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【充電23回1,800km走行】日産 リーフ NISMO 超長距離試乗してみて思ったこと|EVお遍路Vol.1

文・撮影:宇野 智

2021年の年明け、管首相が「2035年までにすべての新車販売を電動車に」と表明し、自動車業界内外に大きな波紋を広げました。さまざまな論議が巻き起こり、さまざまな問題が山積みされていく今日このごろ。そこで筆者は、ある思いを胸にEVで超長距離を走り、現況はどうなっているのか、問題はなんなのかを自分の目で見て、自身の身体で感じることにしました。

第1弾は、日産 リーフ NISMO

超長距離をEVで走りたい理由は、さまざまな道路状況を体験し、充電スポットの現況を自分で確かめてみたかったから。

EVで高速道路を1日数百キロ走るとどうなのか?だけではなく、一般道ではどうなのか?はたまた、一般道といっても、都市部、郊外、農村、山間部それぞれ状況は異なります。

これらをすべて、丸っと体験すべく選んだ目的は四国。四国といえばお遍路です。4つの国がありますから、1国1車種で。第1弾は、世界初の量産EV「日産 リーフ」のスポーツバージョン「NISMO」を選びました。

四国遍路のドライブはどんなものだったのかを、テキストでつらつらと書くには冗長過ぎるので、動画にまとめました。上に掲載したYouTubeでご確認ください。寺ごとに、もくじをYouTube概要欄に付けていますので、これから四国遍路にクルマで行こうとされている方なら、予習になるかと思います。

リーフ NISMOは標準モデルと何が違うのか?

日産 リーフ NISMO フロント
フロントバンパーはNISMO専用設計。空力性能を向上させている。

リーフの標準モデルはバッテリー容量とモーターのパワーが異なる2つグレードがあり、このうちハイパワー・大容量バッテリー仕様に「e+」の名称が与えられています。なお、NISMOは、標準グレードのパワートレインが使用されています。スペックを比較すると次のとおりです。

標準グレード
NISMO
e+
最高出力150PS218PS
最大トルク320N・m340N・m
バッテリー容量40kWh62kWh

上位グレード「e+」に搭載されているモーターは、標準グレードのモーターと同じものであるということがポイント。電子制御がエンジンより緻密にかつダイナミックにできるモーターの特性を活かし、NISMOは、アクセルの踏み込み量に対する加速度、パワーの出方が標準グレードよりマシマシになっています。また、ドライブモードもダイナミックな設定に変更されています。

このため、同じモーター出力でも電費は以下のように変わります。

航続距離(WLTCモード)
標準モデル322km
e+458km
NISMO281km

リーフは、エンジン車のATギアシフトと同様に、「D」レンジと「B」レンジがあります。Bレンジは、回生ブレーキ(減速時、モーターを発電機としてタイヤの回転力を電力に変換、機械式ブレーキをかけなくてもエンジン車のブレーキ並みに制動がかかる)が強力になると同時に、アクセルに対するパワーの出方がDレンジより大きくなり速く走ることができます。また、ギアシフトのほかに「ECOモード」ボタンを搭載し、これがONのときはDとBどちらのレンジでも、パワーの出方がおとなしくなります。

このBレンジを、標準グレードとNISMOは大きく設定を変えており、標準グレードのBレンジでECOモードONのときより、NISMOのDレンジのほうがパワーの出方が上となるの設定です。

標準グレードでも結構速いのですが、NISMO DレンジでECOモードをOFFにすると「めっちゃ速い」になり、BレンジでECOモードOFFにすると「くっそ速い」になります。(筆者体感ベース)。試乗中は試験的にECOモードOFFにしたときと、山道の急な下り坂でBレンジに入れECOモードをONにしたわずかな時間以外はずっと、Dレンジ・ECOモードONでした。これでも十分スポーティーな走りが楽しめます。

日産リーフ NISMO インパネ

ほかに、ステアリングもクイックに変更され、標準モデルより約20%切れ角が小さくされています。このため、きついカーブが連続する山道でも、ハンドルを回す量が少なく、よりスポーティーな走りが楽しめます。

日産リーフ NISMO ホイール

さらに、NISMOには専用のサスペンションと18インチアルミホイール+コンチネンタル ContiSportContact 5タイヤが装着されています。乗り心地は、標準モデルに比べるとゴツゴツしますが、長距離ドライブでも許容できるレベル。四国遍路は、急坂、急カーブが多い道をよく走るのですが、モーター特有の低回転からの太いトルクと相まって最高に愉しいドライブとなりました。

日産リーフ NISMO シート
メーカーオプションのNISMO専用チューニングのレカロシート。見かけによらず、長時間の運転でとても楽だった秀逸なシートでした。

NISMOとは?

