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ドッカンターボの魅力とは?当時の定番・代表車たち
ドッカンターボの代表車
ポルシェ930ターボ(1975年)
当初自然吸気エンジン仕様がなかった2代目(930型)911ターボの初期名称で、1973年に登場したBMW 2002ターボとともに、初期の代表的な市販ターボ車とされる1台。
まだまだ未完成・熟成不足ながら、「ターボエンジンを定着させた」という意味では世界初で、以後の市販ポルシェ最強モデルが911ターボとなった先駆けです。
初期の3リッター水平対向6気筒ターボ日本仕様は排ガス規制対策もあって245馬力と、今から見れば控えめでしたが当時は十分パワフルで、ブースト圧は低くとも過給後の急激なトルクの立ち上がりから、ドッカンターボのポルシェとして知られています。
5代目日産 セドリックターボブロアム(430型・1980年)
5代目スカイラインともども日産初、そして国産乗用車初のターボ車だったのが5代目430セドリックで、4ドアセダン/4ドアハードトップともに2リッター直列6気筒SOHCターボのL20ETを搭載。
最高出力こそ145馬力(グロス値、ネット値では120馬力程度)と控えめでしたが、最大トルク21.0kgf・mを3,200回転で発揮。
ベースのL20Eエンジンでは130馬力、最大トルクは17.5kgf・mを4,400回転で発揮というスペックでしたから、低回転から大排気量車並のトルクを発揮する「環境対策車」という名目でしたが、実際はブーストがかかると燃料計の針が目に見えて下がるガス食い車でした。
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本日の在庫数 169台 平均価格 157万円 支払総額 40~499万円
6代目日産 スカイライン2000RSターボ(R30・1983年)
4代目KPGC110スカイラインGT-R以来の復活となるDOHCエンジン、FJ20E(DOHC4気筒16バルブ)を積んで1981年にデビューしたスカイラインRSをターボ化したもので、1984年にはインタークーラーも追加した通称「ターボC」も追加。
1960年からセドリックなどに使われた古いH20エンジンを基礎としているため基本設計が古く、ターボ化に際してもドッカンターボ化は避けられませんでしたが、それゆえ刺激的なモデルとして今もなお人気があります。
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本日の在庫数 1469台 平均価格 425万円 支払総額 30~8,252万円
初代ホンダ シティターボII「ブルドック」(1983年)
1981年に登場したホンダの元祖トールボーイコンパクト、初代シティへ1982年にターボ追加、続いて1983年に登場したのが「ターボII」で、ターボへのインタークーラー追加で膨らんだボンネットバルジ、ブリスターフェンダーでワイドトレッド化された姿は迫力満点。
110馬力にパワーアップしたターボエンジンは、3,000回転以下でアクセル全開にするとブースト圧が10秒間のみ10%アップする「スクランブルブースト」機能つき。
当時まだハンドリングにクセのあったFF車だった事もあり、フルブーストで暴れるマシンを抑えつける腕が必要なジャジャ馬ドッカンターボでした。
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本日の在庫数 19台 平均価格 153万円 支払総額 87~290万円
初代日産 シーマ(Y31・1988年)
セドリック/グロリアの上級モデルとして登場、それまでアメリカンスタイルから発展してきた国産高級車としては異質なイタリアンルックに、上級グレードは過激な3リッターV型6気筒DOHCターボVG30DETを搭載して、「シーマ現象」とも呼ばれた大ヒットを記録。
255馬力を発揮するターボ車はフルブーストで尻を下げ、リヤタイヤを路面に押し付けるように加速するという高級サルーンらしからぬドッカンターボぶりが、バブル景気でイケイケだった時代の日本では大いにウケたのです。
初代セルシオ用に開発した4リッターV8エンジンを、クラウンに先行搭載して対抗したエピソードなど、トヨタをひどく慌てさせた事でも有名。
ダイハツ ストーリアX4(1998年)
全日本ラリーや全日本ダートトライアルで、ミラX4がスズキ アルトワークスに惨敗した屈辱を晴らすべく、新型リッターカーのストーリアへ規則制限いっぱいの713ccターボエンジンを搭載した、モータースポーツベース車。
660cc4気筒DOHCターボのJB-JLをベースに、後にコペンなどへ搭載されるJB-DETの先行開発名目で作ったJC-DETは1.3リッター級エンジン用の大型ターボを組み、とにかくブースト命で高回転のパワーを稼ぐためだけの、市販車としては異常な車です。
後継のブーンX4は排気量が936ccに上がったフラットトルク型ターボだったので、ストーリアX4が国産最後の超ドッカンターボとなりました。
古きよきドッカンターボは、思い出の彼方へ
ドッカンターボはあくまで乗用車用ターボエンジン初期、「とにかくターボでドカンとやろう!」という技術的情熱、排ガス規制などでパワーを抑えられたうっぷんを晴らすべく、メーカーからユーザーまで一丸となった勢いの産物。
あるいは、他の全てをかなぐり捨ててでもライバルへ勝利したいという、メーカー直系ワークスチームの意地やプライドをかけた超ドッカンターボもありました。
2000年代に入ると、パワーより環境のため、そうでなくとも電子制御で乗りやすいまま大パワーを発揮し、従順になったターボ。
猛烈な加速Gの衝撃を手に汗握って抑えつけながら走ったドッカンターボの思い出は、もはや「青春の1ページ」になろうとしています。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...