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208

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新型プジョー208 試乗レポ「走りが愉しいフレンチコンパクトは高コスパ」

撮影・文:MOBY編集部 宇野 智

今回の試乗車は、2020年7月2日に日本上陸を果たした、新型プジョー「208」。“プジョーってどんなメーカーなの?”という基礎知識から、ちょっとマニアックな話まで筆者の体験を織り交ぜながらお伝えします。

青いプジョー208と青い海、青い空
青いプジョー、青い海、青い空。
記事末尾でドライブ風景を動画で共有しました。
後ろに見える島は江ノ島。

「プジョーとは?」高級ブランドと勘違いされがち…

プジョーとは、フランスの自動車メーカー。世界最古の自動車メーカーとなります。正しい表記は「PEUGEOT」。

現在は、パリに本拠地を置くグループ会社「グループPSA」の傘下ブランドの一つとなり、プジョーの他に「シトロエン」「DS」といったフランスの自動車メーカーのブランドを有します。また、ドイツの「オペル」もグループ会社のブランドとなり、2021年からは日本市場再導入が決定されています。

プジョーは大衆車メーカー

日本においては殊に外車は高級車という概念を持つ方が少なくありません。プジョーも高級車ブランドと認識されていることが少なくありませんが、そうではありません。

プジョーは、日本国内でいうトヨタに相当するメーカー。大衆車メーカーです。ただ、トヨタに高級車「クラウン」などがあるように、プジョーにも高級車は存在します(むちゃくちゃ高くはないですが)。現在のラインナップで最上級モデルは「508」、その新車車両本体価格は451万円~533万円(税込)。

プジョー 208 Allure フロントシート
プジョーは昔からシートに定評がある。クッション多めでソフト目。座り心地を重視しながら長時間ドライブでも疲れないようにされている。

プジョーのクルマの特徴

歴代のプジョー車を包括してそのブランドの特徴を一言でいえば「乗り心地が良いクルマ」。“猫足”とも形容される、文字通り猫の足のようにしなやかなサスペンションと、座り心地の良いシートがどのプジョー車にも。

筆者もさまざまなプジョーのクルマに乗りましたが、どのモデルも「いざとなったら意外と速い」と感じます。アクセルをぐっと踏み込めばすばやく加速。いざというとき、ダッシュを決める“猫の足”というのも補足したい特徴。

プジョーのブランドロゴは「ライオン」ですが、足は「猫」です。

プジョー 208 Allure リアエンド
水平基調のリアエンドのデザインに、3連LEDのリアコンビネーションランプは、プジョー共通のデザイン言語。
ブランンドロゴはライオン。

プジョーの歴史

プジョーの歴史をぐぐっと遡ると、1810年頃に、ペッパーミル(胡椒挽き)の製造に辿りつきます。大元は金属製造業。その後、量産自動車の開発、生産販売をはじめます。1895年には100台以上の自動車を製造、世界最古の自動車メーカーと言われる所以となりました。

ちなみに、プジョーはバイク、自転車も製造。ロードバイクは世界最高峰の自転車レース「ツール・ド・フランス」で幾多の優勝を飾ったマシンとしても有名です。

プジョー「208」とは?

プジョー「208」は、Bセグメントに属する、ハッチバックのコンパクトカー。この記事に登場する「208」は、2019年に開催されたジュネーブモーターショーで発表された2代目。先代は2012年にデビューしていますが、その前身は「207」となります。

プジョーの車名命名規則は、初代「208」がデビューする前まで、1桁目と3桁目を「0」で挟み、1桁目をセグメントやボディ形状を示す数字、3桁目を世代とし、3桁目は1から順に大きくなっていくものでした。「207」の前身は「206」、「205」…となります。

ちなみに、日本未導入ですが、「208」よりコンパクトな「108」がヨーロッパでは発売されています。

プジョー 208 Allure リアとボディサイド
リアエンドにはスポイラーを装備、16インチホイールでスポーティーな印象に。実際の走りもスポーティーに走れるし、落ち着いた走るもできる。

全長4mちょっとのコンパクトなボディ

新型プジョー「208」のボディサイズは、全長4,095mm、全幅1,745mm、全高1,455mm(試乗車の「Allure」の数値)ととてもコンパクト。全幅こそ、1,700mmを超えた3ナンバーになりますが、いまどきのコンパクトカーは、ホンダ フィットも3ナンバーサイズもラインナップするように、全体的にワイド化ですから、取り回しに苦労するような全幅ではありません。(衝突安全性などを考慮すると、そこそこ全幅が必要になるそうです)

