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エンジンオイルの粘度を上げる・下げるとどうなる?粘度を変えずに燃費をよくするには
目次
エンジンオイルの種類と粘度指数
エンジンオイルは、規格(グレード)と粘度によって用途や種類を定めることができます。なかでも、オイルの硬さを示す「粘度指数」を見ることで、寒冷地仕様車やエコカーなどに合わせたオイルを選ぶことができます。
API規格のエンジンオイルの場合、オイルの種類は「5W-40 SN」などと表されます。このとき、粘度を表すのは「5W-40」の部分です。
「●W」は低温時の粘度指数
0W | 5W | 10W | 15W | 20W |
「W」は「Winter(冬)」の頭文字。その前の数字が小さいほど、粘度が低くサラサラしたオイルです。粘度が低いオイルは低温でも固まりにくいため、寒冷地で使用される車に向いています。
また、低粘度のオイルは燃費向上にも貢献します。
「-◯◯」は高温時の粘度指数
20 | 30 | 40 | 50 | 60 |
後半の数字が大きいほど、粘度が高くドロっとしたオイルです。粘度が高いオイルは高温時でもしっかりエンジンを保護してくれるため、高回転まで回すことが多い車に向いています。
高粘度のオイルはエンジンの静粛性を求める人にもおすすめです。
エンジンオイルの粘度を変えてもいい?
エンジンオイルの粘度を変える際の注意点
エンジンオイル交換時であれば、古いオイルとは異なる種類・銘柄のエンジンオイルを使用しても問題はありません。このとき、粘度が異なるオイルを選択しても原則OKです。
また、未使用のエンジンオイルの場合、規格(グレード)の異なるオイルを混ぜても問題ありませんが、粘度が異なるオイルは未使用同士であっても混ぜないようにしましょう。
粘度が異なるオイルを混ぜると、添加剤のバランスが崩れ、オイルの性能が十分に発揮されない恐れがあります。
エンジンオイルの粘度を下げるとどうなる?
寒くてもエンジン始動がスムーズに
エンジンオイルの低温時の粘度を下げると、外気温が低くてもエンジンの始動がスムーズになり、エンジンへの負荷が小さくなります。北海道や東北など、寒冷地の冬季は、低粘度のエンジンオイルに交換すると安心です。
寒冷地のほか、小排気量車やハイブリッドカーなどのエコカーも、高温でも低粘度のオイルに変えると燃費がよくなることがあります。取り扱い説明書(オーナーズマニュアル)で、車に適したエンジンオイル粘度を確認してみましょう。
エンジンノイズや振動が気になるかも…
エンジンオイルの高温時の粘度を下げると、エンジンを高回転まで回したときの振動やノイズが大きくなると感じることがあります。これは、オイルがサラサラしているせいで、エンジンの保護性能が下がったためです。
高回転域をほとんど使用しないエコカーであれば低粘度のオイルでもじゅうぶんですが、スポーツ走行をする車には適さないといえます。
エンジンオイルの粘度を上げるとどうなる?
高回転でもエンジンを保護できる
エンジンオイルの高温時の粘度を上げると、エンジンの保護性能や静粛性が上がり、加減速や高回転時のエンジンへの負荷が小さくなります。
一般に、大排気量のターボ車やスポーツカーなどは、高温時の粘度が高いオイルが適しています。
外車(欧州車)でも、高粘度オイルの使用を指定している場合がありますので、取り扱い説明書(オーナーズマニュアル)で、エンジンオイル粘度を確認してみましょう。
燃費は悪くなると考えよう
エンジンオイルの高温時の粘度を上げると燃費が悪化してしまうため、エコカーなどには適さないといえます。
- 執筆者プロフィール
- 山北吏(つかさ)
- 1989年生まれ。現役整備士(整備士3級)webライター。webライター歴は1年半。愛車はインプレッサ(GH8)。車に乗るなら絶対MT!実家が田舎だったこともあり山道は得意!整備士として働き始め3年目。前職は輸入業...