MOBY(モビー)自動車はおもしろい!

MOBY[モビー] > カーライフ > 車検・メンテナンス > 車のアクスルシャフトの構造は?リジットアクスルやフロント・リアアクスルについても
車検・メンテナンス

更新

車のアクスルシャフトの構造は?リジットアクスルやフロント・リアアクスルについても

アクスルシャフトとは? 

アクスルシャフト
アクスルシャフト
©phantom1311/stock.adobe.com

アクスルシャフトとは、車輪を回転させる役割を持つ回転軸の中でも、アクスルハウジング内部で同様の役割を果たすものです。

最近ではFF車(前輪駆動車)が主流ですから、車輪を駆動させるパーツと言えばドライブシャフトを思い浮かべがちですが、古典的な後輪駆動車に馴染みのある人にとってはアクスルシャフトが身近な回転軸と言っても過言ではありません。

アクスルハウジング内部にあるため、アクスルシャフトを確認するにはブレーキ周りを少々分解する等の作業が必要です。壊れると言うことはよっぽどありませんから、人によってはアクスルシャフトを一生見ることのない人もいるでしょう。

実はいろいろある「軸」の呼び方・種類 

自動車のサスペンションの説明では、車軸、フロントアクスル、リアアクスル、ドライブシャフト、そして今回のテーマであるアクスルシャフトといったようにさまざまな「軸」があります。

車軸

車輪を回転させるための回転軸の総称が車軸です。自動車だけでなく、バイクや電車にも採用されています。先に少し触れたように自動車にはドライブシャフトやアクスルシャフトが主な回転軸ですが、車軸と聞くと車軸式サスペンションを思い浮かべる人が多い傾向です。

フロントアクスルとリアアクスル

次にフロントアクスルとリアアクスルですが、これらは単純に前車軸と後車軸と考えれば良いでしょう。フロントあるいはリアのどちら側にある車軸なのかを強調する時に使える表現です。

ドライブシャフト

ドライブシャフト
ドライブシャフト
©phantom1311/stock.adobe.com

金属のシャフト、ベアリングにボールジョイントそしてそれらを覆うブーツによってI(アルファベットのアイ)字のような形をしている回転軸はドライブシャフトと呼ばれています。

ヤリスやマツダ2のような前輪駆動車の前車軸、そしてNSXのようなMR(リア・ミッドシップ)車の後車軸に使われているパーツです。車体下に潜ったり、タイヤを車体から外すと簡単に目視できるので、アクスルシャフトよりも馴染み深くなりやすいと言えます。

アクスルシャフトの種類

車を整備する男性
©Anze/stock.adobe.com

四輪のアクスルシャフトには全浮動式と半浮動式の2種類があります。前者はバスやトラックなどの高重量な車種に、後者は乗用車クラスの比較的軽量な車種向けの仕様です。

特に機械に詳しくなくても、全浮動式と半浮動式を写真で見比べれば、全浮動式がより堅牢な設計になっているのは一目瞭然です。

全浮動式は圧倒的に部品点数が多く、耐久性も高いです。半浮動式はそれを簡略化してよりシンプルでローコストに仕上げた設計であるなど、想定される用途に合わせた仕様になっていることがわかります。

リジットアクスルはアクスルシャフトが使われるサスペンションの1つ

スズキ ジムニー
スズキ ジムニー

アクスルシャフトが使われているサスペンションの1つにリジッドアクスルが挙げられます。リジッドアクスルは日本語では車軸懸架式と呼ばれるサスペンションで、最も古典的な形式です。

例えばトヨタ AE86のリアサスペンションは5リンク式というリジッドアクスル(車軸式の一種)で、アクスルハウジング内部に差動装置(デファレンシャル)と共にアクスルシャフトが装着されているのを確認できます。

AE86といえば今でも人気の高いトヨタのレビンとトレノのことですが、リアサスペンションはいわゆるスポーツカーとして特別優れているわけではありませんでした。リンク数は異なるとしても、アクスルハウジングは軽トラやトラックにもありますから。