新型208のボディサイズは、国産車だとトヨタ ヤリス、前述のホンダ フィットが近いサイズとなります。

エンジンは定評ある1.2Lガソリンターボ

新型208に搭載されるエンジンは、直列3気筒1.2Lガソリンターボ(国内導入モデル。ヨーロッパ市場ではディーゼルの設定あり)。「Pure Tech」と名付けられたダウンサイジングターボで、これまでに世界的権威のある賞「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」を受賞した定評のあるものです。

プジョー 208 Allure のエンジンルーム
「踏むと速い」はグループPSAのどのモデルにも共通する。これをなぜかとグループPSAジャパンの開発担当にかつて訊いたことがある。その答えは「フランス人はせっかちですから。」

このエンジンは、グループPSAの他のモデルにも搭載されています。日本導入モデルでは、シトロエンのコンパクトカー「C3」もこれ。足回りなどのセッティングの違いから、クルマの性格は異なりますが、基本的には活発でよく走るエンジンで、直列3気筒にありがちな振動も抑えられた、なかなかよくできたエンジンです。

1.2Lという小さな排気量ですから、エンジン単体も軽く、これが走りの気持ちの良さに繋がるんですよね。

最高出力は、ジャスト100PS、最大トルクは205N・m。排気量の割には出力、トルクともに高めな設定です。

デザイン

個人的にはとても好きなデザイン。スポーティーでありながらも、かわいらしさもある雰囲気です。

プジョー 208 Allure リア俯瞰で撮影 背景は山なみ
箱根ターンパイクにて。山道が得意なクルマ。

フロントマスクは、現在のプジョーのアイデンティティとなったデザイン言語を採用。その最大の特徴は、「ライオンの牙」と形容される、ヘッドライトの端からバンパーの両サイドに落ちるLEDデイタイムランプ。このデザインは、プジョーのフラッグシップモデル「508」で初めて採用(2019年3月から日本導入された新型から)、その後、この「208」が採用、今年9月にワールドプレミアされた「SUV 3008」、日本導入された新型「SUV 2008」もこの顔つきです。

プジョー 208 Allure 夜間のフロントライト点灯状態「ライオンの牙」のLEDデイタイムランプ
「ライオンの牙」

内装はプジョーの新型に共通して採用される「i-Cockpit」を運転席に据えた、全体的にクリーンで先進的な印象のデザイン。

「i-Cockpit」は、楕円形のステアリングホイールで、飛行機の操縦桿のよう。これは低い位置のセッティングがポイントで、概ね、拳1個分くらい、普通のクルマのそれより位置が低くなります。これによって、長時間の運転による疲れを低減する効果があります。腕の位置が低いので、疲労が溜まりにくくなるのです。

プジョー 208 Allure 「i-Cockpit」運転席周り
身長約180cmの筆者が正しいドライビングポジションを取り、運転席に座った視点で撮影した。ハンドル上部にメータークラスターが位置する。「i-Cockpit」は独特のレイアウトだが、すぐに慣れる。慣れると楽。ハンドル操作支援も備えているので、さらに楽。グループPSAのハンドル操作支援は、ドライバーの好きな車線位置で設定ができる。普通はセンター。また、ドライバーに逆らうことがない。

また、ステアリングホイール位置を低くすることにより、メータークラスターの位置を上げることができ、ヘッドアップディスプレイと同じような、メーター確認時の視線移動を少なくすることができます。これも長時間運転時の疲労度を軽減することができます。(従って、オプションでヘッドアップディスプレイは設定されません)

プジョー 208の走り、乗り心地はどうだったのか?

普遍的なことばになってしまいますが、「すごくイイ」。元気に走りますし、プジョーらしい乗り心地の良さ、シートの良さ、疲れにくい「i-Cockpit」で長距離ドライブは愉しく快適でした。

プジョー 208 Allure インパネ
未来感あるインテリア。

元気の良いエンジン

前述しましたが、3気筒1.2Lガソリンターボ「Pure Tech」はとても扱いやすく、パワーも十分。気筒数が少なさが及ぼす振動や騒音のデメリットは日常使用ではほとんど感じられず。山道の長い登り坂で2速固定で元気良く走る、といったシーンでは、直噴エンジン特有のくぐもったエンジン音を奏でてしまいますが、そもそもエンジンぶん回して、その音を楽しみましょう、というクルマの性格でもないので、マイナスポイントにはなりません。

プジョー 208 Allure メータークラスター表示4タイプ
多彩なメーター表示。右上は、アダプティブクルーズコントロール使用時に車間距離を示す。左下は、Gメーター。左右前後方向にかかるGを表示。元気良い走りのテンションを高めてくれる。
表示は立体的に見えるよう、奥行きに距離を持たせた2つの表示面を使用している。

