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【簡単・格安】車の擦り傷をDIY修理する方法6つ!こすり傷やひっかき傷、凹みは直せる?

車の擦り傷消し剤の種類と特徴は?

©Onnada/stock.adobe.com

傷消し剤とは、特別な技術がなくとも簡単に傷の修理ができるように考案された商品です。複数の傷消し剤を組み合わせて使えば、小規模の傷や凹みなら自分で補修することで、業者に修理を依頼するよりも修理費用を抑えられます。

ただしあまりに大きな傷や凹みの修理は、業者に依頼した方がお得な場合もあります。DIYで補修するか、修理に出すかを判断するためにはどのような傷消し剤が存在し、どの程度の傷に使えるかを知っておきましょう。

コンパウンド

コンパウンドは塗装面を削って傷を消すためのアイテムであり、研磨剤とも呼ばれています。ペースト状や液状の製品があり、適量をクロスやスポンジに取って磨くことで小傷を消したり、研磨面を平滑に整えることができます。

また、コンパウンドにはサンドペーパーと同じく粒子の粗さによって番手が割り当てられており、キズの深さや出したい艶に応じた使い分けが必要です。

数字が小さいほど粒子が粗く、数字が大きいほど細かい粒子になっているため、小さい番手から大きい番手へと段階的に使い分けることで効率よく磨き上げられます。

タッチペン

タッチペンとは、ペン状の小さな容器に入った塗料です。少量で安価なうえ、車の塗装に合わせて調色されており、キャップ部に付属した刷毛で塗料を塗り込むだけで小傷を簡単に補修できます。

厚塗りもできるため、深い傷の補修も可能です。車種によって似た色がたくさん販売されているため、塗料を購入する際は事前にコーションプレートでカラーナンバーを確認しておきましょう。

スプレー

広範囲への塗装に適するのがスプレー塗料。薄く何度も塗り重ねることでキレイに塗り上げられるのがスプレー塗料の利点です。

タッチペンと同じく市販の塗料スプレーは車のボディカラーに合わせて調色されているため、購入してそのまま使用できます。

カラースプレーのほか、プライマーサーフェイサー(プラサフ)と呼ばれる塗料の定着性を高めるための下塗り塗料や塗料を周囲と馴染ませるぼかし剤、仕上げ用の透明スプレーなどもあります。

パテ

パテとは、サンドペーパーやコンパウンドでは平坦にできない凸凹を埋められる硬化性樹脂です。多くの製品が2液性で、適量の硬化剤を混ぜ合わせると時間経過とともに硬化が始まります。

硬化後の切削加工がしやすいためサンドペーパーやコンパウンドを使って平滑に処理できるのもパテを使う利点です。

樹脂製パテの種類には柔らかなペースト状のパテや、やや固く作業性に優れる粘土状パテ、広範囲への使用や厚塗りに適した軽量パテなどがあります。ホイールやマフラーの補修には、硬化すると金属並の硬さになる金属パテが適しています。

シール(カッティングシート)

補修というよりは傷隠しに便利なのが補修シールです。あらかじめ純正色に塗装されたボディカラーリペアフィルムなら、補修部を清掃した後に凹凸をならして貼り付けるだけで傷を目立たなくできます。

