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道交法・交通事故

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導流帯(ゼブラゾーン)とは?走行・駐車したら違反になる?

ゼブラゾーンとは?

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道路にある斜線で囲われたゾーンは、巷ではゼブラゾーンの名前で知られていますが、正式名称は「導流帯」といいます。

導流帯は交通規制の一種で、「流れを導く帯」とあることからわかるように、一部の道路において交通車両の流れを一定の方向へ円滑に導くことを目的として設置されています。白色の枠内に白線が斜めに引かれているのが特徴です。

道路交通法第4条(公安委員会の交通規制)では、道路上での危険を未然に防ぐこと、そして安全と円滑を図ることなどを目的として交通整理や通行禁止、道路での交通規制などを行うことができると定められています。この定めに則って設置されている交通規制の1つがゼブラゾーンというわけです。

この記事では「ゼブラゾーン」の表記で統一します。

ゼブラゾーンの役割

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ゼブラゾーンを設置できる道路には基準が定められていて、それらをまとめると次のようになります。

  • 交差点の広すぎる道路で交通渋滞や交通事故を防ぐため
  • 交差点の道路形状が複雑であるゆえに事故や渋滞が発生しそうなところ
  • 車線数の減少等を理由に安全性・円滑性確保のための誘導が必要そうなところ

実際に一般道路でゼブラゾーンが敷かれている場所をいくつか挙げますと、まず直進レーンと右折レーンのある信号交差点があります。ゼブラゾーンの上を走ると自然に右折レーンへつながる仕様です。

街中でよく見かけるゼブラゾーンの場所

実際にどういったところにゼブラゾーンはあるのでしょうか。ここではゼブラゾーンのある一般道路の傾向を紹介します。

直進レーンと右折レーンのある信号交差点

ゼブラゾーンといえばやっぱりこれでしょう。

片側1車線の道路を走っていて交差点池が近づくとゼブラゾーンが見えてきて、その先に直進レーンと右折レーンがあるというものです。

そして右折レーンのゼブラゾーンは各所で「上を跨いでよいのかそれとも違反なのか」と話題に取り上げられています。後述しますが、特にこのケースのゼブラゾーンの理解が周知されていないことで、起こる必要のない交通事故が発生しています。

幅の広く大きい道路の合流車線

環状線や交通量の多い国道のように道幅の広い道路でもゼブラゾーンを見ることがあります。筆者が見たものですと、環状線とねじれの位置にある道から環状線や、高速道路に合流する左折レーンの内側に敷かれているゼブラゾーンです。

ゼブラゾーンを走行しても違反ではない?

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道路交通法等を確認してもゼブラゾーン上の走行を禁止する旨の記載はありませんので、これは違反に該当しないと判断して良いでしょう。ですのでゼブラゾーンの上をまたいでも大丈夫です。

ただし、中央線(車線中央の白い線)や追い越しのための右側部分はみ出し通行禁止(オレンジ色の線)にあるゼブラゾーンには注意しましょう。前者では中央寄りを走ると隣の車線の車両により近づきますし、後者の場合にはそもそも追い越しをすると道路交通法違反となるからです。

ゼブラゾーンを走る時に気をつけること

ゼブラゾーンが設置されている理由は円滑な通行を促進することですから、裏を返せばそれがなければどこを走れば良いのか・どこを走って良いのかの判断が難しいということにもなります。

ですので、そういった道路を走る時にはゼブラゾーンと周りの車線との立ち位置(位置関係)を瞬時に判断する・記憶しておくことが大切です。

例えばゼブラゾーンを走っている時に、隣のゼブラゾーンでない車線を走る自動車がいきなり車線変更をしてきたというシーン。特に右折交差点でよく起こります。出くわしたらすぐ減速できるよう、「直進レーンの車両が突然車線変更するかもしれない」と予測しながら運転しましょう。

これについては以降の過失割合に関する見出しでも言及しています。

ゼブラゾーンに駐停車できる?

