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「次のキャンピングカーもバンコン!」と確信する愛用者から見たバンコンの長所と欠点
キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です
大きな居住空間をもち、自宅と変わらない本格的な車内生活を実現できるキャブコン(キャブコンバージョン)。
一方で、ベース車両の性能を最大限に活かした機動性と汎用性が魅力のバンコン(バンコンバージョン)。
どちらにも長所と短所がありますが、私はバンコン一択。
もし潤沢な駐車スペースと予算があったとしても、次に選ぶ車もまたバンコンだろうと思うほど愛用しています。
キャンピングカー登録できる法的なルール(構造要件)が昨年(2022年)に緩和されたことにより、今後はより小型軽量なコンパクトバンコン市場が拡大することも予想されます。
今回は愛用者から見たバンコンの魅力と短所を徹底解説します。
バンコンの魅力とは
バンコンには数えきれないほどの長所があります。
場所を選ばず走行&駐車でき、きびきび動けるという機動力。
レジャーだけでなく多様な目的で活用できる汎用性の高さ。
ベース車両の性能がそのまま活かされる、車としての安全性や走行性。
ベース車両が人気車種なら、ドレスアップやカスタマイズのパーツも豊富です。
中でも全長5m以下に収まるような比較的コンパクトなサイズのバンコンは、その恩恵に最大限あずかれるでしょう。
ナローサイズ(いちばん小さな標準ボディ)のハイエース・バンコンを愛用している私が考える、バンコンの魅力を具体的に見ていきましょう。
目的地を選ばない
トヨタのハイエースや日産のキャラバンなど、バンの荷室を居住空間に仕立てているバンコン。
キャンピングカーに限らず流通台数が多く、人々が日常的に運転している車でもあります。
ここに「普通車と変わらない感覚で利用できる」という大きな利点があります。
たとえば駐車場所。
商業施設や公共施設など、一般的なサイズで設計された駐車スペースであれば、バンコンも問題なく駐車できます。
車高にもよりますが、立体駐車場やドライブスルーなどを普通車と同様に利用できる機会も多いでしょう。
「他の車が通れる」道ならば「ほぼ自分も通れる」と考えてよく、ルート選択の自由度を高めます。
キャンプ場を目的地とするならあまり関係ありませんが、最近広がる「観光旅行の足としてキャンピングカーを使う」というケースでは、取り回しのしやすさは大事なポイントです。
細い街路や、混雑する観光地の駐車場、桁下に高さ制限がある道などにも普通車と変わらずスイスイ入っていけるバンコンは、市街地を走る旅にぴったりです。
普段使いができる
どこにでも乗っていけるということは、通勤や通院、買い物など「日常の足」としても活躍することを意味します。
現に私も、歴代のバンコンを通勤に使っていました。
給油、タイヤ交換、空気圧チェック、FFヒーターの定期燃焼などのメンテナンスも容易です。
日常的に乗っているので、異変にすぐに気づけるという利点もあります。
反面、大型キャブコンではデイリーユースの車を別に所有することが一般的でしょう。
2台持ち、3台持ちになりますから、保管場所や維持費にある程度の余裕が必要です。
バンコンでは、ベース車両のスケールメリットも見逃せません。
たとえばハイエースはアウトドア目的に限らず人気の車種で、非常に多く流通していますから、カスタマイズやメンテナンスの機会が豊富です。
「一般的な車である」「故障やトラブルにどこでも対処してもらえる」という安心感は抜群です。
人気車種だと、カスタマイズパーツ専門店があったりするのも魅力ですね。
人による思いますが、私の場合は「目立たない」「一見してキャンピングカーだとわからない」というビジュアルも重視しました。
周囲の車に馴染むことを意識したセレクトです。
フェリー乗船時など車両サイズが料金に関係するような場面でも、コンパクトなバンコンにはアドバンテージがありますよ。
ベース車両の安全性が維持される
ポップアップルーフを備えたり、窓を少し出っ張らせて室内を広くしたりと、バンコンながらオリジナリティあふれる加工を施したモデルもたくさんあります。
とはいえ、多くのバンコンは主に内装の加工に重点を置き、ベース車両を活かしたデザインになっているはずです。
もとのボディから遠く離れないほど、ベース車両のもつ安全性や耐久性がそのまま維持されることが期待できます。