スズキの人気のオフロード軽自動車であるジムニーのサスペンションは前後ともにリジッドサスペンションです。

悪路走破性に定評の高いオフロードカーのサスペンションは、ラダーフレームにリジッドサスの組み合わせがスタンダード。

つまりアクスルシャフトを理解するには、リジッドアクスルについて知ることでもあるのです。そこで以下ではリジッドアクスルのメリットとデメリットを考えてみましょう。

リジットアクスルのメリット・デメリット

メリット:丈夫で部品が少なく、低コスト

特に注目したいメリットとして、丈夫であることが挙げられます。左右の車輪を1本の鉄の車軸でつないで、その内部にパーツがアッセンブリーされていることからも想像しやすいように、とにかく頑丈です。

部品点数も少ないので構造もシンプルで、なおかつ低コスト。経済合理性を考えたらベストなサスペンションと言えるでしょう。

デメリット :乗り心地で劣ることも

その構造上、乗り心地はインディペンデントサスペンションよりも劣ります。アライメント調整もできません。

ですから、ジムニーのような前後ともにリジッドサスでなおかつラダーフレームの自動車を所有したいと思った際には、一度試乗して乗り心地を確認してからのほうがベターです。

リジットアクスルのメンテナンス方法

アライメント調整を行う構造ではないので、その点については基本メンテナンスフリーです。定期的にメンテナンスするべき点としては、ダンパー減衰力やオイル漏れの有無、リンクのブッシュ、デファレンシャルのオイルやオイルシールなど。

外部から見えませんが、アクスルシャフトベアリングの劣化はトラブルを起こしやすいです。ブレーキ内部へのベアリングのグリス飛散、走行中の異音などが挙げられます。

ベアリングの交換となると、ブレーキ周りを分解する他、アクスルシャフトの着脱も必要になってくるので、なかなか骨の折れる作業です。

リジッドアクスルについてより知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

アクスルシャフトを回転させる構造は?

ハイポイド・ギア
画像はハイポイド・ギア
©Ilya/stock.adobe.com

差動装置があってこそのアクスルシャフト

次に注目したいのが、アクスルシャフトを回転させる構造です。例えばFR(フロントエンジン・リアドライブ)車ではエンジンの動力を後輪へ伝えるためにプロペラシャフトが縦置きされ、トランスミッションと繋がっています。プロペラシャフトとリアアクスルは直角になっているので、プロペラシャフトの回転を90度変換させなければなりません。

そこで登場するのが差動装置。差動装置があることでアクスルシャフトを回転させて後輪を駆動させるだけでなく、カーブを曲がる時の左右車輪の回転差も調整します。

差動装置の構成部品

差動装置は次のような部品で構成されています。役割と合わせてご覧ください。

ピニオンギアプロペラシャフト先端にあるギア
リングギアピニオンギアで回転する環状のギア
スパイダーギアリングギアと共に同方向へ回転するギア。ギア自身も回転(自転)してサイドギアを回転させる
サイドギアスパイダーギアの自転で回転し、トランスアクスル回転させるギア。左右輪の回転差も調整する。

このように、アクスルハウジング内部の私たちが目にすることができないところで、さまざまなギア(歯車)がそれぞれの役割を果たして後輪を駆動させているのです。ピニオンギアとリングギアはねじれの位置関係にあるレイアウトから、ハイポイドギアとも呼ばれています。

そして上記の説明の通りいろいろなギアが使われていますから、これらを潤滑させるためのギアオイルが必要です。デファレンシャルに使用するオイルはデフオイルとも呼ばれています。

名称が異なるだけでギアオイルを利用することに変わりはありません。デフオイルはデファレンシャルの種類(オープンデフ、LSDなど)に合わせた規格を持っていますので、デフオイル交換時にはその車両のデフの仕様を知っていることがマストと言えるでしょう。

デフオイルの交換や点検を怠らないようにしよう

アクスルシャフトそのものをメンテナンスすることは頻繁にはありませんが、ベアリングの劣化による不調の兆しに気がつくように意識を傾けておきましょう。

同時に差動装置のデフオイル交換を定期的に行うことも大切です。

足回りに関する記事はコチラ

執筆者プロフィール
中華鍋振る人
中華鍋振る人
自動車とバイクに関連する記事を書いています。モータースポーツは観戦よりも参戦派。道交法や違反に関する情報を、法律に詳しくない人にもわかりやすく解説しています。
すべての画像を見る (5枚)

画像ギャラリー

コメント

利用規約

関連する記事

関連キーワード