更新
ターボは今なお現役、最強のジャジャ馬!NAもワンメイクレースで大活躍!4代目トヨタ スターレット(P80系)【推し車】
少し重くガッシリしたけど、それを軽く上回る猛烈なパワー!
先代EP71の2Eエンジンをボアアップ&やや排気量アップしてDOHC化、ハイメカとはいえツインカムとはいえ心地よく吹け上がる4Eエンジンは自然吸気EFI仕様の4E-FEでも100馬力と十分なパワーを有し、ターボ版4E-FTEともなると135馬力!
モデルチェンジで熟成されたはずのボディや足回りが、悲鳴を上げるかのようによじれるのをねじ伏せるようにアクセルを踏み込めば、加速感の向こうに見えてくるものがある…。
MOBY編集部がAIに聞いた、「30~50代のクルマ好きが気になる名車」にノミネートされた歴代トヨタ スターレット、その4代目P80系はヒラヒラとかっ飛ぶ先代P70系に対し、パワーでモノを言わせる豪快なクルマでした。
バブル景気真っ只中に現れた「青春のスターレット」
「国民車」パブリカの後を継ぐトヨタの定番エントリーモデルだった、スターレットが4代目にモデルチェンジしたのは1989年12月、1991年初頭にその絶頂を迎える狂乱のバブル景気真っ只中、自動車が「一家に1台」どころか「1人1台」の時代です。
「青春のスターレット」という言葉がカタログに踊り、大したお金持ちじゃない若者でもちょっとバイトを頑張れば買えて、しかもトヨタお得意のハイメカツインカムは小排気量エンジンの4E系と相性がよく、自然吸気エンジンは気持ちよく吹け、ターボはどっかん!
初期モデルは特にエンジン特性や足回りに未成熟な面を抱える…という、当時のスポーツ系トヨタ車に共通の問題を抱えていましたが、そんな細かい事はどうでもイイッ!(※)とばかりに、若者はこのハイパワーFF車へ狂気したのです。
(※もちろん、後の改良でそれなりにしつけられましたが、この種のクルマでありがちなことに「最初の方が良かった…」というユーザーも、それなりにいたりします)
自然吸気もターボも歴代最強のパワーウェイトレシオ
当初のエンジンラインナップは、ガソリン車(EP82)が全車先代2E系(1,295cc)をボアアップして1,331ccへ拡大、ハイメカツインカム化した4E系で、自然吸気・キャブレター版4E-Fが82馬力、自然吸気・EFI版4E-FEが100馬力、EFIターボ版4E-FTEが135馬力。
加えて1,453cc OHCの1N型55馬力を積むディーゼル車(NP80)もありましたが、かなり騒がしい音を立てて走るディーゼルだったので、P70系やP90系同様、あまり見かけません。
面白かったのは自然吸気エンジンの4WD仕様(EP85)が登場し、4E-FTEにスワップチューンすれば手軽に5速MTの小型軽量パワフルな4WDターボを楽しめたこと。
さらに小型軽量といえば、ターボ車の「GT」ではパワーウェイトレシオ約6.15kg/psと歴代モデルで最強を誇り、トルクステアでぶっ飛んでいきそうなのをねじ伏せれば、猛烈な加速と高速域の伸びまでを体感できました。
4E改造5E仕様の1.5リッターDOHCターボで400馬力オーバー、懐かしき「谷田部」(日本自動車研究所 高速テストコース)で最高速297.3km/hを叩き出した、伝説の「ピカチュウスターレット」もEP82がベース。
もちろん現役のモータースポーツマシンとしても活躍し、自然吸気仕様がワンメイクレースで長く使われたほか、ラリーやダートラで多用されたターボ車は、DC2インテグラタイプRにすら対抗可能なマシンとして、今なお現役です。
1990年代の青春時代にこのEP82スターレットで腕を磨き、2000年代以降も先輩から譲り受けたり、安い中古車を買って楽しんだ若いドライバーは、皆さんの周りにも1人くらいいたのではないでしょうか?
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
【推し車】シリーズのメーカー・ジャンル別一覧はこちら
【推し車】シリーズのスポーツカーまとめ3選集はこちら
【推し車】シリーズのテーマ別特集はこちら
- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...