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四輪独立懸架とは?メリットと採用車種【ちょっと得する自動車雑学】

四輪独立懸架の定義とは

©malkovkosta/stock.adobe.com

四輪全てに独立懸架式サスペンションを採用した自動車

四輪独立懸架とは、四輪(左右前後のサスペンション)に独立懸架式サスペンションが採用されていること示す表現です。通な人たちは、「四独(よんどく)」と呼んだりもします。

前後左右合わせて4つのサスペンションが、それぞれ独立して車両に取り付けられているものを四輪独立懸架式サスペンションと言います。「4つ」それぞれが「独立」しているので四独というわけです。

独立懸架式サスペンションに対立するのが車軸懸架式サスペンションになります。左右のサスペンションが車軸(アクスル)と呼ばれる1本の棒のようなもので繋がっている仕様です。

前後のサスペンションで繋がることはありませんが、左右サスペンションが繋がっているので、例えば車軸懸架式の右側のサスペンションが段差を乗り越えた場合、左側にもその衝撃が伝わることとなります。

乗り心地がよく、セッティングの幅も広い

四輪独立懸架式サスペンションは、全てのサスペンションが独立して動くことで他のサスペンションの影響を受けず、車軸懸架式と比べて乗り心地が良くなります。

例えば、右フロントタイヤが段差の上を走ったとして、地面からタイヤへの入力が伝わるサスペンションは右フロントサスペンションのみです。

モータースポーツの側面では、アライメント調整によるセッティングの幅が広がる点がメリットとなります。そして、四輪独立懸架であるというステータスへの満足度も忘れてはなりません。

アライメント調整の手間がかかるうえ、高コスト

悪い点を挙げると、まず四輪全てをアライメント調整することになるため手間が増えます。モータースポーツではセッティングにこだわりすぎて沼にはまってキリがなくなることも。リアが車軸懸架式の車両と比べると、部品点数が多くなって高コストです。

前輪駆動のコンパクトカーの多くは、フロントサスペンションが独立懸架式で、リアサスペンションがトーションビーム式になっています。トーションビーム式は車軸懸架式と独立懸架式を足して2で割ったようなもので、「車軸式」と呼ばれることが多いです。

巷では独立懸架式に含まれることが少なく、四輪独立懸架ではないと認識されているように感じます。コンパクトカーの多くには車軸式が採用されていて、低コストとスペース確保の2つが主な理由です。

独立懸架式サスペンションの種類

マクファーソン・ストラット式

独立懸架式サスペンションの中でもシンプルな構造を持つのがマクファーソンストラット式です。コンパクトカーや軽自動車のフロントサスペンションには、大体コレが採用されています。

アメリカの自動車エンジニアのアール・スティール・マクファーソンが開発したことから、この名称がつけられました。

ダブルウィッシュボーン式

高級車やレーシングカーへ採用されている独立懸架式サスペンションです。ロワアームとアッパーアームという一対のアームが採用されていて、これはダブルウィッシュボーンの特徴的な見た目として知られています。

ダブルウィッシュボーン式サスペンションの特長には、ストラット式と比べてアライメント変化が少ないこと、そしてもう1つはセッティングし易いことなどが挙げられます。

問題点としては、部品点数が多いので高コストになりがちなこと、そしてバネ下重量が重くなることなどです。

このようにメリットもデメリットもありますが、多くの高級車やスポーツカー、スーパーカーに採用されていることから、サスペンションとしてより高い性能を誇っていることに間違いはないでしょう。

マルチリンク

ダブルウィッシュボーンと共に高級サスペンション形式として知られるのがマルチリンク式になります。

ダブルウィッシュボーンが上下2本のアーム(ロワアームとアッパーアーム)で固定されているのに対し、マルチリンクは4本あるいは5本のリンク(=両端にブッシュを持つ棒状のアーム)によって固定されています。