「導流帯に駐停車してはならない」との文面は道路交通法にありませんが、道路交通法第47条(停車又は駐車の方法)の説明を読む限りでは、基本的に駐停車することはできないと解釈して良いでしょう。

第47条をまとめると「人の乗り降りや荷物を積み卸すことを目的に停車(あるいは駐車)するには可能な限り道路左側に沿うことに加えて他の車両の交通を妨げはならない」となります。

これを踏まえて「ゼブラゾーンに駐停車できるかどうか」を思考しますと、比較的交通の邪魔になるケースが多くなるのは想像しやすいです。特に右折交差点のゼブラゾーン常に車両が駐停車されていたら、これ以上の迷惑行為はありません。

ただし同時に、交通事故や緊急車両通過などの特殊な場面では一時的に駐停車する可能性も考えられます。臨機応変な対応が大切です。

見方を変えれば、道幅が広く見通しの良い道路にある導流帯で、そこにほんの少しだけ停車しても交通を妨げる可能性が低いところであれば、違反にならないかもしれません。とはいえ、停車はまだしも駐車はさすがにやめておいたほうが良いでしょう。

右折レーンのゼブラゾーンでの交通事故の過失割合は?

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右折レーンのゼブラゾーンで交通事故(車両と車両による事故)が発生したと仮定して、その時の過失割合はどうなるのでしょうか。

まずこの場合に考えられる事故の当事者の立場としては、ゼブラゾーンの上を通って右折レーンに入った車両、そして対するのがゼブラゾーンを過ぎてから右折レーンに車線変更した車両です。

実際の事故の判例を確かめたところ、過失割合は前者3割・後者7割となっていました。この結果を踏まえると、ゼブラゾーンの上を通って右折レーンに侵入するほうが比較的健全ということになります。ただしこの過失割合は交通事故の状況によって変化しますので、ケース・バイ・ケースと考えるのが無難です。

交通事故に発展しなかったとしても、ヒヤリハットするような場面に出くわしたことのある運転手や、これらのケースに出くわしたことがなくても、ゼブラゾーンを踏まないように右折レーンに進入する車両を見たことのある人はいることでしょう。

そういったことからも、ゼブラゾーンに関するドライバーの認識は総じて甘い傾向にあるとも言えます。

同一方向2車線道路での進路変更時の事故と同じ過失割合

「何を根拠に7:3となっているのか」という質問が飛んできそうですので先に解説しますと、まず交通事故における過失割合は最初の判例に基づいています。ですので右折斜線のゼブラゾーンの事例では最初に起きた裁判の判例で3割:7割と決定されたということです。

そしてこの過失割合は片側2車線の道路での進路変更時の事故と同じ過失割合です。これら2種類の事故の判例を踏まえると、ゼブラゾーンは車線であり、その車線を走る車両を妨害したという点でどちらの事故も共通しているというのが筆者の見解です。

ゼブラゾーンと似ている路面標識

ここまでゼブラゾーンを特に取り上げましたが、実はゼブラゾーンに似ている標識はいくつかあります。似ているというのはその役割ではなく、白線で書かれている・斜線であるといった要素です。いくつか紹介します。

路上障害物の接近を伝える白線

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いわゆる区画線に該当するものです。そのままその白線を跨いで走ると、障害物にぶつかります。高速道路本線と出口のところに引かされているのがわかりやすい例です。

停止禁止部分

停止禁止部分の道路標示

長方形や三角形の白枠の中に白の斜線がつながっているものと切れているものが合わせられた道路標識です。上を通ることはできますが、この標識の上で停車・駐車することは禁止されています。消防署の車両の出入り口に設置されているのがわかりやすいです。

この違反については道路交通法第50条(交差点等への進入禁止)第2項に記述されています。罰金なら5万円、反則金では6,000円、点数制度での違反点数は1点です。

立ち入り禁止部分

出典:wikipedia.org Author:MLIT and NPA in Japan(国土交通省・警察庁) CC 表示-継承 4.0
黄色い線で囲まれた導流帯は入ってはいけない(画像左)

車両での通行が禁止されている場所であることを示しています。オレンジ色の楕円っぽい枠内に白斜線が描かれています。通行が禁止されていますので駐停車ももちろん禁止です。刑事処分では3月以下の懲役又は5万円以下の罰金で、行政処分なら反則金9,000円(普通車)・違反点数2点の加点となります。

導流帯有無に関わらず周りを見て運転をしよう

©Serhiy Kapitonenko/stock.adobe.com

似ているものがあったり共有されている知識が少なかったりと、導流帯は意外と正確に理解されていない可能性が高いです。特に今回紹介した中でも、導流帯が絡んだ事故の過失割合の事例は知っておいて損はないでしょう。

周りをよく見て余裕のある運転をすれば、導流帯を生かしたベターな運転をできるかもしれないですね。

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執筆者プロフィール
中華鍋振る人
中華鍋振る人
自動車とバイクに関連する記事を書いています。モータースポーツは観戦よりも参戦派。道交法や違反に関する情報を、法律に詳しくない人にもわかりやすく解説しています。

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