭載していないので、アイドリングストップ機能は不要です。EVが普及すれば「アイドリングストップ、いる?いらない?」論争も下火になるでしょう。

しかし、アイドリングストップでもエアコンが止まらない=エンジンの動き・有無に関わらずエアコンが利用できることは、EVには必要不可欠な要素です

この装備に関してはすでに、トヨタにのほとんどのハイブリッド車に「電動コンプレッサー付きエアコン」として採用されています。家庭用エアコンと同じようにモーターがコンプレッサーを回すため、アイドリングストップの影響を受けずに利用できるのです。

ただし、電動コンプレッサー付きエアコンは、アイドリングストップ機能つきの非ハイブリッド車では、電力が賄えないため搭載できません。

通常のコンプレッサーより高コストになるとはいっても、今後ニーズが高まり量産されるようになれば、より多くのハイブリッド車やEVに低費用で搭載されるようになるでしょう。

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執筆者プロフィール
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新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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