また、失敗しても剥がせる扱いやすも特徴です。

純正色の補修シール以外にもデザイン性に優れたパッチタイプや、金属調のアルミホイール用補修シールなども販売されています。

爪に引っ掛からないくらいの浅い傷

©tarou230/stock.adobe.com

爪に引っ掛からない程度の浅い傷は、ボディのクリア層にわずかな傷が付いているだけであるため傷周辺を洗浄した後にコンパウンドで磨くだけで簡単に補修できます。

ただし傷に対して過剰に粗いコンパウンドを使うと、余計なクリア層まで削り落としてしまうため、最初は傷が消せる最小限の番手を選びましょう。

粗めのコンパウンドで磨くとクリア層が乱雑に傷付くことによってボディが白く変色して見えますが、高い番手のコンパウンドで磨き上げることで傷は徐々に消えていきます。

3000番の細目で磨いたら次は7500番の極細で磨き、最後に仕上げ用の9800番というように段階的に番手を上げていきます。

番手を変えた際、ボディに残った粗いコンパウンドは傷の原因になってしまうため、確実に除去しましょう。また、使用するクロスやスポンジも交換もしくは洗浄が必要です。

爪に引っ掛かる浅い傷

©kasarp/stock.adobe.com

塗装に達しているもしくは、ボディの地金が見えているような爪が引っ掛かるような傷は、タッチアップやスプレーによる塗装作業が必要です。

傷周辺を洗浄したら、耐水サンドペーパーで傷周辺の凹凸やささくれを除去し、塗料の定着を妨げる油分を落とすためにシリコンオフで脱脂をしておきましょう。

タッチペンで補修する場合

洗浄と脱脂が終わったら、まずは塗料が傷からはみ出してもいいように、まずは傷に沿ってマスキングテープを貼りましょう。その後、タッチペンに付属するキャップの刷毛で傷を埋めるように塗り込みます。

ごく小さな傷は爪楊枝に塗料を取って塗布すると余計なはみ出しを防げます。いずれの方法でも、塗るというよりは点を打つように塗布していくのがキレイに仕上げるコツです。

よりキレイに仕上げたい場合は、塗布面が凸状になるように厚く塗ってから、耐水サンドペーパーとコンパウンドで仕上げる方法があります。

塗料が完全に乾いてから凸部を2000番程度の耐水サンドペーパーでならした後、コンパウンドで傷周辺を丁寧に磨き上げることで、タッチペンでもキレイに補修することができます。

スプレーで補修する場合

広い範囲の補修やそれほど深くない傷の補修にはスプレー塗装が有効です。

スプレーで厚塗りするのは難しいため、ボディ金属部が露出するような深い傷の場合は、塗装前に耐水サンドペーパーで凹凸を整えるか、パテで傷を埋める作業が必要になります。

また、スプレー塗装は塗料が広く飛び散るため、塗料がかかってもいいように、周辺の広範囲を新聞紙やビニールでマスキングしておきましょう。缶スプレーではなく、タッチペンをスプレーのように使える商品も販売されています。

作業工程は以下のとおりです。

1.脱脂

シリコンオフを塗布し、キレイな布などで拭き取って塗装面の油分を除去します。

2.ぼかし剤

カラー塗装をする直前に補修部周辺にぼかし剤を薄く吹き付けておきましょう。ぼかし剤が乾ききる前にカラー塗装をすると、塗料の馴染みをよくすることができます。

3.カラー塗装

ぼかし剤が乾く前に、スプレーの噴射口を塗布面から15cmから30cmほど離して塗布します。一度で塗ろうとせず、薄く何度も塗り重ねるのがキレイに塗装するコツです。

最低でも3回以上の重ね塗りで仕上げるようにしましょう。広い範囲を塗布する場合は、スプレーを平行に一定速度で動かすと色ムラが出づらくなります。

缶が冷えていると塗料の粒子が大きく色ムラになりがちであるため、寒い時期にはスプレー缶を20℃から30℃のぬるま湯につけて温めておくとよいでしょう。

気温が5℃を下回る場合は、キレイに塗装するのが難しくなるため塗装自体を避けるべきです。

4.クリア塗装

メタリックやパールのボディカラーの車は、クリア塗装をすることでより周囲の色味に近づけられます。塗料を吹き付けた範囲より広く、3回以上の重ね塗りで艶がでるまでクリア塗料を塗布しましょう。

5.ぼかし剤

塗装した部分と、塗装していない部分の境界付近全周にぼかし剤を薄く吹き付けると、色の微妙な違いをごまかすことができ、車全体の見栄えがよくなります。

6.コンパウンド

12時間から24時間放置し、塗料の完全に乾燥したら、仕上げに3000番以上のコンパウンドで塗装面を磨き上げれば補修完了です。

ボディの凹み傷

©rickdeacon/stock.adobe.com

ボディに付いたエクボのような挟範囲の凹み傷は、パテとスプレーを使って補修できます。補修前には凹みをできる限り戻しておきましょう。

凹みを戻すには、裏側からハンマーで叩き出すか、デントリペアツールで引っ張り出す方法があります。あまりに広く深い凹みの簡易修理は難しいため、板金塗装業者に依頼しましょう。

パテ盛りから下地処理の作業工程は以下のとおりです。

パテ盛り〜下地処理

1.塗装を剥がす

凹み周辺を150番程度の耐水サンドペーパーで削り、地金が完全に露出するまで塗装を除去します。パテの食い付きをよくするため、あえてザラザラに仕上げておきましょう。

2.脱脂

パテの定着を促すため、シリコンオフで脱脂します。

3.パテ盛り

パテと硬化剤をよく混ぜ、凹みに盛り付けます。パテは乾燥すると体積が減るため、周囲よりも盛り上がるように塗布しましょう。パテの乾燥時間は、薄塗りなら気温20℃で約1時間から2時間、厚塗りなら1日ほど放置します。