四輪独立懸架の定番組み合わせ

四輪独立懸架には定番の組み合わせがあります。まとめると次の通りです。

組み合わせ採用車種
前後マクファーソン・ストラット式ホンダ S660、マツダ オートザムAZ-1
前ストラット式・後マルチリンク三菱 CJ系ミラージュ、アルファロメオ ジュリエッタ
前ストラット式・後ダブルウィッシュボーンポルシェ911、トヨタ 86
前後ダブルウィッシュボーンCR-X、インテグラ、エキシージ
前ダブルウィッシュボーン・後マルチリンクポルシェ パナメーラ、ジャガー XE

このように四輪独立懸架の自動車にも種類があるのです。そしてこれらのサスペンションの組み合わせは、その車種ごとのエンジンやモーターの馬力・トルク、駆動方式などのスペックなどを踏まえた上で考えられています。

ポルシェ 911 GT3〔992〕

例えば、高級車かつスポーツカーの1つとして知られるポルシェ 911 カレラのフロントサスペンションはストラット式、そしてリアサスペンションはマルチリンク式です。

RR(リアエンジン・後輪駆動)のレイアウトを持つため、リアサスペンションにはより高い性能が求められます。

フロントサスペンションがストラット式となっているのは、それで十分性能を発揮できるという開発陣の結論とも読み取れます。ただし別モデルの911 GT3(現行)ではフロントサスがダブルウィッシュボーンとなっています。

最新「911」中古車情報
本日の在庫数 543台
平均価格 1,093万円
本体価格 200~5,880万円

四輪独立懸架を活かすにはアライメント調整が必須

アライメントとは、サスペンション取り付け位置や角度などを数値化したもの

ここまで四輪独立懸架のメリットやデメリットなどを紹介しましたが、その性能を真に発揮するためにホイールアライメント調整が必須です。正確なホイールアライメントがあってこその四輪独立懸架と言えます。

ホイールアライメントとはホイールやサスペンションが取り付けられている位置や角度などを数値化したもので、トー角、キャンバー角、キャスター角、キングピン傾角という4つの要素で構成されています。

アライメントについて詳しくは以下でも解説しています

アライメントが出ていないと真っ直ぐ走らせるのが難しい

アライメントが正しく調整されていれば、ハンドル角度一定で真っ直ぐ走りますが、これが正確でないと走行中にフラフラ(=常にハンドルを動かしていないと真っ直ぐ走らない)します。それだけでなく、タイヤの偏摩耗を引き起こす可能性もあります。

独立懸架式サスペンションはアライメント調整がシビアで、トー角やキャンバー角の調整が必須となります。

例えば、ストラット式ではトー角の調整を、ダブルウィッシュボーン式ではキャンバーとトー角の調整をするのが一般的です。モータースポーツ界隈では、キャスター角やキングピン傾角の調整をする人もいます。

基本的に車軸懸架式・車軸式ではアライメント調整をしない(できない)

車軸懸架式のサスペンションや車軸式のサスペンションは、構造的にアライメント調整ができないようになっています。

中には加工することでキャンバー角をいじる人もいますが、それは少数派です。フロントサスペンションがストラット式でリアが車軸式となっているコンパクトカーのアライメント調整は、実質、フロントのトー角だけとなります。

四輪独立懸架式サスペンションが採用された自動車

ホンダ S660(軽自動車)

軽自動車スポーツカー代表格の1つです。後輪駆動かつエンジンを運転席・助手席後方に設置するMR方式が採用されています。

サスペンション形式は前後ともにストラット式で、昨今では数少ない四輪独立懸架の軽自動車です。軽自動車独自のサイズ感・税金でスーパーカー感覚やスポーツ走行を体験したいなら、買いの1台と言えるでしょう。

最新「S660」中古車情報
本日の在庫数 108台
平均価格 274万円
本体価格 136~560万円

トヨタ カローラスポーツ(コンパクトカー)

