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「RV」って何?徐々に盛り上がる「RV熱」~ジムニーやバモスホンダ…1970年代に増加した変種たち~【推し車】
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ジープ並の悪路走破性を持つライトバン、レオーネエステートバン4WD
1970年代に生まれた重要なRV原型といえば、1972年にスバルが発売した「レオーネエステートバン4WD」も見逃せません。
もともと、ジープ型クロカン4WDで冬季の設備点検に悪戦苦闘していた東北電力から、宮城スバルへ「スバルff-1バンをベースに4WD化できないか?」と、特別な改造依頼をしたのが全ての始まり。
FF(前輪駆動)車とはいえ水平対向4気筒エンジンを縦置きし、その後ろのデフから左右前輪へ駆動配分していたスバル車ですから、ザックリ言えばフロントデフに後輪駆動車のプロペラシャフトとリア駆動周り一式を追加すれば、4WDライトバンはいっちょ上がり!
他社のFRライトバンにフロントデフと前輪駆動機構を追加するより簡単でしたから(後にトヨタもターセル/コルサへ同じ方式で4WDを追加し、初代スプリンターカリブも作った)、ブルーバードの後輪駆動システムをドッキングしたff-1 4WDバンは大好評!
これを見た富士重工(現・SUBARU)本体も「スバルff-1 1300Gバン4WD」を開発しましたが、モデル末期のため本格的な市販車としては初代レオーネがデビューとなります。
富士重工としては「オンオフ問わずに高い走行性能を発揮するスポーツワゴン」として売り込むべく、レオーネエステートワゴン4WDとして開発、パンフレットまで作っていたものの、まだRV市場が存在せず時期尚早ということもあり、エステートバン4WDとしてデビュー。
乗用4WDとしては、イギリスのフルタイム4WDクーペ「ジェンセン FF」が1966年に発売されていたので、世界初ではなかったものの、大衆車で4WD乗用車など存在しない時代でしたから、後にセダンやクーペにも4WD車が設定され、スバル車の特徴となりました。
もっとも、スバル4WDは「最低地上高が高い、妙に腰高で変なクルマ」というデザイン不在の時代が続き、1989年のレガシィ ツーリングワゴン(初代)で大ブレイクをするまで長い下積みを経ましたが…。
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- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...