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不遇でも魅力はあるのに?!何となく恵まれないまま5代目まで作られた軽スペシャリティ~歴代スズキ セルボ~【推し車】

短命に終わったのが惜しまれる「横丁小町」・3代目(1988年)

3代目セルボ「横丁小町」は、あらゆる軽自動車の中でも秀逸と言っていいデザインなのだが、短命で終わったのは本当に残念

1988年1月にセルボは3代目にモデルチェンジしますが、フロントマスクは同年9月にモデルチェンジしてしまう2代目アルト/6代目フロンテと同じ…「型落ちベースのスペシャリティクーペ」で、実は初代や2代目も似たようなもの。

つまり、当時のスズキはセルボを「型落ち車でコストをかけずに作る女性向けスペシャリティカー」と位置づけていたようです。

1990年の軽自動車規格改定(660cc化)を見据え、ロングストローク化すればすぐ660ccのF6Aになるよう、F5Aをビッグボア&ショートストローク化した新型の「F5B」エンジンを先行搭載し、電動パワステの初採用など、「古い器に新装備」という伝統?も健在でした。

この代のセルボはフロント周りこそ「型落ちアルト/フロンテ」そのままでしたが、前席頭上を頂点としてなだらかに落ちつつ、テールでスパッと切り落としたのはなかなかにスポーティで、左右テールランプ間いっぱいのガーニッシュなど、デザインは秀逸です。

当時の人気アイドル、大西結花をCMに起用して「横丁小町セルボ」と売り出し、素性が古い割にはかなりヤル気マンマン、ターボエンジン不在だけは不満だったものの、それも女性向けパーソナルクーペと思えば…という出来栄えでした。

これで1990年の軽規格改定も660cc化で乗り切れば、「セルボ」という車名のイメージもだいぶポジティブなものに変わっていた可能性もありますが、550ccのままわずか2年半足らずの短命で終わったのが惜しまれます。

最大のライバル、ダイハツのリーザが女性向けメインでも最大64馬力のEFIターボエンジンを積んで元気よく走り、660cc化でも生き残ったのとは対照的な運命でした。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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