クルマ本来の楽しさを併せ持つ初代コネクティッドカーとしてトヨタが売り出しているコンパクトカーのカローラスポーツは、実は四輪独立懸架の車種です。

フロントにストラット式、そしてリアにダブルウィッシュボーン式が採用されており、かなり贅沢なサスペンションの組み合わせとなっています。

価格帯は大体210万円〜290万円でガソリン車とハイブリッド車のラインナップです。MT仕様があるのも見逃せません。

最新「カローラスポーツ」中古車情報
本日の在庫数 518台
平均価格 212万円
本体価格 113~300万円

トヨタ アルファード / ヴェルファイア(ミニバン)

トヨタ アルファード

高級ミニバンとしてその名を知られるトヨタのアルファードは、四輪独立懸架の車種となっています。フロントサスがストラット式でリアがダブルウィッシュボーンです。

トヨタにはノアやヴォクシーのような価格帯の安いミニバンもありますが、これらはリアが車軸式になっていますので、アルファードやヴェルファイアは見た目だけでなくそのあたりの差別化が為されているとわかるでしょう。

最新「アルファード」中古車情報
本日の在庫数 4551台
平均価格 303万円
本体価格 30~1,200万円
最新「ヴェルファイア」中古車情報
本日の在庫数 4990台
平均価格 228万円
本体価格 36~880万円

三菱 エクリプスクロス(SUV)

エクリプスクロスはフロントサスにストラット式、リアにマルチリンク式が採用されています。

現行ラインナップではガソリン仕様とPHEV仕様をそれぞれ3グレードずつラインナップしているので、選択肢が多いです。価格帯も価格はガソリン車が2,531,100円から、PHEVが3,848,900円からとなっています。

現在(2021年6月時点)三菱が販売するSUVはエクリプスクロス、アウトランダーPHEV、RVRの3車種で、これらは全て前ストラット式・後マルチリンク式の組み合わせです。

最新「エクリプスクロス」中古車情報
本日の在庫数 309台
平均価格 239万円
本体価格 143~328万円

マツダ ロードスター(オープンカー)

マツダ ロードスター ND フロント

日本のスポーツカーかつオープンカーとして世界を圧巻する車種の1つです。足回りは、フロントがダブルウィッシュボーンでリアがマルチリンクとなっています。

ハードトップ仕様のロードスター RFとは乗り味(つまりサスペンションの仕上がり)が異なりますので、購入を検討している方は要試乗です。

最新「ロードスター」中古車情報
本日の在庫数 677台
平均価格 141万円
本体価格 15~698万円
最新「ロードスターRF」中古車情報
本日の在庫数 94台
平均価格 281万円
本体価格 183~530万円

日産 GT-R(ノッチバッククーペ)

現行最強国産スポーツカーと言っても過言でないのが日産 GT-Rです。サスペンション形式は、フロントにダブルウィッシュボーン式、リアにマルチリンク式となっています。先ほど紹介したロードスターと組み合わせは同じです。

GT-Rの新車価格帯は税込10,828,400円からとなっています。

最新「GT-R」中古車情報
本日の在庫数 144台
平均価格 1,026万円
本体価格 428~2,680万円

サスペンション形式には作り手の狙いがある

サスペンション形式には作り手の狙いが見て取れます。なぜなら車種によってスペックや想定用途などが異なり、評価基準が変化するからです。

運動性能を追求した車種にダブルウィッシュボーンやマルチリンクが使われるのも、軽量コンパクトカーのリアサスが車軸式になっているのも、性能や用途などを踏まえた結果と言えるでしょう。

興味を持った方は、機会があれば愛車の足回りを一度覗いてみてはいかがでしょうか。

サスペンションの種類や構造については以下で解説中

駆動形式の種類や違いについてはコチラ

トランスミッションの種類や違いについてはコチラ

執筆者プロフィール
中華鍋振る人
中華鍋振る人
自動車とバイクに関連する記事を書いています。モータースポーツは観戦よりも参戦派。道交法や違反に関する情報を、法律に詳しくない人にもわかりやすく解説しています。
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