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アイドリングストップは節約になる?ならない?メリットやデメリット、キャンセル方法とは
目次
アイドリングストップとは?
アイドリングストップは自動車が停止したことを感知すると、自動的にエンジンが停止する仕組みです。ブレーキが強く踏まれるとエンジンを停止させるタイプが多く、ブレーキを緩めたり、ステアリングを操作したりすると、エンジンがかかります。
アイドリングストップでエンジンを停止させることで、その間の排気ガスの排出がカットされるため、地球温暖化の対策として各自動車メーカーが採用しています。
また、燃料の消費が抑えられるため、燃費性能向上の機能のひとつとしても採用されています。
アイドリングストップのメリット
現在、多くの自動車に装備されているアイドリングストップのメリットは、エンジンの稼働を抑えることによる燃料消費の抑制と、排出ガスの削減です。
燃費がよくなる
アイドリングストップを行うことにより、信号などで停止したりする時に燃料を燃焼しなくなるので燃料消費量が減ります。一時停止時の燃料消費がなくなることで、車両運行時の燃費向上が期待できます。また、燃費の向上は燃料代の削減にもつながります。
排気ガスを少なくできる
アイドリングストップによりエンジンの稼働時間が減るために、排気ガスも削減されます。
車の排気ガスには、地球温暖化の原因の一つである二酸化炭素や、一酸化炭素や窒素化合物などの有害物質、大気汚染の元凶の一つであるPMなどが含まれています。
騒音を抑えられる
信号などの特定の場所は、車のアイドリングなどの騒音が問題になっていますが、アイドリングストップでエンジンが停止することで騒音の軽減につながります。
アイドリングストップのデメリット
エアコンが停止する
アイドリングがストップするとエンジン自体が停止するので、エンジン回転で駆動しているエアコンのコンプレッサーも止まってしまいます。送風モードが機能していても、コンプレッサーが停止すると冷風が出なくなるため、車内は熱くなってしまいます。
夏の炎天下、高速道路で渋滞につかまってしまった時に冷房が止まると、熱中症など人体への危険が及ぶ可能性があります。
また、厳寒期や梅雨時には、A/C機能がなしでは窓が曇ってしまうのも無視できない現象です。
そのため、基本的にアイドリングストップには次の機能が搭載されています。
- アイドリングストップした後も、状況に応じて車が自動的にエンジンをかける機能
- アイドリングストップを無効にするスイッチ
いずれもアイドリングストップが無効になるというもので、車内の冷房・暖房を優先したい場合は都度対応することができます。
また、このような欠点を補うために、最近のアイドリングストップ車は条件によってはアイドリングを続行し、エアコンを優先させるように働くことが多いです。
さらに、ハイブリッド車の中にはアイドリングストップしても止まらないエアコンを採用する車種もあります。
バッテリーの消耗が早くなる
アイドリングストップは、エンジンが始動するたびセルモーターを動かす必要があります。大電流が引き出されるため、バッテリーに負荷がかかります。
また、アイドリングストップ時に止められない電装品もあるため、アイドリングストップ搭載車のバッテリー寿命は非搭載車に比べて短くなる傾向にあると言われています。
各メーカーの保証するアイドリングストップ車用バッテリー寿命の目安は、18ヶ月または3万kmです(通常車用は3年または5万km)。
よって、基本的にはアイドリングストップ車は「アイドリングストップ車専用バッテリー」を搭載しています。ハイブリッド車、非ハイブリッド車問わず、アイドリングストップ機能が付いている車は専用バッテリーを選びましょう。
アイドリングストップ車用バッテリーについて詳しくはこちら
アイドリングストップを“ウザい”と感じる人も
便利なアイドリングストップですが、エアコンを常時稼働させたい時や渋滞などで頻繁にストップ・アンド・ゴーを繰り返す環境ではかえってわずらわしさを感じるものです。
また、停止と再スタートを繰り返す渋滞時には、頻繁にオンオフされるアイドリングストップがイライラの原因にもなります。
アイドリングストップは、走行している最中にエンジンを止めるため、再始動まで1秒かからなくても、運転している人に違和感を感じさせます。車を運転するのが好きな人にとっては、この振動やタイムラグはかなり不快に感じられるでしょう。
もっとも最近の車では改良が進み、低速時は作動させないなど、アイドリングストップの作動条件もより実情に応じたきめ細やかなものになってきています。かつてに比べれば邪魔と感じる場面も減ってきているでしょう。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...