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ハザードランプのケース別意味&使い方7選|サンキューハザードは日本だけ?
ハザードランプの使い方、使う場面・ケースを紹介します。サンキューハザードするのは日本だけ?車幅灯や駐車灯とハザードランプの違いは?ハザードランプの正しい使い方を解説します。
目次
ハザードランプのケース別の意味【早見表】
・路上駐車する時 ・牽引される時 ・やむを得ず低速走行する時 ・濃霧発生時 | 点けっぱなし | 周囲のドライバーに注意を促す |
駐車などでバックする時 | 点けっぱなし | 後続車に注意を促す |
渋滞発生時 | 後続に車が続いたら 消してもOK | 後続車に注意を促す |
車線や車順を譲ってもらった時 | 2~4回で消してOK | 後続車に感謝を伝える |
ハザードランプとは?車幅灯・駐車灯との違いは?

ハザードランプは、正式名称を「非常点滅表示灯」といい、方向指示器(ウィンカー)を全て点滅させた状態のことを指します。
故障等で動けない時にやむをえず路上駐車をしなければならない場合や、自動車が牽引される場合等に、周囲のドライバーに注意を促す目的で点滅させるものです。
ハザードランプを点滅させるスイッチは大抵の場合、運転席の真ん中に付いています。赤地に白い△マークという共通のものになっているので、簡単に見つかるでしょう。
車幅灯・駐車灯との違いは?
車幅灯(ポジションランプ/スモールランプ)との違い

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車幅灯(ポジションランプ/スモールランプ)は、夜間走行中に自車の車幅を示すランプです。近年の車ではヘッドライトユニットに収められています。
車幅灯はウインカー(ハザードランプ)と電球が一体化されていますが、ウインカー作動時は電力が弱められるため、明るさが異なります。
ウインカーを車幅灯のように光らせるドレスアップ方法「ウインカーポジション」があるため、車によっては上記の違いに当てはまらない場合もあります。
駐車灯(パーキングランプ)との違い