4.パテ研磨

パテの完全乾燥後、320番程度の耐水サンドペーパーを使ってパテ面をボディ面と平坦になるまで削ります。パテ面に気泡がある場合は、薄づけ用のパテで埋め、再度サンドペーパーで研磨します。最後は600番程度のサンドペーパーで平滑に仕上げましょう。

5.脱脂・マスキング

シリコンオフで脱脂後、飛び散った塗装が車に付着しないようにマスキングをします。

6.プラサフ

プライマーサーフェイサー(フラサフ)をパテとその周囲に吹き付けます。

7.プラサフ研磨

15分から1時間ほど放置してプラサフを乾燥させた後、1000番程度の耐水サンドペーパーでボディ面と補修部に段差がなくなるように研磨して下地が完成します。

8.塗装

補修部の脱脂後、「爪に引っ掛かる浅い傷」頁と同じようにカラースプレーで塗装します。

バンパーに付いてしまった傷

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バンパーに付いた傷も、傷の深さや範囲によって傷消し剤を使い分けることで補修できます。ごく浅い傷であればコンパウンドで磨くだけで十分です。飛び石や爪が引っかかるような傷にはタッチペンを使います。

大きく凹んでしまったバンパーでも、純正のようなウレタン製であれば、ドライヤーで温めながら叩き出すことで元に戻せます。残った凹凸はパテとスプレーで補修しましょう。

ドアミラーの傷

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ドアミラーもバンパーと同じく、傷消し剤を駆使することで補修できます。ただし、メッキのドアミラーだけは塗装で補修するのは困難です。

メッキ調のタッチペンも販売されているものの、通常色以上に色が合いづらいため、補修前よりもかえって目立ってしまう恐れがあります。

メッキのドアミラーカバーの補修や、補修に手間がかかるヒビ割れなどの損傷は、ドアミラーカバー自体を交換してしまったほうが安上がりになる場合があります。

また、ミラー面の傷補修も手作業では困難です。コンパウンドなどで磨くとかえって傷が目立ってしまい後方確認がしづらくなってしまいます。

ミラー面の修理は安全に関わる部分でもあるため、新品交換か専門業者に研磨を依頼しましょう。

アルミホイールの傷

©A-skyProduct/stock.adobe.com

アルミホイールの補修にも傷消し剤が使えます。塗装が剥がれた程度であればホイール用のタッチペンやスプレーで補修し、大きく削れた傷を埋める際は、樹脂パテではなく金属パテを使用しましょう。

アルミホイールリムのガリ傷の補修

1.マスキング

補修部周辺のタイヤとホイールをマスキングします。ホイールリムとタイヤビード間の溝もしっかりとマスキングしましょう。

2.傷の研磨修正

補修箇所の洗浄後、金属の棒ヤスリや150番程度の耐水サンドペーパーでバリやささくれを削り落とします。

3.脱脂

シリコンオフで補修部を脱脂をします。

4.パテ盛り・形成

アルミパテを盛り付けます。金属パテは樹脂パテほど乾燥後に体積が減らないため、わずかに盛り上がる程度で十分です。パテの硬化時間は厚さにもよりますが、気温20℃で4時間から5時間ほどかかります。

5.パテ研磨

アルミパテの完全乾燥後、棒ヤスリおよび耐水サンドペーパーで補修部を研磨します。棒ヤスリである程度形を整えたら、320番程度の耐水サンドペーパーで粗研ぎし、徐々に番手を上げます。シルバーのアルミホイールなら1000番、もしくは2000番で表面を整えれば補修完了です。

6.塗装

塗装されたホイールは近似色のタッチペンやスプレーで塗装しましょう。メッキホイールの塗装は再メッキをするしか元に戻す方法はないため、ミラー調のカッティングシートを貼り付けることで幾分目立たなくできます。

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執筆者プロフィール
伊藤友春
伊藤友春
1981年生まれ。自動車専門Webライターとして執筆活動中。自動車の構造に明るく、ほとんどの整備や修理をDIYでこなす。輸入車・コンパクトカー・変わったデザインやコンセプトの車が好きで、現在の愛車はその最た...

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