日産リーフ NISMO リア
リアバンパーもNISMO専用設計。空気の流れを整えるディフューザーを備える。特に時速80km以上では電費にも貢献。

NISMOとは、日産のスポーツブランドで「ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株式会社」の頭文字。レースへの参画を行い、モータースポーツ向けパーツの設計、製造、販売を行っています。また、日産車の標準モデルを、このリーフ NISMOのようなカスタム、チューンナップしたハイパフォーマンスモデルの開発もしています。

ニスモとは?意味や魅力を解説|ノートからGT-RまでNISMO仕様車種も紹介

電費と徳島県の充電スタンド状況

日産リーフ NISMO リアと沈む夕陽

急速充電スタンドのみでの充電で回りきりました。横浜にある日産グローバル本社から東京都内を経由してからの徳島までの往路、復路はフルで高速道路を走行、徳島県内はすべて一般道で合計約1,800kmの走行距離、充電回数は23回。1回あたりの充電時間は30分、内2回は同一充電スタンドで30分☓2回の連続充電という結果でした。(※Twitter #EV四車種で四国お遍路を一国ずつ回る で、各充電スポットの状況をツイートしています)

平均実電費は高速道路で6.1km/kWh、一般道では6.7km/kWhとなりました。やはり、信号停止が多いと回生ブレーキで充電されるので、高速道路より一般道の方が良い電費となりました。

徳島県内の充電スタンドは網羅されていて、整備も行き届いていましたが、一部の道の駅では、午後4時半までの利用時間だったりするなど、幹線道路ではないところでは注意が必要でした。

充電スタンドは、リーフのカーナビで最寄りの充電スタンドや、経路上の充電スタンドを調べることができます。車に乗っていないときはスマホアプリ「EVsmart」を使いました。このアプリは、高速道路使用に限りますが、目的地までの推奨充電スポットを事前に調べることができて便利。

ちなみに、徳島県内で合計約400kmほど走行したのですが、すれ違ったEVはたったの3台(うち2台は恐らく同じ個体かと思われる)。すべてリーフでした。EV普及率が低い地域なのでしょうか。

HV・PHEV・PHV・FCV・EV・BEV・HEVとは?カーライフ別おすすめのエコカー選び

クルマに乗らない人でも、クルマの電動化は他人事ではない大問題ということ。

「2035年までに新車販売のすべてを電動車に」の政府方針は、クルマに乗らない人にも間接的に影響が及ぶ、国民のみんなで考えていかなねばならない大問題ということを、筆者は強くお伝えしたい。

菅首相の掲げる自動車電動化が、表明のとおりに実現するとしたなら、あとたった14年しかありません。14年“も”先ではないのです。今、デビューする純内燃機関の新型車は、これで最後のモデルになり、マイナーチェンジを何度か実施して延命させながら、新型EVを開発していくのが自動車製造業界全体のロードマップとみて良いでしょう。

現在の状況をしっかりと理解しておく必要があるし、今後、どんな問題があって、どう解決していくか、についてもわかっていなければならない、と筆者は思っています。新車販売の100%をEV、はさすがに現実的ではないと思いますが、少なくとも今後の自動車社会ではEVの比率が高まってしまうのは必然の流れになったのは現実です。

ちょっと乱暴な言い方になりますが……EVが普及すると電力不足になると言われています(これが本当かどうかは調査してみたい)。その結果、あなたの住む街に原発が建設されました、という可能性も出てきます。

きちんと理解が得られる十分な説明や理論があるのなら良いのですが、ややもするとトップダウンで原発が建設されはじめるなど大騒ぎになりかねないですよ、なのでみんなで考えましょうね、と言いたいのです。

筆者は「EVでお遍路」を、やってみました系のノリではなく、今後のモビリティ分野と車社会に、筆者含め皆さんがもっと興味関心を持って欲しい、という思いで走ってみたのです。

さて、第2弾は、2021年1月に国内発売が開始されたばかりの「マツダ MX-30 EV Model」で高知を回ります。高知は、四国遍路の中で最も移動距離が長い県。「修行の道場」とも呼ばれています。MX-30 EVは出たばかりで、マツダとしてもリアルに超長距離を走ったことがないそう。さて、どうなることやら。

クルマの電動化に潜む問題点に着目していきたいと思います。次回のレポート記事をお楽しみに。

日産 リーフe+のロングドライブ試乗レポートはコチラ!

MX-30発売直後の試乗レポートはコチラ!

執筆者プロフィール
宇野智
宇野 智
モーター・エヴァンジェリスト/ライター/フォトグラファー/ビデオグラファー/エディター エヴァンジェリストとは「伝道者」のこと。クルマ好きでない人にもクルマ楽しさを伝えたい、がコンセプト。元MOBY編...
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