リアサスの良さ

山道を走ったときに感じたのは、リアサスの良さ。高めのスピードでコーナーを抜けると、きちんと後輪が接地していて安定。ただ、乗り心地を重視の分、ロールは出ます。コーナーが連続するところでは、うまくタイミング合わせて加減速とハンドルを切ってやれば、ひらりひらりと駆け抜けてくれます。ボディのロールが出るのが悪ではないのです。

プジョー 208 Allure リアサスペンション
コイルスプリングの可動域は大きい。つまりサスペンションストロークは大きい。

リアサスは、コスト面で有利なトーションビーム式。プジョーは安く仕上げようとしているわけではなさそうです。プジョーはトーションビームのセッティングは手慣れたもの。かねてより、FFコンパクトカーをヒットさせ、トーションビームがアイデンティティじゃないかと思うほど採用されつづけたリアサス。熟成の領域でしょうか。

小気味良い変速が愉しい8速AT

新型208は、EAT8(8速エフィシェント・オートマチック・トランスミッション)を搭載。このクラスでは珍しく8速AT。国産ならCVTが採用されるクラスです。ヨーロッパでは日本と異なり、発進・停止が少ない道路事情のため、ステップAT(有段AT)が主流となり、日本ではCVT(無段AT)が効率が良くなるという違いはありますが。

プジョー 208 Allure センターコンソール、ギアセレクター周り
ガングリップタイプのギアセレクターはグループPSA共通のものを使用している。8速ATはマニュアルモード付きでパドルシフトを備える。ドライブモード切替、電動パーキングブレーキも備える。

新型208は道路事情と安全面が許せば、アクセルを最大限踏み込んで乗っていただきたい。変速ショックがいい感じで伝わり、小気味良く加速。スポーティーです。アクセルを踏み込まない加速では、変速ショックをほとんど感じません。エンジンとの相性の良さ、というか、グループPSAの各ブランドで採用されてきたエンジンとATですから、セッティングも手慣れたもので、これも熟成の領域と言えるところでしょう。

良心的な価格設定。200万円台

新型プジョー 208の価格は、239.9万円〜259.9万円で3グレード構成。試乗車のグレードは中間の「Allure(アルール)」で259.9万円。この200万円台の価格設定は、グループPSAジャパンは結構攻めたのでは?参考までに、本国フランスでの「Allure」の価格は21,000ユーロ。本記事執筆時点の為替レートでは、奇しくも同じ260万円。だいたいは本国価格より日本市場価格の方が高くなるのが相場ですが。

これまた参考までに。同じくらいのボディサイズでBセグメントの「トヨタ ヤリス」の最上級グレードでは、230万円の価格設定(1.5Lハイブリッド、2WDでの価格)。ヨーロッパ市場ではがっつりライバルとなるところでしょう。

ちなみに後席は、ヤリスより208の方が広く、乗り降りもしやすかったです。

プジョー 208 Allure リアシート
身長約180cmで座高高めな筆者が座れるリアシート。ボディサイズからして前後スペースは広いとは言えないが、身長高めな人が4人乗るは可能な広さ。ボディの割には頭周りの空間がきちんとあった。

良いところ、悪いところ

新型プジョー 208の良いところ、悪いところを一覧にまとめ。デザインや乗り味は筆者自身の感覚的なものがありますので、その点お含み置きを。

良いところ悪いところ
・デザイン
・小気味良い走り
・乗り心地良い足回り
・座り心地の良いシート
・ボディサイズ、デザインから受ける印象に対して広い後席
・先進安全装備ひと通り揃える
・価格
・燃費

燃費は、筆者試乗時のトータル平均燃費で11km/L前後。プレミアムガソリン仕様ですから(ヨーロッパのレギュラーガソリンは、日本のプレミアムガソリンと同じオクタン価になる)燃料費は走行距離が多いと嵩みます。ここは、国産ハイブリッド・コンパクトカーに負けます。ただ、ここだけが選ぶポイントになるようなクルマではありませんが。

ちょっと高めのガソリン代は、208だけにしか味わえないドライビング・プレジャー代と思えば安いモンになると筆者は思った次第。

近いうちに、今まで試乗したクルマの中から、多角的なオススメモデルをピックアップした記事をお届けしようかと考えています。新型208は、その記事に載ることは間違いないでしょう。

プジョー 208 Allure 夕焼けを背景に撮影
横から見ても「ライオンの牙」がアクセントデザインになる。

新型208でドライブしたのはここ

新型208の試乗したのは、夏の終りの暑い日でした。天気に恵まれたら走ろうと決めていたコースは、湘南の海沿い。青い208と青い海と青い空。この組み合わせは、たとえ真冬でも最高じゃないですかね?

今回は、読者の方へバーチャル・ドライブ動画をお届けします。

今回は、アクションカメラ「Insta360」で撮影。(機材提供:Insta360)

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この記事の執筆者
MOBY編集部 宇野 智

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