たとえば空気抵抗や重心の位置、衝突安全性能、耐久性など、自動車メーカーの安全基準が活かされるのです。
キャンピングカーには車検上の構造要件はありますが、居住部分についての細かい規定はなく、ビルダー各社の独自基準に任されているのが実情。
一種の改造車であり、管理や運用は「自己責任」と言われるゆえんです。
私も過去にサイドオーニングの取付部からの水もれを経験したことがあるのですが、普通車の何倍も安全に気を配らなければならないのがキャンピングカー。
その点、ベース車両から大きく逸脱しないバンコンは、ひとつの安心材料になります。
加えて、無理な加工をしない、信頼できるビルダーを選ぶ、メンテナンスを怠らない、といったことも大事ですね。
ベース車両の走行性が維持される
「ベース車両の性能が維持される」というメリットのもう一面。
キャンピングカーながら、車としての「走る」「曲がる」「止まる」といった基本性能が保たれるのもバンコンの魅力です。
たとえば小回りが利くコンパクトバンコンなら、ベース車両そのままの軽快な操作性と機動性を発揮できるでしょう。
馬力のあるハイエースなどは、山道でも高速道路でもスムーズに加速できます。
私の愛車はハイエース(2800ccディーゼル/4WD)ベースですが、安定感のある走りと、坂道をものともしない加速力にはとても満足しています。
自分が渋滞の原因となってしまうこともありません。
きびきび走れる爽快感、車としての運転の楽しさは「バンコンならでは」と言えるかもしれません。
バンコンの短所
ところで、いいことばかりのように思えるバンコンですが、弱点はないのでしょうか。
ここまで挙げた「どこにでも駐車できる」「取り回しがしやすい」「きびきび走る」といった長所は、居住性とトレードオフ(両立できない関係性)です。
居住性とは住み心地のこと。
窮屈さを感じさせない快適な空間、自宅のように使える家電、安眠できるベッド、といったことです。
バンコンのコンパクトなボディは「居室の狭さ」「搭載できる装備の少なさ」に直結します。
立体駐車場が利用できるような車高の低さは「車内で立ち上がれない」「天井が低くて圧迫感がある」という欠点につながるでしょう。
ベース車両の形が決まっているので、自由度の高い大胆なレイアウトは難しくなります。
常設ベッド、トイレルーム、大容量の収納など、バンコンだと備えるのが難しい装備もたくさんあります。
ソロ車中泊にはぴったりな私のハイエース・バンコンですが、就寝人数が2人、3人となると狭さを感じます。
また、車内で常に腰をかがめて歩かなければならない状況は、着替えやトイレ利用で不便を実感します。
居住性と機動性、どこでバランスをとるか。
一人一人、ちょうどよいポイントを追求するのがキャンピングカー選びだと言えます。
バンコンはこんな人におすすめ
キャブコンとバンコン、それぞれ得意分野と苦手分野があり、「どちらがおすすめ」「どちらが優れている」と一概にジャッジは下せません。
複数人が乗車しても快適に過ごせ、充実装備をフル活用できるキャブコンには、また独自の魅力があります。
しかしながら、ここまで挙げたような「普段使いができる」「目的地を選ばず利用できる」「車としての安全性や走行性が維持されている」というポイントを考慮すると、バンコンはこんなユーザーにおすすめです。
まずは私のように2台持ち、3台持ちが難しく、かつ通勤など日常的に車を使っている現役世代。
そして、自然豊かなキャンプ場だけでなく、街歩きや観光地に出かけたいと思っている旅好きの人。
滞在先での快適性よりも燃費や機動力を重視するアクティブな人。
運転のしやすさに関しては「大型キャブコンでも慣れれば問題ない」という声を多く聞きますから大差ないかもしれませんが、少なくとも私は小回りが利くナロー(標準)サイズのハイエースにかなり助けられています。
狭い道でも方向転換できたり、左右に余裕をもって駐車できたりすることは大きなメリットです。
どこに行くにも気負わずひょいとハンドルを握って出かけられる、そんなバンコンが私には合っているようです。
同じようなスタイルのユーザーなら、きっと私と同じようにバンコンの魅力に惚れこんでしまうことでしょう。
ライター:SAYA
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- 執筆者プロフィール
- 車旅情報Webマガジン「DRIMO」
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