©tournee/stock.adobe.com
駐車灯(パーキングランプ)は、夜間や視界不良時に路上で駐上停車する際、他車による衝突を防ぐ目的で、 車幅灯やテールランプを点灯させるものです。
駐車灯として点灯している間は、エンジンを止めた状態で夜間点灯し続けてもバッテリーの負担が減るように、車内灯は点かない、消費電力の低い電球が点灯する、左右どちらかだけが点灯するなどの工夫がなされている場合があります。
ハザードランプは橙色であるのに対して、駐車灯は前面は白色で後面は赤色(側方灯やウインカーと兼用のものを除く)です。そもそも、ハザードランプはウインカーの規定を準用しているため、明るさや大きさなどの保安基準が異なっています。
現行の日本車においては、駐車灯は採用されていません。
理由には、路上駐車をする場合、他車に自車の存在を知らせるのであればハザードランプの点灯でじゅうぶんであること、エンジン停止中でハザードランプを点けていてもある程度はバッテリーあがりの心配がないことなどが挙げられます。
駐停車時のハザードランプ
道路交通法においては、夜間に側5.5m以上の道路に路上駐車する際、必ずハザードランプを点滅させるか、尾灯または車幅灯を点灯させることが定められています。
また、路上駐車や縦列駐車をする際、周囲のドライバーに対して注意を促す目的で、ハザードランプを点滅させることがあります。
ただし、自動車の左側が他の路上駐車の物陰に隠れてしまった場合、右側しか見えず発進の合図と誤認することもあるので、これに関しては好ましくないとされる意見もあります。
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バック時のハザードランプ(リバースハザード)
スーパーやショッピングモール等の駐車スペースにおいて、バックで駐車する際にハザードランプを点滅させることがあります。これを「リバースハザード」と呼び、後続車に注意を促す目的で使用されるのです。
また、駐車時のバックに限らず、自動車に普段とは違った動きをさせる際にも、ハザードランプを点滅させることで思わぬ事故の発生を防ぐことができます。
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渋滞時のハザードランプ
ハザードランプは、渋滞発生時に最後尾の車が後続車に渋滞の存在を知らせ、追突事故等の発生を防ぐために使用されます。
仕組み上、後続車が気づいて自らもハザードランプを点けてくれれば消灯してもよいのですが、実際は最後尾でなくてもハザードランプを点滅しているドライバーが多いよう。追突の危険をなくすためにも、状況を見ながら使用しましょう。
お礼のハザードランプ(サンキューハザード)
合流や車線変更の際、道を譲ってくれたドライバーに対して感謝を示すという意味で、ハザードランプを点滅させることがあります。これは「サンキューハザード(ありがとうハザードとも)」と呼ばれ、一部のドライバー間では挨拶として使用されています。
サンキューハザードはトラックドライバーの方が発端と言われています。
しかしながら、このハザードランプの使用方法は本来想定されているものとは異なっている上に、地域や状況によっては違った意味(煽り目的など)で使われることもあるようです。
実際に、関東から北ではサンキューハザードが多く、逆に四国の方ではあまり見かけないという情報もあります。
初めて行く土地では無闇にハザードランプを点滅させず、挨拶には会釈や手を使うようにした方がよいかもしれません。
サンキューハザードは日本だけ?
2016年、海外の自動車情報サイト「7TUNE.com」のFacebookページへの投稿が話題となりました。
普段、こちらのFacebookページの投稿では、だいたい100シェアされれば多い方ですが、こちらの投稿「How japanese drivers say thanks!(日本人ドライバーの御礼の言い方)」は即日2000シェアされ、瞬く間に拡散されました。
Facebookのコメント一部抜粋
- 「これはすばらしいアイデアだ。明日から僕もやってみるよ。」
- 「日本人の素晴らしいマナーね。」
- 「オーストラリアではこんなの見たことないわ。」
- 「アメリカ人も見習うべきだよ。」
- 「日本人のこういう振る舞いでいつも驚かせてくれるところは本当にクールだ。」
- 「彼らは、私たちと違って、人間らしい振る舞いををしている。」
サンキューハザードの文化は日本だけではなく、インドや香港、ハンガリーなどの一部の地域では習慣として行われているようです。facebook上のコメントでも「私もやってるよ」という外国の方が複数いらっしゃいました。
サンキューハザードを教習所では教えないのはなぜ?
日本人が良く使う「サンキューハザード」ですが、教習所では教えていません。
なぜかというと、サンキューハザードはハザードランプの本来の使い方ではなく、本来ハザードランプは周囲の車に渋滞の最後尾で「急停車」や、トラブルなどの「緊急事態」を知らせる意味だから。使うことで後続車が勘違いし、事故を招く可能性があるからです。
スピードが出ていたり、車が密集しているときなどはサンキューハザードは避けるようにしましょう。できる場合は会釈や手のジェスチャーでお礼をするとよいでしょう。
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低速走行時のハザードランプ
荒天や積雪等が原因で、制限速度を大幅に下回る速度で走行しなければならない場合や、除雪車や道路維持作業車等が低速走行する場合に、周囲のドライバーに対して注意を促す目的でハザードランプを点滅させることがあります。
濃霧発生時のハザードランプ
前方の視界が塞がれてしまうような濃霧発生時には、ヘッドランプやフォグランプ等と合わせて、ハザードランプも点滅させる場合があります。ハザードランプを点滅させて、周囲の歩行者やドライバーに自車の存在を知らせることで、事故を未然に防ぐことができるのです。
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【まとめ】危険を知らせるためのハザードランプ。かえって危険を招かないように注意
ハザードランプの本来の使い方は、危険や注意を促すために点灯すること。使う場面が指定されているというよりも、自分が「危険を周囲に知らせたい」と判断することが大切といえます。
スピードが出ていたり、車が密集しているときなど、ハザードランプを使うことでかえって危険や誤解を招くような場合は、乱用しすぎないように注意しましょう。
サンキューハザードは気持ちのよいマナーですが、会釈や手のジェスチャーでのお礼でもじゅうぶんです。
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