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かつてハイオク指定の軽自動車がいた…「究極の軽」と比喩されるスバル渾身の1台とは

スバル プレオとは?

現在のスバル プレオプラスはダイハツ ミライースのOEM車両です。しかし、プレオはかつてスバルが独自開発した車。1998年に登場した初代スバル プレオは、ヴィヴィオのプラットフォームを流用したやや全高が低めのワゴンとして投入されました。

パワートレインを含むほとんどが先代にあたるスバル ヴィヴィオからの流用で構成されているため、プレオの足回りは前後ストラットの4輪独立サスペンションで、エンジンは660ccの4気筒SOHCエンジンです。トランスミッションは当時まだ珍しかったCVTが設定されるなど、ライバルに対して各部の性能が優れる点が特徴です。

しかし、やや変則的な構成であるうえ設計の古さもあって、ダイハツ ムーヴやスズキ ワゴンRなどがひしめく軽トールワゴン全盛の時代にあって、どうしてもプレオの競走力は不足気味でした。

スーパーチャージャー搭載の軽ワゴン「プレオ RS」

スバル プレオのグレードラインナップにはRSと名付けられたグレードが存在していました。外観の違いは専用のフロントバンパーとリアスポイラーが装着された、いわゆるスポーティグレードです。しかしその中身は、なんとも冴えないプレオのなかにあって異様な存在感を放っていました。

プレオRSに搭載されるエンジンはヴィヴィオのホットグレードである最終型RX-Rから流用された、64PSの660cc直列4気筒DOHCインタークーラー付スーパーチャージドエンジン。5速MTに加えて当時は他に類を見ない7段マニュアルモード付CVTモデルが組み合わされ、専用にチューンされた前後ストラットの4輪独立サスペンションはそのままに、リアブレーキはディスク化されています。

スーパーチャージャーは、エンジンのクランクシャフトの回転を利用して過給するため、ターボのように過給圧が高まるまでの加速ラグが発生せず、排気量が拡大されたような余裕のある走行フィールに変化します。

しかしその高トルクが仇となり、プレオRSはアクセルを踏み込んだ瞬間から強烈に加速を始め、意識せずにペダル踏み込もうものなら簡単にホイールスピンするため、危ないという声も聞かれるほど異色の存在でした。そして、このプレオRSは、ヴィヴィオ RX-Rと同様に指定燃料がハイオクであることも特筆点です。

執筆者プロフィール
伊藤友春
伊藤友春
1981年生まれ。自動車専門Webライターとして執筆活動中。自動車の構造に明るく、ほとんどの整備や修理をDIYでこなす。輸入車・コンパクトカー・変わったデザインやコンセプトの車が好きで、現在の愛車はその最た...

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